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8割9割は当たり前!?日本学園(明大世田谷)


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様相一変、志願者約14倍
出題傾向、難易度変更せずの背景
明大付属系志望者なら高得点
・気になる「合格者数」の絞り込み

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様相一変、志願者約14倍

2026年に共学化、学校名が「明治大学付属世田谷」に変更となる、男子校の日本学園は、23年度入試で注目校の1つです。

明治の付属としてのスタートは先の話ですが、来春に日本学園中学に入学した子は、高校に進学したときに明大世田谷高校1期生になります。29年春に高校を卒業する際には、目標値として7割程度が明大に推薦入学します。

事実上、明大付属となる来春に向かって、日本学園の中学入試はその様相が一変するのは間違いありません。10月2日に行われた首都圏模試の第4回合判模試で、日本学園を志望校判定校としてエントリーした男子は657人(2科・4科合計)、第1志望としたのはうち96人。前年の同模試ではエントリー46人、第1志望5人ですから、エントリーだけでも約14倍、第1志望は約19倍になりました。

22年度入試は4回入試機会があった日本学園ですが、2月1日午前の第1回では適性と合わせて出願者は67人。一番多かった5日午後の第4回でも119人で、実質倍率はどの回も2倍足らずでした。ふたを開けてみなければ分かりませんが、23年度入試は「大変なことになる」という予測だけは容易につきます。

出題傾向、難易度変更せずの背景

23年度入試は2月1,3,4日いずれも午前の3回の機会を設け、適性試験系はなくなり、2科か4科のシンプルな入試になります。難関校、上位校、有名大学付属校の入試は総じてシンプルです。日本学園も「シフト」していることがうかがえます。

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一方で学校側は説明会などで「出題傾向や難度は変えない」としています。

日本学園の過去問と受験生の「関係」が見える資料は少なく、ここ数年2科と4科の合格最低点、22年度の第1回入試の各教科の受験者平均程度しか分かりません。例えば22年度第1回入試の国語の受験者平均点は44.8点、算数は34.1点(いずれも100点満点)でした。合計すると約79点ですが、同回の入試の合格最低点は65点。平均点より15点近く低くても合格となる入試でした。

気になるのは、平均点の低さです。国語で4割強、算数で3分の1程度、同回の理科は16.8点、社会は20.8点と決して高いとは言えません。入試問題に対して受験生のレベルがかけ離れているといえます。これまでとは打って変わる入試が予想される中で 「出題傾向や難度は変えない」 方針なのは、この点数から見えてきます。

つまり難易度を変えなくても、受験生が大幅に増え、レベルもかなりアップすることによって、現行の入試問題でやっても平均点や合格最低点が上昇し、結果的に他校と同じような結果=合格最低点が6割から7割程度に落ち着く、入試になると読んでいるからではないでしょうか。昨年までの日本学園志願者にとっては「難しい」問題も、入試の様相が一変することで、23年度の受験生には「ちょうどいい」問題になると予測していると考えられます。

明大付属系志望者なら高得点

これまでの日本学園の受験生にとっては難しかった入試問題も、23年度に同校を志望校にする多くの受験生には「簡単」かもしれません。

日本学園の入試問題レベルは基本的な内容が多く、大手進学塾の授業でも取り扱う典型題ばかりです。22年度第1回の算数なら、ごく基本的な四則計算に始まり、「比」や「割合」「つるかめ算」「角度」などの小問集合、旅人算に立体図形という大問5問、解答数22の構成。平均点が低かった理科はここ3年ほど同校のトレンドになっている「てこ」「水溶液」「天体」に生物系の大問4問で解答数は24。いずれも中学受験をするなら、入門レベルの問題です。

出題傾向、難易度が変わらず、受験層のレベルが大幅アップするとすれば、合格最低点、平均点はかなり上昇すると考えるのが妥当です。特に明大付属系と併願する子なら「8割、9割の得点は当たり前。満点も続出するかもしれない」と塾講師や中学受験専門の家庭教師は口をそろえます。

合否を分けるのは「ミスと処理能力」です。他の中学もそうですが、基本問題が多い中学は「いかにつまらないミスをしないか」で勝負は決まります。偏差値も余裕で入試で手応えがあったのに不合格だった生徒の敗因は、ほぼこの一点に尽きます。

日本学園は国語と社会の解答数が多いのも特徴です。国語は解答数35で、50字と30字の記述があります。社会は1問1点の解答数50です。国語は漢字10問を除いては、読解2題なので時間的余裕は少なく、社会も「瞬殺」レベルでないと終わらないかもしれません。問題レベル的にはこちらも基本的で、昨年の平均点が低いのは、受験生の処理能力が追い付かなかったから、と言えます。

気になる「合格者数」の絞り込み

日本学園の合格80%偏差値は首都圏模試で「54」。昨年の結果偏差値「41」より10ポイント以上もアップしました。同模試での志望者の偏差値分布をみると、2科の平均偏差値は「48.9」、4科で「48.6」。上は70以上の受験生もおり、60以上も2科で60人以上いました。

入試直前になって、明大中野(首都模試80%偏差値66)や明大中野八王子(同64)志望者の中で偏差値が届いていない子を中心に日本学園を受験校に入れてくる可能性は十分あります。場合によっては、1日の日本学園を「前受け」にして、当日発表の合格を確保して、2日の「本命」明大明治(71)に挑む子もいるかもしれません。

そうなると、合格可能性80%偏差値の「54」より結果偏差値は、より高くなることが十分あり得ます。さらに学校側が合格者を絞ると、本来ならなんとか合格ラインに達する子も振り落とされてしまいます。入試の合格最低点も気になりますが、合格者数をどれだけ出すのかも大いに気になります。これまでのような実質倍率2倍以下の入試にはならないことだけは断言できます。

入試の様相が一変するだけに「将来明治の付属になるのに、この偏差値で入れるならお得」と安易に受験すると、こんなはずでは…になりかねません。「明大世田谷」狙いなら、戦略は入念に練る必要があります


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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