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中堅男子校4校 倍率上昇必至の背景


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中堅校出願者数に影響の私大4校
早慶合格爆伸びの佼成学園、高輪
・人気続く成城、足立学園大幅増も
・「合格実績」では分からないもの

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中堅校出願者数に影響の私大4校

志望校、受験校を絞り込む時期です。親御さんが気になるのは、対象となる学校の出願者数や最終的な実質倍率(実際の受験者数÷合格者数)です。

実質倍率は最終的に入試が終わってみないと分かりませんが、出願者数からある程度「その後の展開」が読めます

難関校、上位校(人気校)の倍率は、毎年極端に変わる傾向にありません。四谷大塚の偏差値を基準にすれば、偏差値54~45の中堅校や44以下の一般校の方が年によって変動します。

その変動に大きく関係する要因の1つが「大学合格実績」。難関校は東大や国公立医学部の合格者数が影響しますが、中堅校や一般校は私大最難関の早慶と理系の人気校・東京理科大、同じく文系の明治大の合格者数が、志願者の増減に関係している傾向が垣間見られます。

早慶合格爆伸びの佼成学園、高輪

その観点から、23年度入試で志願者が増え、入試の実質倍率が上がるとみられる男子校が東京に4校あります。

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東京都杉並区の佼成学園は、22年度の大学合格実績で大きく飛躍しました。21年度は早稲田1人、慶應3人だったのが、早大16人、慶大10人の計26人が合格。一気に6.5倍の数字になりました。理科大も9人から23人、明治も18人から31人と大幅に増えました。

22年度、佼成学園は全体で前年比7%増の1377人が出願しました。朝7時から夜8時までほぼ年中無休で自習室を開放、高3になると夏期講習は30日以上開講され、難関大学に合格したOBがチューターとして、現役合格をサポートしてくれます。この手厚い受験指導は近年評判となり、受験生の親御さんに評価された形となりました。

今年は過去問の売れ行きも好調で、早い時期から購入されていると聞きます。年末に向かってだと、志望校変更やすべり止めの学校であることが多いのですが、夏から秋に売れるということは志望順位が高いといえます。これまでの併願校としての選択から、第1、第2志望の子も増加傾向で、23年入試は激戦入試の可能性が高いです。

「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士の墓がある泉岳寺に隣接する高輪(港区)も志願者増が予想されます。21年度前年比約1割増の志願者数となり、実質倍率も軒並み3倍超、最終回の2月4日のC入試は5倍を超えたことから22年度は多くの受験生が敬遠。22年度は前年比15%減となりました。

もともと中堅校の中では「人気校」の1つで、23年度は隔年減少で「戻る」とみられていましたが、加えて大学合格実績が大きく伸びたことが追い風になっています。2年連続東大合格者を出したこともさることながら、早稲田が21年度28人から22年度は58人に、慶應も13人から26人と早慶で「倍増」しました。

芝や巣鴨、攻玉社の併願校として2日、3日の入試が使われてきましたが、その傾向は今後も続きそうです。一方で算数1科や1日のA入試も偏差値が高くなるとみられ、もしかしたら高輪「撤退」の受験生も出てくるかもしれません。

人気続く成城、足立学園大幅増も

旧陸軍士官学校の予備校として、明治時代に創立した成城中学(新宿区)は、高校募集を廃止し21年から完全中高一貫校に。21年度入試で12%減となった志願者数ですが、22年度は3回の入試機会でいずれも増加となり、全体で8%増でした。

22年度は久しぶりの東大合格者と明大が28人、理科大が26人合格者を増やした点が人気再燃の要因の1つとなりました。23年度も隔年現象の方向には流れず、さらに志願者増の可能性が高いです。東大の2年連続合格者輩出、早大は前年比1人増にとどまりましたが。慶大は9人増の23人となり、早慶合格者数が50人超となったことで、親御さんの熱い視線が集まっています。

北千住駅から徒歩1分の足立学園も凸凹はありながらも着実に進学実績を出している男子校です。22年度は早稲田が4人増の15人、慶應が2人減の7人でしたが、早慶は2年続けて20人以上に。東大合格も2年ぶりに果たしました。明大も前年比2人、理科大も4人増えています。

22年度入試で前年比20%減となりましだ、23年は模試動向等をみていると大幅な増加もあり得る状況で、最後まで受験生の動きから目が離せない中学の1つです。

「合格実績」では分からないもの

ただ、気を付けなければならないのは、「合格実績」は1人の生徒が同じ大学の、それぞれ違う学部に受かっても「2人合格」「3人合格」とカウントされるという点です。

例えば佼成学園の場合、実際は早稲田に16人合格したのか、実は6人で合格した学部数が計16なのかは分かりません。本当の学校の実力を見るには。複数合格の大学の中から結局どこの大学へい進んだのかの「進学実績」を見なければなりません

しかし、多くの中高一貫校は「合格実績」を発表し、「進学実績」はなかなか公表されません。肌感覚ですが「進学実績」を発表しているのは、2割から3割弱程度。進学実績に「自信のある」高校が多い傾向です。

それはともかく、親御さんはわが子の受験校、志望校を選ぶ際、校風や通学の便(上記の4校は最寄駅からすべて5分以内)とともに偏差値と大学合格実績の「数字」にどうしても目が行きます。「数字」の面で親御さんの頭にある「基準」をクリアすると、入試の倍率が前年低かった場合は「穴場」と映り、受験候補校になります。倍率が高くても「届く」「届くかも」だったら、検討対象になります。

インターネット出願が普及してギリギリまで検討ができるようになり、志願者数が締め切り前日まで前年を下回っていても、終わってみれば…ということがよくあります。受験は「なまもの」です。穴場と思っても、同じことを考えている親御さんはたくさんいます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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