話題の人気校

23年神奈川中学入試 偏差値の↑↓激しく…


にほんブログ村 筆者プロフィール

◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・元気な湘南・藤沢地区の2校
・コロナ収束、鉄道直通で東京へ?
・ブームは下火?大学附属・系属校
・難化傾向続く?神奈川男子御三家

スポンサーリンク

元気な湘南・藤沢地区の2校

東京と同じく2月1日入試解禁日の神奈川の中学入試ですが、23年度の結果偏差値(日能研)でみると、難化した中学、易化した中学それぞれでアップダウンが激しかったといえます。

その中で逆向きの「難化」に転じた代表格は、女子校の湘南白百合と男子校の逗子開成の湘南・藤沢地区の2校でした。

湘南白百合の特筆すべき入試形態は1日午後の算数あるいは国語いずれかの一科目入試です。22年度から23年度の偏差値推移は「54→60」と一気に6ポイントも上昇しました。

背景には志願者大幅増(算数で41人増、国語で124人増)にもかかわらず、合格者を絞らざるを得なかったことにあります。22年度入試の実質倍率は国語、算数とも1.6倍でしたが、23年度は算数が2.5倍、国語が3.7倍に跳ね上がり、合格者数は両方合わせて29人減となりました。

募集定員20人のところ、合格者を150人以上出しましが、入学手続きをする受験生が多く=「歩留まり」が良く、23年度は泣く泣く合格者数を制限しなければならない状況だったと推測できます。人気ゆえに実力のある女子が多く受験したことに加え、さらに合格者を絞ったことで偏差値6ポイントアップの急上昇となりました。

スポンサーリンク

逗子開成は1日午前の1回目、5日の3回目が前年比「58→59」、3日午前「59→60」と1ポイントずつ上昇しました。

3回の入試機会でいずれも志願者増で、全体で約2割増。鎌倉学園と並んで湘南・藤沢地区では男子の「人気校」ですが、22年度に志願者10%減だったことが23年度の志願者増に大きく作用しています。上位校、中堅校によくみられる「隔年現象」です。

逗子開成は栄光学園や浅野との併願が多い傾向ですが、その「押さえ」として逗子開成が「志願しやすい」状況にあったことも偏差値アップにつながっています。

24年度は隔年現象があるとすれば、志願者減に転じる番です。偏差値がどう動くか、注目です。

コロナ収束、鉄道直通で東京へ?

湘南白百合は「元気」ですが、神奈川の女子校は総じて結果偏差値が下降しました。

1日午前でみると、洗足学園1回目「65→64」、横浜共立学園A、横浜雙葉「51→49」、日本女子大附属1回目「50→49」、清泉女学院1回目「47→44」と1~3ポイントダウンしました。

3日以降も横浜共立学園B「61→59」、4日鎌倉女学院2回目「51→47」、5日洗足学園3回目「65→64」といった具合です。

上記の学校の志願者数は横浜雙葉を除いて、22年度より減っています。清泉女学院も「アカデミックポテンシャル入試(AP入試=総合型試験)」「STEMM(ステム)ポテンシャル入試(SP入試=算数一科型試験)では志願者増ですが、通常の4科入試では減少しています。

分析の仕方はいろいろありますが、1つは東京の共学、女子校に志願者が流れている傾向が挙げられます。コロナ禍の鎮静化に伴い、東京受験のハードルが下がったことに加え、23年3月から相模鉄道と東急が相互直通運転を開始するなど、鉄道が東京の各地域まで乗り入れるようになったことも要因です。

女子校に限らず、各校とも「魅力的な入試」「入学後に感じられるメリット」などがないと、流失は今後も続く可能性大です。逆に生徒、親御さんを引き付けられる「売り」があれば、東京、埼玉から神奈川へという流れもあり得ます。

ブームは下火?大学附属・系属校

大学附属・系属校はそれぞれの動きをみせました。

偏差値が上がったのは1日の青山学院横浜英和Aが男女とも「53→56」、2日の慶應義塾湘南藤沢「66→67」、法政第二(男子)「56→57」などが代表格でした。

逆にダウンしたのが、1日の日本大学中A①(午前入試)が「52→50」、A②む(午後入試)「54→51」、中央大横浜「59→58」、2日の法政第二(女子)「59→58」などです。

日大以外はダウンしても1ポイント程度なので、大騒ぎするレベルではありません。24年度は戻ったり、上昇に転じる可能性もあります。ただ、数年前の「附属ブーム」は完全に落ち着いた感が強いです。

大学入学共通テストの方向性が見えたことや附属校でなくても、指定校推薦や総合型選抜(旧AO入試)でもMARCH、日東駒専レベルなら進学できることが、私立中高一貫校や公立高校の合格・進学実績から読み取れることが大きく影響しています。

中学受験をするにしても、国公立や医学部、早慶進学を考えるなら、併設大学進学が前提の附属より中高一貫の進学校へ、とする親御さんは多いです。「12歳で大学を決めなくても」という考え方が浸透しています。

難化傾向続く?神奈川男子御三家

最後に神奈川男子御三家です。

2日入試の栄光学園は「65→66」、聖光学院1回目は「69→70」とそれぞれ1ポイントアップ。聖光は4日の2回目も「68→69」と上昇しました。

「二光」が同時にアップすることはあまりない現象ですが、最近は開成とタブル合格しても「聖光へ、栄光へ」という男子が珍しくありません。開成に合格するレベルの子が、真剣に両校を狙っている流れならば、難化もうなづけます。

一方の浅野は「64→63」と1ポイントダウン。浅野が合格しやすくなった、というより、聖光や栄光が第1志望の男子が、3日の受験校としてより確実な逗子開成やコロナ禍が落ち着いたことによる東京の学校受験に踏み切ったことが要因と考えられます。

今回のアップダウンに関係なく、人気の3校とも当面の間は難化することはあっても易しくなることはないと考えられます。このあたりのレベルになると「奇跡の合格」は起こりづらく、しっかりと実力をつけての受験でないと太刀打ちできません。


にほんブログ村 筆者プロフィール


人気ブログランキング こちらにもとても参考になる中学受験ブログがあります。
スポンサーリンク
池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

Recent Posts

早稲田 大学合格実績

※( )内の数字は実際の進学者…

5年 ago

普連土学園 大学合格実績

【主な国公立大】 21年度 東…

5年 ago

東洋英和女学院 合格実績

※( )内の数字は実際の進学者…

5年 ago

お問い合わせ・ご相談

苦手科目の克服、学習面の取り組…

5年 ago

渋谷幕張 大学合格実績

※実際の進学者数は公表しておら…

5年 ago

開成 大学合格実績

※( )内の数字は実際の進学者…

5年 ago