大学附属・系属校

人気安定?陰り?大学附属校の基礎知識


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「特典」付きの大学附属人気継続
慶応ほぼ全員 早大系はそれぞれ
中堅校少なめ 学校による日大系
・人気も…条件付きの明治、法政

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「特典」付きの大学附属人気継続

2、3年前と比べて落ち着きをみせていますが、総じて「人気校」として志願者を集めているのが「大学附属(系属)校」です。

高校3年次に一定基準の成績を校内で収めれば、併設の大学に進学できるという「特典」付きが最大の特長。中学入学とともに、高校、大学へと続くことから、古くから「エスカレーター式」とよばれます。

多くの私立大学は附属校を傘下に置いており、知名度も高いことから、中学受験でも附属校ばかりを志望校に挙げて受験する家庭も少なくありません。

一般受験での大学進学が半数を割り込み、学校推薦(旧指定校推薦)型、総合選抜(旧AO入試)型が主流となっている中で、より確実に「行き先」を確保できるうえに中高の6年間部活動などに熱中できる大学附属校は、受験生にとっても親御さんにとっても魅力的。今後も人気は継続傾向にあります。

慶応ほぼ全員 早大系はそれぞれ

附属校からの併設大学進学といっても、その割合はさまざまです。

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22年度は、早稲田大学高等学院中が99.7%、早稲田実業(系属)で97.8%が早大への進学が許されました。附属校という位置づけではありませんが、慶応系も普通部99.0%、湘南藤沢99.6%(ともに22年度)と、ほぼ全員慶応義塾大学へ進みます。

同じ早稲田系でも早稲田中学・高校から早大への推薦合格は52.0%(22年度)。学部ごとに推薦人数が決まっていますが、定員に満たないこともあり、東大や他の国公立大、医学部や他の私大へと進路は多岐にわたります。23年度入試も早稲田からは東大合格が現役浪人合わせて38人が合格しました。

早稲田高は、他大学を受験する場合、早大への推薦権がなくなります。いわば退路を断っての大学受験となります。

近年首都圏からも6年間の寮生活を経て、早大へ「逆上陸」する早稲田佐賀は、生徒数の約半分程度が早大への推薦枠として用意されています。

中堅校少なめ 学校による日大系

大学が併設されていながら、他大学進学組の方が圧倒的に多い中高一貫校もあります。

中学受験の段階で偏差値からみて「中堅校」に位置する学校にその傾向が強く、そのまま併設の大学へ進むのは概ね10%前後。中には推薦枠がかなり余って、大学受験直前期の12月や1月に推薦の2次募集をかける学校もあります。

中学受験の世界では「中堅校」という位置づけも、高校全体でみれば「進学校」であることが多く、国公立大や偏差値的に高い他の私大が希望という生徒が大半。中堅校の併設大学へ進む生徒の中には「浪人するよりかは…」と消極的選択の子も正直なところいます。

首都圏だけでなく、全国に多数ある日本大学系の中高一貫校から日大に進む割合は学校差があるものの、約半数程度。東海大学系は少し高く7割超程度というところです。

「女子大附属」の場合は幅が広く、併設大学の進学が10%前後のところもあれば、学習院女子や共立女子は55%程度、女子美術大付や日本女子大附で卒業生の4分の3以上と高いところもあります。

逆に大妻は22年度1.6%、大妻多摩、大妻中野も10%に達していません。ただ、埼玉の大妻嵐山は46.0%がそのまま大妻女子大に進学しています。

人気も…条件付きの明治、法政

基本は併設の大学に進学も、推薦の権利を保持したまま、「条件付き」で他大学を受験できるという懐の深い中高一貫校も結構あります。

明治大学附属明治など明大系では、国公立大受験に限って推薦権を保持したまま挑戦できます。ただし、外部模試で合格可能性B判定以上の結果を出すという「条件付き」です。

法政大系では、国公立などの枠はなく、どこの大学でも法大の推薦権を持ったままチャレンジできます。不合格だった場合は法大の中で「枠に空きがある学部にのみ進学できる」という「条件付き」。自分の希望する学部に入れる保証はありません。

推薦権を保持したままの大学受験は、浪人のリスク回避という、いわば「保険」がある状態。6年後を見通すことが難しい中学受験段階で、親御さんからみれば魅力的なオプションに映ります。

明治、法政などいわゆる人気の「MARCH(マーチ)」の付属中学が、毎年中学受験で1回目の入試から実質倍率が3倍超になる人気なのも納得できます。

ただ、中学受験でマーチの附属校と大学が併設されていない、いわゆる「進学校」の偏差値が同程度の場合、6年後の大学合格実績は、マーチはもとより国公立や早慶などの合格者を多数輩出しています。中学受験段階から「進路ほぼ決定」よりさらなる可能性がある選択をする受験生も増えています。

本人、親御さんの考え方次第ですが、中学受験で6年後にどの大学へ進めるかは受験校選択の上でかなりのウエイトを占めていることは間違いありません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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