なぜ苦戦?小学校で「デキるほうに入る子」

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・中学受験と小学校の勉強は別物
・「深く思考する」必要性の有無
・小学校で「よく満点」はNG
・「デキるほう」から「デキる」へ
中学受験と小学校の勉強は別物
小学校のテストは「よく満点をとってくるのに、塾では一番下のクラス」という話は「中学受験あるある」の1つです。
この現象は簡単に言うと「中学受験の勉強と小学校のそれは別物」ということです。小学校で「デキるほう」に入っていても、中学受験では苦戦する子は少なくありません。
「デキるほう」の子が中学受験で苦戦の理由は主に3つあります。
まずは「小学校のテストは全く難しくない」ということです。A3程度の大きさの単元確認テスト(カラーテスト)では、教科書に書かれている程度の内容しか出題されておらず、普通に授業参加していれば何も考えず正解できます。
算数は数字が違うだけで、計算間違いをしなければ、難なく解けます。満点が当たり前なのです。国語も新しく学ぶ漢字が読み書きでき、授業でやった文章を素直に読んで、当たり前の答えを書けば満点です。
中学受験になると様相は一変します。国語の読解で出題される素材文は、大人が読む小説だったり、新書で出版されている論説文であることも珍しくありません。
社会の用語にしても、理科の生物や地学分野にしても、高校入試を越えて大学入試に近いものがあります。
しかも 近年の入試は理由や現象の原理原則をきちんと理解していかないと、点数に結び附かない問題が増えています。単なる知識や用語の暗記だけでよいなら、差がつかないからです。
「深く思考する」必要性の有無
2つ目は「深く思考する必要がない」からです。
計算ドリルや漢字ドリルに代表されるように、小学校では習ったことをひたすら反復学習してパターンや知識を覚えれば何とかなります。発表や調べ物でも本やネットで調べ、それを写せば(コピペすれば)「完了」です。要領の良い子なら難なく「デキるほうに入る子」になります。
中学受験の勉強は、知識や基本的なルールという「基礎」を固めたうえで、それを組み合わせて発展問題を解いていくという姿勢で臨まないと、人より前には出られません。
この問題を解くにはどういう材料を集めて、どういう道具(知識)を使って攻略していくかということに思いを巡らせ、考えていくことができるかどうか、が勝負になります。
現状の小学校の授業でも「思考力」は重視しています。 しかし、基礎的な計算や漢字すら「危うい」子が多い中では限界があります。中学受験の進学塾の上位クラスでは「深く思考する」ことが当たり前ですし、先生がその方向へと誘導する授業が展開されます。
小学校のペースや思考回路のまま塾へ行っても、「切り替え」ができなければ、成績は上がらず、逆に上位クラスの子とは差が広がる一方です。

小学校で「よく満点」はNG
最後は「小学校でよく満点」という点に苦戦の原因があります。
「よく」というのは計算ミスや漢字で書けない字があったり、知識の詰めが甘く間違えて95点とか90点になることも時々あるのでしょう。
中学受験では極端な話「ミスを誘発しやすい問題」ばかりが出題されます。それが小学校のテストでは1つくらいでも、入試になると5つも6つもとなり。結果として点数がとれず、「ミスをしない子」との差がついて、そのまま成績の差として表れます。
「ケアレスミス」として片づけて、惜しいとか言っているうちは「下位クラス」からの脱出は難しいです。ケアレスミスに分類されるような間違いは、うっかりミスではなく、「実力不足」に原因があるからです。
計算問題をきっちり解き切ることができない、漢字の細部に注意が行き届かない、ものごとを表面的に曖昧にとらえている…。「ケアレスミス」防止に神経を使っていくだけで、人によっては偏差値が10くらい上がります。
まずは「よく満点」で良しとせず、小学校でのテストは「すべて満点」を目標にします。
中学受験で成績の良い子、偏差値の高い子は、難しい問題ができるからというより「ミスが少ない」「点が獲れる問題を確実に正解する」という特長があります。小学校のテストを使って、集中力、正確さを身につけて中学受験での好成績につなげます。

「デキるほう」から「デキる」へ
小学校で「デキるほうに入る」子が概ね中学受験に参戦してきます。ただ「デキるほう」では中下位にしかならない確率の方が高いです。
厳しいようですが小学校では「デキる」と断言でき、加えて「あの子はほかの子と違う」という言葉まで聞かれないと、なかなか上位には食い込めません。
しかし、あきらめる必要はありません。前述のように小学校では知識を正確にアウトプットすることに努め、塾では「なぜこうなるのか」「こういう考え方はありなのか、違うのか」を試行錯誤する「習慣」を意識していけば、「デキるほうに入る子」も徐々にですが成績は上がります。
その質と試行錯誤してきた量が一定レベルに達した時、「デキる子」になり、成績は飛躍的に伸びます。

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