入塾前に…小学校低学年がやるべき国語と算数

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・低学年通塾で身に着けるべきこと
・「音読」で「学力の土台」を
・的外れでも否定せず「引き取る」
・「早さより正確さ」は算数の鉄則
・感覚を養うことでセンスを磨く
低学年通塾で身に着けるべきこと
小学校低学年から中学受験専門の進学塾へ入塾させる親御さんが結構います。東京都内の一部地域では小学校入学と同時に通塾する子が多いため、いざ4年生から受験勉強をしようとして入塾しようとしても既に空きがないところも出てきています。
低学年のうちは、いきなり受験勉強開始、とはならず、塾側はまず勉強することが「楽しい」という状態にうまく子どもたちを導きます。
「できる」という自信を実感することで、受験勉強の事実上のスタートとなる4年生に上がる際には、勉強することが「あたり前」となる「勉強習慣」と、ある程度の時間勉強を継続できる「勉強体力」を時間をかけて養います。
その際、親御さんの「寄り添い」「見守り」が肝になります。できれば、1日のうちに30分から1時間、コミュニケーションをとりつつ、一緒に「学ぶ」という姿勢で子どもに接するのがベストです。
「音読」で「学力の土台」を
親御さんが小学校低学年の子どもと一緒にやってほしい第1位は「文章の音読」です。塾で使っている国語のテキストの文章や小学校の教科書、読書用の本でも構いません。物語文、説明文をだいたい2:1の割合で、毎日親子の会話を含め30分程度が目安です。
まずは声に出してみて、この文章が「どういうことを言っているのか」を確かめていきます。子どもが「分かっている」ところは声に出したときに違和感なく、スムーズに読むことができます。しかし、何を言っているのか分からないところは、つかえたり、ぎこちない読み方や棒読みになります。
その音読した数や文の種類が増えると国語力だけでなく、「考えることの経験値」が上がり、多角的なものの見方、柔軟に考えられる思考力が身に付きます。これが「学力のベース(土台)」になります。

的外れでも否定せず「引き取る」
子どもが音読をする際に、子どもだけ読ませて「はい、よくできました。おしまいです」では効果はなかなか上がりません。「これはどういうことが書いてあるのかな」という問いを発し、子どもなりに考えをまとめるのを待ち、その「解釈」に耳を傾けます。
意味が分からなそうなところはすぐに教えず、子ども自身に考えさせます。的外れ、とんちんかん、どんな解釈でも構いません。大切なのは、子どもが自分の頭で考え、今現在使える言葉で答えることです。その「解釈」は絶対に否定せず、一度親御さんが「引き取って」、そこから会話を広げていきます。
「違うでしょ。ここはこういう意味」と教えたくなるかもしれません。それだと、子どもはうなずくかもしれませんが、頭にも心にも残りません。残るのは「怒られた」という記憶だけです。親子でコミュニケーションをとり、文章を、言葉を「揉む」からこそ、子どもは文の読み方、意味の取り方、考え方、言葉の使い方を理解していきます。
時には交互に読みあいをするのも効果的です。子どもは親御さんの読んでいるところを耳で聞き、文字を追うようになります。真剣に聞いて追わないと、どこから読むのか分からなくなるので集中力が違ってきます。やり方にメリハリを付けて、音読がマンネリ化しないように工夫します。
「早さより正確さ」は算数の鉄則
算数に関しては計算を正確に、雑にならないようにやる習慣を身に着けます。早さはこだわらなくて構いません。「早さより正確さ」。これは6年生になっても同じです。
極端に遅くない限り、早さはさほど気にしなくても大丈夫です。入試問題はひたすら計算問題が続くわけではなく、計算は自分の思考したことが正しいかどうかを確かめるために使うツールです。正確さがなければ正解しないわけですから、普通なら問題なし。やや遅いくらいでも許容範囲。「早く早く」とせかすと、子どもによっては雑にやる癖がつき、修正するのが難しくなります。
九九が正確にできる子どもは意外と少ないです。難関校を狙うような子でも間違えます。6の段から先は苦手な子もいます。九九を完璧にするだけでも、算数は優位に立てます。このトレーニングはしつこいほどやります。

感覚を養うことでセンスを磨く
余裕があれば図形の「感覚」を磨くのもおすすめです。図形のイメージをつかめず苦戦する受験生はごまんといます。まずは折り紙を使ってさまざまな形を作って親しむことから始めると入りやすいかもしれません。「おりがみで学ぶ図形パズル」(山口榮一、ディスカヴァートゥエンティーワン)というテキストは、楽しみながら図形のイメージをマスターできます。
実際に手を動かし、形を作ることで図形のイメージが頭の中に出来上がるとともに、折り目を気にすることで、算数の問題を解くうえで大きなヒントとなる補助線の概念も育ちます。試す価値はある一冊です。
小学校低学年の時は難しい問題を解くより、言葉でも計算、図形でも「感覚を養う」ことがその後の学習の伸びを必ずアシストします。勉強に「センス」があるとすれば、そういう感覚を育てることから磨かれるのだと思います。

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