大学附属・系属校

どうして?MARCH附属は敬遠傾向


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沸騰から下降線のMARCH
過去最低志願者数、減り幅最大…
孤軍奮闘の中央系附属
・中堅校でもMARCHは射程距離

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沸騰から下降線のMARCH

中学受験には何本かの「筋」「流れ」があります。東大をはじめとする国公立大や医学部、早慶などの大学に合格者を多数輩出する難関校を目指す流れとともに、もう1つの「主流」といえるのが「大学附属・系属校」の合格・進学を狙う流れです。

難関校のカテゴリーに分類されることが多い早慶の附属・系属校に対し、東京の有名5大学の頭文字をとって「MARCH」(マーチ、明治、青山学院、立教、中央、法政)とよばれる大学の附属校も上位校として中学受験では人気です。毎年1回目入試で2倍後半から4倍前後の実質倍率という激戦になります。

不透明な大学入試改革、定員よりかなり多い学生を入学させていたことに端を発した私大の入学定員厳格化が行われた2010年代、中学受験で 「MARCH」市場 は「沸騰」していました。受験校のラインナップがすべて「MARCHの附属校」 という受験生も珍しくありませんでした。

しかし、ここ2,3年その人気も落ち着き、やや「下降線」をたどっている雰囲気で、23年度入試も現時点では一部を除いて「人気復活」というムードではありません

過去最低志願者数、減り幅最大…

ミッション系の2校、青山学院、立教系の附属・系属校はここ2年の入試で軒並み志願者減となっています。

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青山学院中等部(東京都渋谷区)は22年度入試で前年度比84人減の男女計954人が志願。志願者数が4桁を割ったのは4年ぶりのことでした。青山学院横浜英和は3年連続の志願者減。22年度の1229人は前年度比59人減で、共学になった18年以降一番少ない数でした。埼玉の青山学院浦和ルーテルも19年の校名へ変更による「熱」は冷めたようで、前年から大幅減となりました。

立教系では1月25日に入試がある立教新座が、2月受験の「前受け」としての人気を維持し前年比11人増の2058人の志願者を集めましたが、立教池袋は2年連続、立教女学院は3年連続ダウン。学年の半分以上が立教へ進学できる推薦枠のある香蘭女学校(東京都品川区)も2年連続減。19年から入試機会を増やしましたが、難度が上がり敬遠され気味です。

明治系では3校とも隔年現象になるかどうか23年度入試の数字に注目ですが、明大明治が22年度に前年比132人減と大きく減らしたのが気になります。法政系では共学7年目の法政第二(川崎市)が2年連続減。20年のピーク時より255人も減りました。法政大中の前年比205人減は22年度のMARCH系では最大の減り幅。かつて3年連続志願者増と附属校人気を象徴する1校でしたが、ここ5年は減少傾向です。

孤軍奮闘の中央系附属

この5校の中で「孤軍奮闘」しているのが、中央系の2校です。

中央大附属(東京都小金井市)は2015年から20年まで6年連続志願者増を記録。21年度こそコロナの影響でダウンしたものの、22年度入試は前年比55人増で「復活」しました。23年度も模試の受験生動向や過去問集の売れ行きの流れを見ていると、志願者は横ばいからやや増加の流れになっています。

服装や髪形をはじめ、MARCH附属校の中では群を抜いて自由な校風でにもかかわらず、大学進学の際は看板の法学部に3割は進めるというのは受験生にとっても親御さんにとっても「おいしい」話です。

横浜市の中大附属横浜も2年連続で志願者増。最近の志願者数の傾向として、増減を繰り返す「隔年現象」の法則とは違う場合が多く、人気が続く学校は翌年もまた人気というケースがみられます。中央は23年4月から法学部が実に45年ぶりに八王子から文京区へと戻ってきます。大学の「都心回帰」も中学受験に少なからず影響を与えます

東京・茗荷谷の中大法学部キャンパス完成予想図

中堅校でもMARCHは射程距離

MARCH人気の「かげり」の背景は主に3つの理由が考えられます。1つは「中堅校」からでも MARCH合格 は「射程圏内」と判断する親御さんが増えていること。2つ目はコロナ禍での電車通学の負担とリスク回避、3つ目は受験生、特に女子の理系志向が影響している感が強いです。 MARCH は創立が明治時代で法律、英語教育の学校が原点。理系学部もありますが「看板」ではありません。

MARCH に数多くの合格者を輩出しているのが、埼玉の大宮開成と神奈川の山手学院です。大宮開成は立教に216人、中央179人、法政160人の合格者(のべ人数)を出し、高校別で22年度それぞれ1位。山手学院は明治に175人、青山学院に92人の合格者(のべ人数)を出し、私立高校では22年度1位でした。

四谷大塚の合格可能性80%偏差値(Aライン) で54以下から45以上までを「中堅校」と位置付けた場合、両校は大宮開成は1月10日の1回目入試で「53」(男子)、山手学院は 男子「51」、女子「53 」で、このカテゴリーに入ります。

一方でMARCH系の中学のAラインは1回目入試で見ると、明大明治が男子「60」女子「63」、青山学院中等部が 男子「60」女子「63」 、立教池袋「58」、立教女学院「61」と軒並み大宮開成や山手学院より高くなります。

大宮開成にしても山手学院にしても国公立や早慶などにも合格者を輩出しています。今後の「可能性」が見込める中で、12歳の時点で「明治一択」とか「青学へ一直線」などとならなくても、と思う親御さんがいてもおかしくはありません。これにコロナ禍が絡み、「遠くの附属より近くの実力相応校」と考える親御さんも増えました。

大学附属から他大学受験の場合は、学校からのアシストは期待できず、自力で頑張らなくてはなりません。「立教熱望」とか「どうしても法政」なら迷わず附属ですか、「立教も」「法政も」ぐらいなら、「それ以上」の可能性がある、進学校系の中高一貫校狙いになるのも当然の流れです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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