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本気と熱望「明大世田谷」=日本学園の入試


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2,3回目入試は10倍超の大激戦
学校の「本気」志願者の「熱望」
明大中野離脱組もいた?
・日本学園 「人気校」への道

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2,3回目入試は10倍超の大激戦

さまざまな物議を醸しだしている芝国際と同様、23年度入試で注目された、26年から「明大世田谷」へと生まれ変わる日本学園(東京都世田谷区)の入試結果が判明しました。

市進学院の速報値によるもので、学校側の公式発表ではありませんが、個々の試験内容はともかく、3回行われた入試の概要が垣間見えます。

出願者が前年比6倍超となった1日午前の1回目入試は388人が受験し、合格は83人。実質倍率は4.7倍で前年の1.7倍の入試から様相が一変しました。

4日の2回目入試はさらに過激です。前年の7倍の志願者を集め、実際は381人が受験し、合格者は30人。倍率12.7倍で前年の1.6倍とは全く別物の入試となりました。

最後の3回目は5日。受験した多くの男子がまだ納得した行き先を確保していないか、確保はしているものの高みを目指してトライしてくる子など、319人が受験して合格は28人で11.4倍。5日の入試はどこも超が付く高倍率になりますが、今年は同じ男子校の成城の6.5倍や人気の広尾学園本科3回目の女子9.5倍を上回る大激戦でした。

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学校の「本気」志願者の「熱望」

日本学園の合格者の出し方から、学校側の「本気」と志願者の「熱望」が伝わってきます

1日の1回目入試。倍率4.7倍で募集定員70人に対し、合格者83人と「大サービス」の合格者数ではありませんでした。欠席率も4.7%と低く、日本学園第1志望組が多かったこともうかがえます。受験生と親御さんの「熱望度」とともに、明大ブランドの強さを感じます。

日本学園としては、1回の入試で400人近い生徒が受験する入試がなかったにもかかわらず、合格者を厳選した背景には1回目入試に「熱望組が大多数」という読みをしたからと推測できます。事前のアンケートや学校説明会から伝わる熱量によってそれが推測できての、合格者選抜だったのでしょう。学校側も「本気」でに入学者数を読んだのです。

驚きなのは2、3回目の募集定員と合格者数です。2回目は定員30人に対し合格者30人、3回目は同20人に対し28人。これは1回目入試での入学手続き率がかなり高く、2、3回目に定員以上の人数に合格を出すと、キャパオーバーになり、クラス編成や質の高い授業をするうえで支障があると判断した可能性があります。

大学の系列は違いますが、早稲田実業中等部も男子定員70人に対し、合格は80人程度、女子40人に50人に届かない合格者しか出しません。早実の高い手続き率は有名ですが、今回の日本学園も同じような「におい」がします。

2、3回目入試で実質倍率10倍超えは「にちがく(日本学園)に入るなら1回目入試で必殺」が鉄則になるかもしれません。

日本学園

明大中野離脱組もいた?

1日入試の日本学園と併願も考えられた、同じ男子校で2日入試の明大中野ですが、影響はあったのでしょうか。

1回目入試の志願者は前年比15%減(135人減)の886人。併願が多ければ、減少率はもう少し抑えられてもいいような気がしますが、そうはなりませんでした。減少分の中には難易度から見て、明大中野への道が「黄色信号」や「赤信号」点滅組が、日本学園一本に方向転換した可能性あります。

明大中野志望の子に限らず、大学附属校の志望順位が高い子が、平たく言うと「今の日本学園ならうかる」と踏んで、1日勝負に出た可能性も大いにあります。しかし、現実はそう甘くはなかったかもしれません。

まだ、合格最低点や各科目の平均点が発表されていないため、どのような入試だったかを分析することはできませんが、問題の難易度によってはかなりの高得点勝負になっても不思議ではありません。昨年までなら合格できた子も、今年は感触は良かったのに…と涙目になったケースもかなりあるでしょう。

日本学園 「人気校」への道

24年度入試で、各塾や首都圏模試での日本学園の偏差値アップは「確実」です。これを受けて志願者は数の上では来年減るかもしれません。

それは軽い気持ちでの受験組で、熱望組が残り、むしろ事実上「激戦」になる可能性が高くなると予想できます。入試自体は厳しいものになりますが、明大ブランドの後押しも強く、おそらく中学受験では今後「人気校」の一つになります。

26年に校名が明大世田谷に変更となる際には、他の明大系の中学に引けを取らない難易度と志願者数、入試内容になると推測できます。共学になることで、さらに人気は高くなるのは間違いないでしょう。

新規開校、大幅なリニューアルは話題先行、期待値大の傾向になります。説明会などでの「見せ方」にもよりますが、学校側の姿勢一つで2年目以降に「志願したくなる学校」になるか「敬遠される学校に」になるか大きく分かれます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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