中学受験の「延長戦」 突破の決め手は1つだけ

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・厳しい「延長戦」合格は定員通り
・「歩留まりの良さ」が招く現象
・「メンタルの強さ」に尽きる
・ 持ち味を生かせた子から合格する
厳しい「延長戦」合格は定員通り
約1カ月にわたって行われた首都圏の中学入試も大詰めです。2月1日から3日までの入試で各校は入学定員の8割以上を確保します。
4日以降も入試の「延長戦」を実施する中学は相当数ありますが、募集定員も合格者数もギュッと絞られ、本来なら合格できる持ち偏差値でありながら「不合格」ということも全く珍しくありません。
昨年の入試で見ると、2月5日に第3回の入試を行った本郷は、定員40人に対し428人が受験して合格者は42人。ほぼ定員ピッタリの合格者しか出しませんでした。倍率にして10.2倍の大激戦です。
同じく立教池袋も2回目入試が5日に行われ、183人が受験し合格は定員の20人に対し22人。倍率8.3倍。1回目の2.6倍とは雲泥の差です。
中には募集人員以上の志願者を集めながら、その通り合格者を出さなかった中学もありました。21年度の話ですが、2月4日に東洋大京北は4回目の入試を行い、募集20人のところへ男女168人が受験、合格は計18人。倍率にして9.3倍という激戦も驚きですが、合格者数が募集以下というのも仰天です。
「歩留まりの良さ」が招く現象
東洋大京北のように、募集より少ない合格者数の裏には、早めに合格を勝ち取って入学手続きをしてしまう家庭が年々増えているからといえます。いわゆる「歩留まりが良い」という現象です。
学校側の本音としては「もう定員一杯なので、これ以上はちょっと…」なのですが、試験日程を公表して、募集をかけてしまった以上、中止にするわけにはいかない、といった「ワケあり」入試だったと思われます。
終盤になればなるほど、実質倍率が高くなる傾向にあります。そうなると、普通にやれば合格する子が、ミスを1つ2つしたがために涙、ということになります。
最初から4日以降も受験スケジュールに入っていたのなら、気持ちの張りもあると思いますが、仮に1日から3日にかけ、連敗続きで「延長戦」となった場合、精神的にかなりつらくなります。親御さんも悲壮感が漂い、いたたまれない気持ちになります。

「メンタルの強さ」に尽きる
終盤日程のタイトな入試の明暗を分けるものはたただ1点です。「メンタルの強さ」。この1点に尽きます。
もちろん気合だけ十分で学力は…では、勝てません。受験する学校の第1回入試のボーダーライン(合格可能性50%前後)がないと終盤日程は「勝負」になりません。しかし、そこをクリアしていれば持ち偏差値の差はそれほど関係ないのが「延長戦」と特徴です。終盤日程の合否は本当に偏差値通り、合格判定通りになりません。
「メンタルの強さ」はファイトむき出しで向かっていくとか、親御さんが檄を飛ばして何とかなるという類のものではありません。追い込まれた状態ながらも、試験問題を目の前にすれば「いつも通り」に解き進められる強さ、いい意味で「マイペース」でいられる強さです。
「メンタルが強くない」と周囲が気になって仕方ありません。入試会場に入った時から「あの子、頭良さそうだな」に始まり、「できなかったらどうしよう」と試験前に自分で自分の気持ちを追い込んでしまう子がいます。始まれば周りの受験生の問題冊子をめくる音や解答を書き込む鉛筆の音ばかりが気になり、出題された問題に集中できません。こうなると「勝負」する前から…です。残念です。
後がない、崖っぷちの状態は本人が一番よくわかっています。その状況は変えられないのなら、ビクビクしても仕方ありません。周囲に惑わされず、目の前の問題を1つずつ丁寧に解き進め、得点を重ねるのが合格への道です。

持ち味を生かせた子から合格する
算数が得意なら、焦らず1つ1つの問題を楽しみながら解きます。国語の記述が苦手でも、自分がこうと思うことを合格したい学校の先生に届けるように気持ちを込めて書きます。特別なことはしなくていい、自分の「持ち味」を生かすことができた子から合格が見えてきます。
親御さんもここまで頑張っている我が子を誇りに思ってください。親御さんの言動で子どもは左右されます。つらくてもそこは演じます。それが受験生に対する最大限の「応援」です。

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