中学受験 「全滅」リスクが高い親の4タイプ

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・一番残念な「丸投げ親」
・「積み重ねられない」転塾リスク
・市販教材「特効薬」にならない?
・「勝負は6年後半」ではない理由
一番残念な「丸投げ親」
子どもの受験不合格、最悪「全滅」を招くリスクが高い「残念な親御さん」のタイプは4つに分かれます。
中学受験で一番「残念な」親御さんは、「丸投げ親」です。大金を払って塾に任せておけば、順調に成績が上がって、6年生の2月には我が子も御三家合格――という地図を描いている親御さんは結構います。「塾は成績を上げて、志望校に合格させてくれるところ」というイメージです。
中学受験の進学塾は「志望校への切符売り場」ではありません。中学受験の進学塾に定義があるとすれば、「中学合格に必要な学習内容、教材、それを使いこなすためのノウハウを伝授し、受験に必要な情報を提供、合格へのアシストをする」といったところです。もっと砕くと「合格をするための方法や近道は教えますが、後は各自家庭学習に取り組みながら成績を上げてください」という意味になります。
子どもを中学受験の厳しい戦いに「参戦」させる以上、「我関せず」ではなく、親御さんも中学受験を「勉強」する必要があります。
塾で取り組んでいる内容を一緒に勉強して学力を付けるというのではなく、塾、教材をどう利用し、家庭学習を進めやすいような環境整備をする、成績と学習の理解度を客観的に分析する一方で、子どもに適した受験校研究など「中学受験を知る」ということが、子どもを合格へ導く「アシスト」になります。
子どもの「困った」を塾に相談して解決策を探り、時には子どもが質問に行きやすいよう、親御さんが先生に連絡を取ることが必要な時もあります。塾に丸投げするのではなく、塾と子どもの「橋渡し」をするのが親御さんの役目です。
受験生は10歳から12歳の子ども。しっかりしているように見えても「まだまだ」です。手取り足取りの必要はありませんが、「観察」を続けタイミングを見計らいながら、要所で子どもに関わります。
「積み重ねられない」転塾リスク
塾に「丸投げ」もまずいのですが、逆に成果を焦って短期間で塾や個別教室を見限り、転塾を繰り返す親御さんも子どもを不合格、全滅の道に子どもを連れ込むことになりがちです。
「合格実績の良い塾が一番」と入塾したものの、成績が上がらないと「先生がハズレだった」と今度は「面倒見が良い」と評判の塾へ移ります。しかし、3カ月通っても子どもの成績が伸びるどころか落ちたりすると、今度は個別指導塾へ。そこも先生がコロコロ変わり、落ち着かないとなると、家庭教師センターで「プロ家庭教師」(学生ではない社会人、特に資格はない)を雇い……。
親御さんの素早い行動力ともいえますが、転塾にはメリットも期待できる半面、リスクも伴います。
転塾を重ねる、ということはその都度「また1から始める」ということに等しいと言えます。その塾、教室によってやっていること、やり方は違ってくるので、前の塾で既習の内容だとしても、やはり基本的には「1から」ということになります。
転塾を繰り返すと、受験の肝となる「学習の積み重ね」が中途半端になり、また「振り出しに戻る」ことになります。1つのところで地道に頑張ってきた子との差は開く一方。いくら勉強してもなかなか財産なる「知識と経験の蓄積」がなく、「勉強をした割には…」という状態で入試本番、結果は…ということになりがちです。
塾の勉強のペースに慣れ、やり方になじみ、成果が出るまで半年程度は必要です。成績が上がる即効薬はなく、一時的に上がったとしても定着せず、アップダウンを繰り返します。辛抱してやるべきことをやった子が、成績を上げ、さらに安定させます。
中学受験で「落ち着かない」のは親御さんでも子供でも納得できる結果を出すことは至難です。

市販教材「特効薬」にならない?
「市販の教材に手を広げすぎる」のも中学受験では合格に結び付きません。
通塾していてもなかなか成果が出ない場合、親御さんは「現状打破の切り札」として市販の参考書、問題集に目を向けがちです。「わかりやすい」「●日で完成、成績アップ」などのタイトルが付いたものに引き寄せられます。最近では有料無料双方の動画や通信教育も充実しており、選択肢は幅広いです。
しかし、多くの場合「問題解決」とはなりません。市販の参考書にしても問題集にしても、肝心の子どもにそれを自力で「読み解く」だけの学力が伴っていないからです。それが読み解ける、自走して一人でできるくらいなら、塾のテキストと授業で十分結果を出しているはずです。
一番手厚いはずの塾のテキストと授業で四苦八苦しているのなら、塾での勉強姿勢、家庭での復習のやり方などを見直した方が「問題解決」の近道です。
市販教材は紙媒体なら説明には限りがあり「痒い所に手が届いていない」ことが少なくありません。動画は分かりやすいものも多いのですが、学習意欲の薄い子は「見ておしまい」になりがちで血や肉になりずらいです。
取り組むなら「ナビゲーター」役が必要です。内容をかみ砕き、スケジュールと学習内容を管理し、手取り足取りで伴走しないと成果は出にくいでしょう。

「勝負は6年後半」ではない理由
「勝負は6年生後半」と目論んでいる親御さんも「こんなはずでは…」という受験になりがちです。志望中学校の過去問演習も含め、6年夏以降に「詰め込む」というやり方は中堅以上の中学を志望するなら通用しないと思っていた方がよいでしょう。
実は中学受験の勝負は5年生までに大勢が決まります。ここまでに「基礎」を構築すると、6年生からの演習(問題を解くこと)を中心とした塾の勉強にスムーズに「乗る」ことができます。一部の苦手を潰しつつ、質の良い問題を大量に解くことによって実力を「鉄板」にし、「あとは入試を迎えるだけ」という理想の展開に持っていけます。
逆に基礎がしっかりしていないところに何を積み上げても不安定なままか、崩れ落ちるだけで、やれどもやれども、偏差値も合格判定も好転しない状態になります。塾で大量の演習問題に取り組んでも過去問を何年分解いても、手応えのないまま、不安を抱えて入試に挑むことになります。
6年生の後半で勝負がかけられる子は、途中からでも基礎を大切にして勉強に取り組んできた子です。遅くとも夏休み前や夏休み中に来るべき受験を意識して、中学受験を「自分ごと」として取り組んだ子です。
受験は試験当日に至るまでの「道のり」が全てです。主役は子ども本人なので「まさか」という不測の事態も起こります。起こりますが、何度も続きません。しっかりやった子は志望校にも合格しますし、全滅もありません。
そこへ導く親御さんの過ごしてきた歳月の「中身」も問われます。中学受験で「残念な結果」、「受験校全滅」にならないためにも、親御さんも心して取り組みます。

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