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広尾学園小石川 3年目「激辛」入試への対策


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1回目入試「異常」な11.3倍
合格者平均80点の広尾小石川の算数
気になる22年度1回目入試の算数
・国理社高得点で合格を引き寄せる

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1回目入試「異常」な11.3倍

男子11.3倍で合格者6人、女子9.8倍で合格者13人――。22年度の広尾学園小石川、2月1日午前1回目入試本科結果がこれです。同時に行われたインターナショナルクラスのSG(スタンダードグループ)と合わせると、男女で7.2倍。2倍を切る中学も珍しくない1回目入試で、いきなりの「激辛」入試です。

村田女子から校名変更して1年目の21年度1回目入試は、本科・SG合わせて2.3倍。合格者の多くがそのまま入学手続きをした「歩留まりの良さ」が目立ち、 本科・SG の定員80人を大きく上回る1年生が入学しました。その「前例」から合格者数を絞らざるを得なかったのが22年度入試でした。

23年度入試でも広尾学園小石川の人気は継続しています。昨年の「激辛」入試に腰が引けて志願者数、受験者数は減少するかもしれませんが、合格可能性の低い受験生や興味本位で「もしかしたら受けるかも」の出願が減る程度で、入試レベルは前年並み、それ以上の「戦い」になる可能性が高いです。

広尾学園小石川の合格可能性80%偏差値は、サピックスで1回目52、2回目(1日午後)で56、3回目(2日午後)で57。1回目は4科で、2、3回目は国算2科の入試になりますが、過去2年の結果からみると「算数勝負」というのが色濃く出ています

合格者平均80点の広尾小石川の算数

広尾学園小石川の23年度入試を予想するうえで「22年度1回目の出題とその他」という2つの色分けできます。具体的に特徴を述べると、22年度1回目が「思考力を駆使する“楽しい”良問」でその他が「塾のテキストや演習でよく見かける問題」です。好んで出題しているのは「規則性」、「相似」、「数の問題」です。

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声の教育社が発行する過去問集には2年分の第1回から3回までしか掲載しておらず、他の回の傾向が分からないので「確定情報」ではありませんが、掲載されている6回中5回の算数の問題はも大問1の計算から、小問集合、数の問題にしても平面図形、立体図形にしても、塾でこれまでやってきたことをきちんとマスターしていれば、試験会場で青ざめるような問題はほとんどありません。

22年の2回目入試の合格者平均(本科)が80.4、同3回目も80.9というのがそれを物語っています。しかし、受験者平均は2回目が58.9と22点差もついています。算数では受験者と合格者の平均が10点以上の開きがあるのは普通ですが、20点以上は稀です。

この差の原因として、1つは「受験生のレベルの差」です。「広尾人気」で実力的には遥かなる…という子も受験したのでしょう。もう1つは「ミスの差」です。取り組みやすい問題ほど解答を題すことを急ぎ、算数で一番大切な「正確さ」を忘れた子が、できる問題をポロポロ落とし「残念」となるのです。典型題、基礎問題が並ぶ入試ほど、安易なミスは「命取り」です。

気になる22年度1回目入試の算数

気になるのは22年度1回目入試の算数です。他の回と毛色が違うこの回は、受験生の算数に対する「思考力の差」がはっきり出る問題が並びました。受験者平均40.6点に対し、合格者平均は62.2点。こちらも22点近い差です。

難問が出題されれたわけではありません。ただ「ひとひねり」入っている問題がそろっています。その「ひねり」に対して、「思考する習慣があるかどうか」の差がこの得点差です。

大問1の計算、大問2の小問集合を除き、大問3からは典型題の反復練習や解法暗記では太刀打ちできません。大問3の濃度、大問4の水の深さと体積のグラフ問題、5番の場合の数、最後の立体図形…どれをとってもパターン問題ではなく、自分の持っている算数の思考力で「どの道具を使えば解答に至るか」か問われています。

この傾向の問題がくると、サピックスのレベルで算数が偏差値50台だと苦戦が予想されます。逆に60をコンスタントに超えるなら70点はいきます。御三家レベルの子たちは楽しみながら解くでしょう。算数の出来が合否の分岐点になったことは間違いないです。

対策があるとすれば、塾のテキストは発展問題まできっちりやりきり、様様な考え方を要求される問題を解いて「思考力」を養成します。ただ、直前期にたくさんやったからといって基礎力がない子には無理です。ここにいたるまでに地道に基礎を積み重ねた子が、たくさん演習を重ねると力になります。

「思考する問題」シリーズが22年度だけで終わるのか、23年度も継続、あるいは他の回にも波及するのか、23年度の広尾学園小石川の算数の出題傾向は、学校側がこれからどういう生徒に入学してもらいたいかを問う試金石になりそうな気がします。

国理社高得点で合格を引き寄せる

目を転じて国語(100点満点)の試験内容を見てみると、読解で言えば素材文の長さは適度で記号問題が割と易しく、漢字の読み書きも頻出問題が多く、知識問題も標準的なので、ここでの失点を最小限にとどめることが肝心。50~80字程度の記述が2題ありますが、深く考えるより部分点狙いでも構いません。合格者平均は70点を超えることも珍しくありません。合格するなら7割確保です。

1回目入試のみの理科と社会(各50点満点)ですが、理科は4分野+思考問題の構成です。思考問題は「災害時の避難生活をより快適にする道具のつくり方」など、その場の「瞬発力」が物をいう問題。ここにこだわるより4分野の出題内容が標準的なので、基礎力充実を図った方が高得点につながります。合格者平均は21年度が36.4、22年度が30.5。算数苦戦の子なら40点以上は獲りたいところです。

社会は問題前半から地図、グラフ、地形図などの資料問題が相次ぎ、意外と時間を使います。あまり得意としないのなら、大問2の歴史や大問3の公民から手を付けるのも作戦の1つ。理科同様、最後の大問は思考力、発想力を問う問題。「動物の殺処分を減らすためには?」「SNSを使って犯罪被害を減らすには?」がここ2年の出題です。合格者平均点は33,34点といったところですが、ここでも40点以上を目指します。

「できた!」と手応えがあっても、広尾学園小石川は「倍率が倍率」です。1点でもどん欲に「獲れるだけ獲る」という気持ちで臨まないと合格に届きません。広尾学園小石川が「本命」なら、他校をよそ見せず「集中」して複数回受験することが、合格への最短距離です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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