親御さんの役割

後悔しても遅い「前受け」と12歳のメンタル


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いきなり「負けられない」は重圧
「前受け」の最大の効果「自信」
「前受け」体験がもたらす平常心
志望校合格の共通点「用意周到」

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いきなり「負けられない」は重圧

1月上旬から始まる地方の中学校の「首都圏会場入試」まで40日弱となりました。受験校選び、どのように日程を組むかに頭を悩ませているのは、どの受験生の家庭でも皆同じです。

首都圏会場入試に続く埼玉入試(1月10日解禁)、千葉入試(同1月20日)と中学入試前半戦が展開されますが、東京・神奈川の中学への進学を受験生によっては「前受けなし、2月1日午前が入本番第1戦」を選択するケースがあります。

「まだまだコロナ感染が怖い」「合格しても通えないのだから受験しても仕方がない」「受験料も安くないし、移動の負担を考えると…」「共働きで休みが取れない。2月に休むのもたいへんなのに…」と理由はそれぞれです。

もちろん、2月にいきなり本番1日午前の入試で合格を勝ち取り、わずか半日で中学入試を終えてしまう子もいます。しかし、できれば中学受験は「前受け」を経験しておいた方がベターです。

何度か書きましたが、中学受験は12歳の子の受験です。おそらく生きてきた中で、超が付く「緊張」を初めて経験する子が多いはずです。いきなり「絶対負けられない戦い」では、精神的な重圧はかなりのものです。

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開き直りやどっしり構えて、なんて芸当は大人の話。親御さんは上から目線ではなく、しゃがんで子ども目線で受験プランを組みます。万難を排して「前受け」に臨める態勢を構築します。すべては2月の第1志望校合格への「布石」です。

「前受け」の最大の効果「自信」

「前受け」の最大の効果は「自信」です。自信とは、ズバリ「合格」です

難易度や倍率に関係なく、初の中学入試本番で自分の手で勝ち取った合格は、何物にも代えがたい自信として、子どもの心の内側に宿ります。親御さんが心配するほど受験モードにならなかった子も、受験校からもらえる「合格証」の紙1枚で、グッと気持ちが盛り上がります。

この「1勝」を受験の早い段階で手にするかどうかで、受験全体の「流れ」が大きく決まってきます。前受けで少なくとも1勝、できれば2~3勝すると、2月の受験は「落ち着き」の上に「自信」をトッピングして臨むことができます

模試の合格判定が40~60%の「ボーダーライン」の子が第1、第2志望に合格するケースは、前受けで2つくらい合格をとっている子が多いです。

自信がついた上に、本番で集中するということを体感し、問題を解いてもミスが少なくなるからです。「自信」と「経験」は中学受験成功の大きなポイントです。

「前受け」体験がもたらす平常心

同じ試験でも入試と模試では雲泥の差。模試は周りに知っている顔がいたり、通塾している教室で受けたりと「日常の1コマ」、ホームグラウンドにいるようなものです。一転して入試会場は、ほとんど初めての場所で知らない子ばかりが周りにいる(しかも頭よさそうに見える)アウェーです。

その雰囲気で緊張してしまい、試験監督の先生と目が合ってまた緊張。入試問題の冊子を開く「バサバサバサッ」という音にびびって、机に響く鉛筆を走らせる音にも参ってしまい、3分間動けなかった、という子もいます。

これが「前受け」でなく、志望校受験だったら…です。1、2回でも「入試独特の雰囲気」を自宅を出るところから、入試が終わるまでの「ワンセット」を経験することで、回を重ねるごとに「平常心」で入試を受けられるようになります。この「いつも通り」が、持っている力を最大限発揮する前提条件です。

「ちょうどいい時間、と思っていたら、徒歩で入試会場に着くまでに予想以上に時間がかかった」「移動の電車内が暖房で蒸し暑かった」「午後受験は機敏に動かないとかなりタイトなスケジュールになる」「1回の試験で子どもはかなり疲労していた。午後受験は考え直さないと」――。

親御さんも「前受け」から中学受験の「リアル」を学びます。ここで得た教訓や体験は、必ず2月入試で生かされます。自分たちのプランに自信を持つのも、軌道修正するのも1月の経験は貴重です。

志望校合格の共通点「用意周到」

「もっと早くに合格を確保しておけばよかった」「思った以上に我が子の線は細かった」
「入試は魔物。いつもの力が出せない雰囲気でのまれてしまった」「受験にコスパ、という考えを持ち込むと負ける」――。

いずれも「前受け」をしなかった、中学受験を終えた親御さんの率直な言葉です。「いきなり本番」で志望校合格という子もたくさんいます。そういう成功例は、さまざまな合格体験記で見かけます。しかし、そんな順風満帆の中学受験の子ばかりではありません。

後悔しても「また来年」といかないのが中学受験です。難関校を中心に第1志望合格を果たした、多くの親御さんの受験プランは「用意周到」「石橋を叩いて渡る」といった共通点があります。前受け校を複数受けて合格という自信と本番入試という経験を十分積んで、本来の力を120%出せる状態にして、子どもを「決戦」に送り出します。

今からでも間に合います。子どもの成績と照らし合わせて志望校の受験前に「勝てる」中学の受験は必須です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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