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「二光」は増加!?「サレズカマ」の穴場は…


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23年度は「二光」復活の気配
「二光」に引っ張られる浅野
典型的なサレジオ、逗子開成
・鎌学は「穴場」?ただ…

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23年度は「二光」復活の気配

東京と同じ2月1日入試解禁の神奈川の中学受験ですが、23年度は県内の小6で受験にトライする子が増えそうです。中でも男子校の動きが活発で、軒並み志願者が増加傾向です。代表格は「二光」とよばれる、聖光学院(横浜市中区)と栄光学園(鎌倉市)の難関男子校です。

聖光学院は22年度、2月2日の1回目入試で前年度比4%増(27人増)の650人、4日の2回目は1%増(6人増)の628人が志願しました。23年度も、となると神奈川最難関の入試がさらに厳しい戦いになると思われますが、簡単に言えば「元に戻る」という状況です。

「安全志向」という流れになったここ2年のコロナ禍での入試で、聖光は21年度に前年より120人程度志願者を減らし、22年度は前年比よりプラスになったとはいえ、例年よりは少ない志願者数でした。コロナの脅威は依然としてあるとはいえ、日常が戻りつつある中で、聖光も遠方からの志願者が増えると考えられます。聖光は例年700人規模の入試でしたが、23年度はその水準に戻る気配です。

栄光学園は2年連続して志願者減で推移。20年度と22年度を比べると約1割減となりました。こちらも聖光と状況は同じで、コロナ禍を背景に受験をする家庭の腰が引けてしまったのが数字に表れました。女子は引き続き「安全志向」の傾向ですが、男子は「攻めの入試」が復活の兆しを見せています。「栄光挑戦」もその一環です。

聖光にしても、栄光にしても「憧れ」組は多く、実力的には「遥かなる…」という受験生も少なくありません。はっきり言ってしまえば、志願者が増えても「大勢に影響がない」というのが実際です。合格に近い子はそのままの調子で、ボーダーラインの子は過去問で「あと少しで届く」問題を、入試までに1つでも多く自力解答できるように整えれば、両校とも1回目入試2.5倍強は突破できます。

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「二光」に引っ張られる浅野

「二光」の復活気配に引っ張られるように、2月3日入試の浅野(横浜市神奈川区)も23年度は志願者増の動きが感じられます。2日に聖光あるいは栄光を受験し、3日は浅野、という受験パターンが神奈川男子トップ層の典型例です。

浅野は神奈川で唯一1回の入試で4桁の志願者を集め、2000人規模になることもありました。ここ2年はコロナの影響と年々ハイレベルな受験生が集まる入試を敬遠した受験生が出て、21年度は2%減(46人減)、22年度はさらに6%減(107人減)でした。22年度は歯止めがかかると見られますが、実質倍率は2.5倍程度で変わらないと思われます。

「二光」に落ちて、仕方なく…という子も多い浅野の新入生ですが、それも数カ月。入学後は親子で「浅野ファン」になるほどで、学校生活の満足度は高い中高一貫校です。

大学受験の実績も素晴らしく、ここ5年の東大合格者数は42→39→39→48→36人。聖光より、栄光との併願が多く、1日に東京の中学を受験する場合は、麻布、駒場東邦を受ける子が多いのも特徴です。

浅野中学・高校

典型的なサレジオ、逗子開成

神奈川男子御三家とともに、志願者動向が気になるのが「サレズカマ」と呼ばれる、サレジオ学院(横浜市都筑区)、逗子開成(逗子市)、鎌倉学園(鎌倉市)の人気がある上位校の男子校3校です。

サレジオは典型的な「隔年現象」で、23年度は志願者増の番。22年度は1日の1回目で前年比11%減(47人減)の379人、4日の2回目入試13%減(68人減)の450人が出願。これが1回目が400人超、2回目500人超に戻る、という感じです。

男子校には珍しく、理系より文系の高校生が多く、国公立大合格者も22年度は東工大が6人に対し、一橋大が15人を数えました。1日午前入試では、同日午後入試が行われる同じ横浜市営地下鉄沿線の神奈川大附属へ移動が楽で、併願するケースも多いのが特徴です。

逗子開成もサレジオと同じく「隔年現象」で、23年度は志願者増の流れです。3回の入試機会でどの回も400人台の人数が集まりそうです。

倍率は1日の1回目は実質2倍程度ですが、4日の2回目、5日の3日目は「追い込まれている」入試になるため、合格ラインの偏差値も上がりますが、実質倍率も4倍超と跳ね上がります。

1日午後受験の併願パターンがバラエティで、鎌倉学園の算数1科への挑戦から山手学院、関東学院、桐蔭学園、日大藤沢などを受験しているケースが見られます。東大合格者が20年度9人から21年度4人と減りましたが、22年度また9人になりました。

鎌学は「穴場」?ただ…

最後に鎌倉学園ですが、もしかしたら23年度入試で「穴場」的存在になるかもしれません。特に敬遠される理由は見当たりませんが、模試の志願者動向、過去問集の売れ行きなどが今のところ鈍い状況が続いているといいます。

22年度は1日の午前入試と午後の算数1科入試では前年を上回りましたが、2日と4日入試は減りました。算数1科は21年度に25%減(54人減)の159人と大きくダウンしましたが、22年は前値倍率が2倍を切ったこともあり、30%増の206人に戻り、倍率も2.2倍でした。

ただ、出願締め切り間際になって、志願者が前年より少ない、となれば「駆け込み」が増える可能性は多分にあります。一気に志願者が増え、ふたを開けてみれば、前年比増になるかもしれません。

しかし、鎌学を目指して真剣に対策を練ってきた受験生が最終的には合格します。ギリギリまで熟考するのも分かりますが、迷った出願はあまりいい結果になりません。できるだけ時期を決めて、そこまではよく考えても、決めたら出願はスムーズに、というのが中学受験成功のポイントの1つです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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