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こう変わった…東京男子人気校軒並み難化


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「難関校」「上位校」軒並みUP
「中堅校」偏差値上下には注意
・早実と学院 偏差値逆転の背景
・芝国際と日本学園のこれから

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「難関校」「上位校」 軒並みUP

みくに出版の中学受験雑誌「進学レーダー」5月号に、日能研の23年度入試の「結果R4偏差値」(合格可能性80%偏差値)の変動のようすが掲載されています。昨年22年度入試から今年度の偏差値が入試結果に基づいて偏差値が上がったか下がったか、それとも横ばいかを日程、試験タイプなどによって学校ごとに羅列したものです。

これだけでは入試の実態を説明することは難しいのですが、親御さんにとって一番気になる情報ではあります。今年偏差値が上昇した場合は来年横ばいかダウン、今年下がれば来年上がる「隔年現象」になる学校も多く、この数字に届かないと合格しないというわけではありませんが、目安として把握しておいた方が良い数字です。東京都内の男子校、共学校の男子で今回は俯瞰します。

顕著だったのが、偏差値的に最難関校グループ(偏差値65以上)の次に位置する難関校(64~60)、上位校(59~55)グループの中学が軒並み結果偏差値アップしました。

2月1日午前では海城1回目が「63→65」、芝「59→61」、本郷「59→60」、広尾学園1回目「62→65」、三田国際インターナショナル・サイエンス1回目「55→58」などが代表的。最難関校グループを1日に受験した子が併願する2日午前も本郷、攻玉社、城北、巣鴨など1ポイントずつアップ。世田谷学園の2回目は「55→59」の大幅アップでした。

「難関校」「上位校」は中学受験の「人気校」が集まるグループです。一度偏差値が上昇すると高止まりの傾向があります。憧れと希望はあるものの、途中で断念する受験生も続出し、来年度入試は入試の実質倍率がダウンする可能性があります。ただ、それは下位層が抜けるだけの話。倍率は低くなっても、実質は実力伯仲の入試になり、厳しい戦いとなります。

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「中堅校」偏差値上下には注意

「難関・上位校」の結果偏差値アップ傾向によって、次の層である「中堅校」グループ(偏差値54~45)は極端な動きを一部で見せています。

開智日本橋は2月1日1回目が「53→57」3日午後3回目「56→58」、青稜は1日午前1A「53→54」同午後1B「54→56」2日午後「54→57」、高輪は1日午前A「51→54」2日午後B「52→55」2日午後算数一科「59→61」などが代表的な大幅アップ校でした。

グローバル教育への取り組み、コロナ禍での素早い対応や各メディアを通じた情報発信力、入り口の偏差値に比べ出口となる大学進学の実績の良さなどが評価されている学校です。万が一第1志望校の結果が思い通りにならなくても「ここなら」と志願したことがうかがえます。もちろん最初から第1志望の子も多く、そのレベルも上がっての結果偏差値です。

一方で志願者数も多いのに、23年度入試は日程によって一部で結果偏差値がダウンした中学も数校ありました。獨協や桜美林、佼成学園などの中堅校に見られた現象でした。

ただ、来年も同じ現象が続くとは考えにくいです。今年上昇した学校は24年度は逆に敬遠される可能性が十分あります。見た目で偏差値が下がった方が「合格しやすい」と読む親御さんが一定数いますし、教育内容に遜色がないのならと本来は偏差値的にもう1つ上のステージを狙える層が「下りてくる」こともあります。結果として、厳しい入試になり、結果偏差値も上昇します。

偏差値ダウンは「易化した」というより、来年は競争が厳しくなるサインという見方が妥当です。中堅校グループの偏差値動向は「固定ファン」が人気校と比べて多くないことから、数字の裏を読む注意深さが肝になります。

早実と学院 偏差値逆転の背景

大学附属・系属校はどうでしょうか。大きな動きが早稲田系でありました。

1日入試の早稲田実業は女子は偏差値「66→66」の横ばいでしたが、男子は「65→62」と3ポイントもダウンしました。同じく1日入試の早大学院は「62→64」と2ポイント上昇です。早稲田中は「65→65」と変わりませんでした。

早実は22年度入試から定員を15人減らし厳しい入試になったうえに、入学後も早大進学が「ほぼ確約」されているとはいえ、結構勉強に「うるさい」学校です。男子の中にはついて行けない子も毎年出ます。

一方の早大学院は学部はともかく100%早大進学が保証されており、早実ほど勉強、というわけではなく、その分を部活動や個人的に興味のあることへの探求に時間を割いてほしいという学校です。そのあたりの各家庭の「志向の差」によるものかもしれません。この両校は24年度の志願者数に注目です。

そのほか大きく偏差値が上昇したのが成蹊。1日の1回目が「48→51」、4日2回目「51→53」でした。親御さん世代では難関・上位校でしたが、最近はMARCH系に押され気味で人気もそう高くはなかったのですが、充実した学校施設と最近のトレンドである「伝統校の信頼と安定」が評価されています。

男子は女子に比べて入試が「ユルい」とされる青山学院中等部も「57→59」と上昇。難関校グループの手前まで来ました。

芝国際と日本学園のこれから

23年度入試で注目を集めた芝国際26年度から「明治大学世田谷」になる日本学園は“初年度”どのくらいの偏差値になったでしょうか。

ともに2月1日午前の1回目に入試で比べると、芝国際が「55」、日本学園が「47」という結果偏差値が出ました。

この2校こそ、結果偏差値では24年度入試は占えない背景があります。芝国際は23年度入試で失態と言っても過言ではない状況を演じてしまい、その信用を取り戻すのに「相当な時間」が必要です。今年度の受験生親御さんもそのことを多くが承知しているようで、合同説明会のブースにも昨年は長蛇の列でしたが、今のところは訪れる人も半減以下といったところです。

24年度も同じ入試スタイルで、となると受験者数は激減し、結果偏差程度の持ち偏差値の子は他校受験をする子が多く出ると推測できます。入りやすくなる、と志願する子もいるかもしれませが、芝国際は学校の姿勢、やろうとしている教育内容の実践と検証を一定期間見ないと…というのが正直なところです。

日本学園は間違いなく来年度偏差値が上昇します。明大の系属校になり7割が明治進学を保証されることと、系属になっても基本的に140年の伝統とともに培われた教育内容は「進化させつつ守る」という姿勢は親御さんに安心感を与えます。

偏差値だけで志望校、受験校を判断すると入学後の「後悔」につながるリスクが高くなります。偏差値を高くすることは選択の幅を広げ、中学受験を有意義なものにしますが、それが全ての判断基準ではありません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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