先生は知っている 成績伸びない2つの家庭環境

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・志望中学なし「居心地の良い子」
・親子とも「実感がない」
・「小さな困った」 は子どもに必要
・ 逃げずに自分と向き合う
志望中学なし「居心地の良い子」
中学受験に参戦したものの、いつまでたっても「発火」しない子どもがいます。塾の先生や家庭教師は学力以外に、その原因を「家庭環境」にあることを体感として知っています。
成績が悪くても気にしない子どもたちに総じて言える特徴の1つが「自宅の居心地」がすこぶる良いことです。
小学校が終わると、寄り道もしないで自宅へ。おいしいおやつを食べて、スマホ、ゲーム、マンガ…、自分の好きなことをふんだんにできる時間がそこにはあります。裕福なお宅が多いのも特徴として挙げられます。自分でお金を払って物を買った経験がほとんどない子も珍しくありません。
時間になればおいしい夕食が出てきて、お腹いっぱいになった後はまた自由時間。お母さんに促されて机には向かうものの「きょうは疲れた」などといって、30分もしないうちに終了。YouTubeでも見て眠くなったら寝ます。
別の日は塾や個別指導には行くも、分かる問題以外は考えもせず、ただ座っているだけ。親御さんが「塾に行きなさい」というから通っているけど、行きたい学校なんてないし、中学に行ってもやりたいことは特になし。うちでゴロゴロしながらYouTubeでも見るのが「やりたいこと」です。
親は「慶應に行けたら」とか「雙葉なんていいわね」とか言っているけど、当の本人は朝早起きして、満員電車に乗るのなんて嫌。歩いていける近所の学校がいい。すぐに家に帰れるし…。特定の子の話ではありません。「自宅の居心地がいい」という子の特徴を集めるとこんな感じです。
親子とも「実感がない」
塾で何時間も頑張り、家に帰っては復習、復習の連続。共働きをしながら子どもの勉強に伴走する親御さんの頭が下がる姿勢から比べれば「中学受験をナメている」としか見えない姿ですが、こんな感じの中学受験組は一定数います。
子どもの姿勢も姿勢なら、親御さんのそれも中学受験の厳しさに「実感がない」のが特徴です。まだ4、5年生だと「今はまだ本気を出していないだけ。塾に行っていれば、最後は収まるところに収まるでしょ」くらいの感覚です。
裕福なので「軍資金」には事欠かないお宅が多く、塾代、家庭教師代は負担と感じておらず、祖父母がそのお金を出してくれているところも結構あり、これもまた「実感がなさ」をに通じます。
子どもにとっての自宅の「居心地の良さ」とともに、親子ともども中学受験に対する「実感のなさ」が成績不振の原因としてあるとは、多くの塾講師、家庭教師から聞きます。良く言えば「おおらか」、中学受験の厳しさを考えれば「参戦以前の状態」とさえ言えます。

「小さな困った」 は子どもに必要
「自宅の居心地がいい」と感じている子どもたちが勉強に身が入らないのは、目標のなさと生きるエネルギーの弱さとともに「何もしなくてもこの生活がいつまでも続く」と心の底で思い、安心しているからにほかなりません。
いつか支えてくれる親御さんも周りの人もいなくなって、自分一人で歩いていかなければならなくなることが全く想像もつかないのです。子どもには無理もないことです。現状が「いつか変化する」ということが全く想像できなければ「今のままでいい」となるのは当然です。
裕福なことや子どもがしたいことをできる環境が悪い、と言っているのではありません。心配なく生活できるのは何より大切なことです。ただその中でも、少しでも「自分のこれから」を考えるうえで子どもには「小さな困った」や「小さな困難克服」体験が必要です。
自分で身の回りのことを考えてするでも、どんなに忙しくても決められたことは必ず守るでもいいです。そういうことの積み重ねを通じて「人任せ」から脱却します。自ら考えることで「こうしてみたい」「こうなりたい」「これをやりたい」という目標の第一歩が芽生えてきます。

逃げずに自分と向き合う
もし、成績が伸びず、子どもの前向きな姿勢が見当たらなければ、日常生活を客観的に見直してみる必要があるかもしれません。同時に子どもと向き合って、自分のこれからをどう考えているかを聞いてみるのも大切です。
中学受験をして、より自分を高めたいというより、「現状維持」が一番、というような気持ちをぼんやり抱いている子が多いと思います。「ぼんやり」を否定したり、非難すると、子どもは扉を閉めてしまうので、一度のみ込んだうえで、1つ1つ「その気持ちでこれから進んだらどうなるだろう?」と一緒に考えてみます。そこから先は、親御さんそれぞれ。諭す言葉がひとによって違ってくるでしょう。
大切なのは、子ども自身に自分と向き合わせることです。普段考えようとしない(避けている)自分の「今とこれから」を一度見つめてみるのは、中学受験をするうえで勉強を一旦停止してでも必要なことです。

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