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大幅上昇も…東京女子最難関~中堅校動き激しく


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女子最難関、難関は軒並みアップ
志願者大幅減も偏差値爆上がり
伝統ある女子「中堅校」が難化
・偏差値が「並んだ」昭和女大昭和

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女子最難関、難関は軒並みアップ

みくに出版の中学受験雑誌「進学レーダー」5月号に、日能研の23年度入試の「結果R4偏差値」(合格可能性80%偏差値)の変動のようすが掲載されています。前回4月24日は東京の男子校、共学男子の様子を見てきましたが、今回は同じく東京の女子について、いくつかのポイントをクローズアップします。

女子は最難関、難関グループ(偏差値60以上)で結果偏差値が大きく動きました

女子御三家筆頭格の桜蔭は22年度から23年度で「67→69」と2ポイントアップ、一方の女子学院は「67→66」と1ポイントダウン。雙葉は「65→65」で横ばいでした。

桜蔭は22年度29人の補欠合格候補者を出し、うち27人が繰り上げ合格しましたが、23年度は候補者は出したものの、繰り上げはゼロ。レベルの高い桜蔭熱望の女子が合格し、歩留まりが良かった、という入試になりました。

女子の間で人気が高止まりしている吉祥女子、鴎友学園女子もレベルの高い厳しい入試になりました。吉祥女子は2月1日の1回目「62→63」、2日2回目も「63→64」と着実に上昇。鴎友は1日の1回目で「61→63」と2ポイント、3日の2回目も「65→66」と後半日程に差し掛かる中間地点とあって、難易度が最難関の域へ入っています。

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女子御三家との併願が定番、最近では第1志望も増加の一途をたどっている豊島岡女子学園も2日の1回目こそ「67→67」ですが、3日の2回目、4日の3回目とも「68→69」と1ポイント上昇。桜蔭、渋谷教育学園渋谷の2回目(2日)、3回目(5日)と偏差値が変わらず、「どうしても豊島岡」というなら1回目参戦は必須です。

志願者大幅減も偏差値爆上がり

今人気の「国際」系の中には偏差値「爆上がり」の中学もあります。

「爆上がり」の代表格が広尾学園小石川で、1日午前の1回目が「54→59」と5ポイントアップです。第1志望が多い1日午前入試で広尾小石川の女子は、志願者数が前年比47%減の84人(74人減)となり、本番でも19人が欠席し、受験者数は65人にとどまりました。

合格者数は前年の13人に対し、23年度は8人で倍率8.1倍。1回目の入試でこれだけ合格者数を絞れば、必然的に偏差値は自然と高くなります。村田女子から校名変更、共学化して3年目。空前のブームは落ち着き、志願者数は半減しましたが「独自メソッド」での偏差値アップ方針は変わらずです。

ただ、そろそろ天井かと…。存在は気になっても1回目入試でこれだけタイトになると、偏差値が達していてももっと間口の広い中学を受験した方がリスクが低いです。

一部の進学塾では、芝国際同様「どうしても」と受験生側が懇願しない限りは「おすすめしない」というスタンス。掲げる理想、カリキュラムは魅力的ですが、他校でも遜色ない内容が揃っているとすれば、「あえて…」という受験生はそう多くはないかもしれません。

開智日本橋1日午前1回目「53→57」、 三田国際インターナショナルサイエンス1回目「55→58」と男子と同じ上がり幅で上昇。開智日本橋が実質倍率3倍強、三田国際が4倍強となかなか厳しい入試ですが、人気校なら妥当な競争です。24年度の志願動向はまだ読めませんが、偏差値はさらに上がる可能性が十分にあります。

伝統ある女子「中堅校」が難化

偏差値的には「中堅校」(偏差値54~45)ですが、長い歴史とともに伝統のある女子校がポイントを上げたのも23年度入試の1つの特徴でした。

1日入試では、山脇学園A「50→52」、田園調布学園1回目「49→53」、品川女子学院1回目「48→50」など2ポイント以上アップした学校の存在が目立ちました。

2日以降もこの3校は軒並み偏差値が上昇傾向。国算2科か英検3級以上の合格と国算入試で挑む2日午後の山脇Bは「52→57」と大幅ジャンプアップ。田園調布も品川女子学院も算数1科入試を導入していますが、こちらもそれぞれ「57→59」「54→57」と難化しています。

女子の理系進学が右肩上がりの中で、理系教育に力を入れているのがこの3校です。他校でも理系には注目して頑張っていますが、3校は説明会を通じての受験生、親御さんへのアピールのうまさと具体的な教育方針が示されているのが特長です。偏差値アップにもこのあたりが影響しています。

山脇学園

偏差値が「並んだ」昭和女大昭和

大学附属・系属校は共学校の場合、横ばい、1ポイントダウンの学校が大半で、大きな動きはありませんでした、

女子大系で極端な動きを見せたのが昭和女子大附属昭和です。1日午後の本科コースAPが「56→50」と大きく後退したのに対し、同時間帯で行われたスーパーサイエンスコースSAは「46→50」とジャンプアップし、偏差値50で並びました。2日午前の本科Bが「52→47」に対し、スーパーサイエンスSBは「43→47」とこれも並びました。

SAは前年比123%増(38人増)と人数は少ないながらも割合としては倍以上の志願者を集め、受験生のレベルも高かったといえますし、SBは志願者減もこちらもレベルが上がった入試でした。本科のレベルが下がったというより、本科の中でより理系志望の子がSA、SBに移ったという入試になったことがうかがえます。

志願者減にもかかわらず偏差値大幅アップとなったスーパーサイエンス入試は24年度、どういう動きをみせるのか予想が難しいです。ただ、女子の理系志向の高まりという流れは続いていることを考えると、学校側のプレゼン次第ですが、より偏差値の高い子が集まる可能性が高いです。

系列女子大への進学が年々減る傾向ですが、中学・高校自体の進化発展を望むならば、女子大系の一貫校は「当たり前」になる前に中学入試段階から理系に特化したクラス、コースの設置は早急の課題かもしれません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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