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「第1志望合格3割弱」に我が子は入れるか?


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・合格者数は塾の実力!?

授業「出席」と「参加」の違い
下位クラスから抜け出せないワケ
下位クラス指定席ではダメな理由

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合格者数は塾の実力!?

23年度の中学入試も終わり、各大手進学塾の合格者速報が出始めています。「開成●人、桜蔭●人」「早慶●人」などという文字が各サイトに躍り、各塾とも通塾生へのアピールと新入生獲得のために、大々的に「宣伝」しています。

正直なところ、各中学校の合格者数に魅力を感じて入塾、という親御さんはかなりの数に上ると思います。「あの塾に入ればウチの子も…」と、頭の中で思い描くのは無理もありません。具体的数字の持つ「説得力」。これだけの人数が合格していますというメッセージが数字から伝わります。「合格者数は塾の実力」と映ります

しかし、入塾しても全員が「ウチの子も…」にはなりません。第1志望校合格は中学受験生全体で3割弱、26~27%という世界です。

授業「出席」と「参加」の違い

「第1志望合格」の原点はどこにあるでしょうか。いの一番に注目しなければならないのは通常の「授業」です。当たり前と思うかもしれませんが、1回1回の授業を大切にしている生徒、親御さんは、驚くほど少ないのが現実です。

まず何よりも子ども自身が塾の授業にきちんと「参加」しないと始まりません。授業に「出席」ではなく、「参加」です

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先生の講義をなんとなく聞きながら板書したものをノートに書いたり、穴埋め式になっているプリントに解答を書き込んだり、テキストの問題を解いてできれば〇を付け、間違えれば赤ペンで直す…。一見塾での当たり前の光景のようですが、これは授業に「出席」はしていますが、「参加」していることにはなりません。

先生の授業中の問いかけに乗って一緒に考え、発言して答える。ノートやプリントへの書き込みでは、余白などに先生が板書せずに口で言ったことをサラサラっとメモ書き。問題を解いてできなければ、例えば算数なら、ノートを広く使い自分の解答のこん跡は残したまま、隣のページになぜできなかったのか、なぜつまづいたのかを明確にしつつ(赤ペンなどを使って強調)、隣のページに正解に至る道筋を帰宅後に再現(復習)します。

これが授業に「参加する」ということの一例です。やり方が決まっているわけではないので、スタイルは各人それぞれで構いませんが、大切なのは常に能動的に、「一歩前に踏み込んで」授業に関わっていくということです。

1回の授業でも「出席」だけの子と「参加」する子の差は開きますが、回が積み重なり、年数が経つともう埋めようがないくらいの差になります。

入塾当初に掲げていた第1志望入試に「勝つべくして勝つ」子は、授業を受ける姿勢と翌週まで「できない」を持ち越さない「ルーティーン」が出来上がっています。

下位クラスから抜け出せないワケ

入塾当初はみんな緊張感を持って授業に臨むので「参加する」姿勢満々です。しかし、授業回数が進むにつれ、新鮮さもなくなり、やっている内容も難しくなっていくのでだんだんと脱落していきます。

自分の周りを見渡せば、どうも同じような雰囲気の子もちらほら。「俺(私)一人じゃないし、まあいいか」。そういう空気は伝わるもので、妙に仲間意識ができます。

よく子どもが塾の小テストの出来が悪く、親御さんに問い詰められると「みんなできなかったよ」と自分を正当化しようとしますが、それが象徴的な言葉です。自分の見える範囲が、同じレベルということでホッとしてしまうのです。

これが塾下位クラスから気持ち的に抜けられない原因であり、居心地の良さを感じた子がなかなかクラスアップできない理由の1つです。

ホッとしている子どもの「見えない範囲」のクラスの子は、上位クラスほど授業「参加率」は高いです。同じ月謝を払い、同じ授業時間、同じテキストを使いながら、1つでも多くのことを吸収しようとする姿勢の上位クラスに対し、総じて集中力を欠き、盛り上がるのは先生の雑談の時のみという中下位クラスでは、6年生の2月に出る最終結果に差があっても何ら不思議ではないのです。

下位クラス指定席ではダメな理由

子どもは親御さんが思っている以上に所属クラスの雰囲気によって「やる気」が左右されます。塾のクラス分けは成績が良い順に並んでいるという単純な指標以上に、「やる気」順ともいえます。

もちろん、入塾間もない子や努力しているけどなかなか結果が…という子もいます。しかし、策を講じないと下位クラスが「指定席」になってしまい、気持ち的にも勉強の実力的にもちょっとやそっとでは抜け出せなくなってしまいます。こうなると「第1志望合格」などは夢のまた夢です。

成績以上に、子どもの持っている能力を引き出せないまま中学受験が終わってしまうとしたら悲劇です。「下位クラスが指定席」は避けなければならないのです。

進学実績の良い塾に入れば、うちの子もいずれは…とはなりません。親御さんも子どもが塾で何を勉強しているのか、ノートやテキストから伝わる理解度、子どもの話からどれくらい興味を持っているのかなど「気にする」ことを大切にします。親御さんが毎回の授業に関心を持つことが下位クラス低迷にならないためのポイントです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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