算数の勉強法

ここが違う 偏差値50前後と60以上の算数


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「ひと手間かける」という発想
解答への道筋をたどれるかどうか
自分の言葉で「解説」を書き込む
・「一番ヤバい勉強法」 とは?

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「ひと手間かける」という発想

算数の偏差値が50以上、55までくらいの子は、テストで出題された大問のうち後半の大問4~7、8の小問(1)(2)くらいまでは何とか手が出ます。

しかし、(3)以降の、(1)(2)の応用、考え方を利用して解く問題になると、鉛筆が止まってしまうケースが目立ちます。

これは問題に対する「思考が浅い」からです。

問題に示されている数字のみを使ってできる問題は偏差値40台の子でも正解します。問題文の中から数字を拾って、「テキトー」に足したり引いたり、掛けたり割ったりすれば答えが出る、という問題も少なくないからです。思考が浅くても正解するのです。

算数で苦戦している子は、その数字をもとにして別の数を導き出して、解答の足掛かりにするという「ひと手間をかける」という次の段階の発想にたどり着きません

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「ひと手間」を考える=「思考が深い」状態に常になるかどうか…。偏差値50前後から60台へのステージに上がる「条件」となります。

解答への道筋をたどれるかどうか

「算数の問題に正解する」ためには、3つの段階を経る必要があります。

(1)問題文が何を解答として求めているかをはっきりさせる
(2)そのためにはどういう「手間」をかけ、どういう「道筋」をたどっていけば正解に至るのかの見通しを立てる(こう解く、という方針を立てる)
(3)計算のルールに従って解答を正確に導き出す
――という流れです。

算数で成績が伸びない子は、問題文に示されている数字ばかりに目を奪われ、解答へ至る「道筋」を整備することに考えが及びません。

算数が苦手な子は、解説に正解への道筋が記載されていても、問題文に示されていない数が出てきて「なんだかよく分からない」と、すぐに投げ出す傾向にあります。

偏差値60台の子は、算数は「ひと手間」かけ、「思考」して解答への道筋をたどる、というのが「当たり前」になっているので、問題を解いていて「思考停止」しません。その「当たり前」という経験値の差も成績の差となって表れます。

自分の言葉で「解説」を書き込む

では、「思考が浅い」という状況から脱するには、どうしたらいいのでしょうか。

算数の問題に対する「思考のレベル」は、「正解までの道筋をていねいにたどる」ことの繰り返しで向上します。

そのためには、まず「量より質」の勉強をしばらく続けることが近道になります。1回の勉強で1問だけで構いません。解答解説をしっかり読んで、見て「どうしてそうなるのか」を1つ1つたどります。

計算式だけでなく「こうだからこうなる」と、自分が分かる、納得できる言葉で「解説」を書き込みます。いわば自分だけのオリジナル解説書を作る感じです。解答を見て、正解か間違いかだけの丸付けという「最悪の答え合わせ」も回避できます。

解説を読んでいて先に進まなくなったら、どうしてそうなるのか腑に落ちなければ「5分だけ」考えます。それでも無理なら、「ここまで自分で考えた」というこん跡(ノートに分かるところまで書いたもの)と、「間違っているかもしれないけど、この先はこうなるのでは」という自分なりの仮説を言える状態にして、塾の先生に質問します。親御さんで解決できるなら、それも良しです。

解答解説に目を通して理解できたら、その問題を自力でできるまで繰り返します。「解法暗記」ではありません。自力で解答を復元したら、どうしてそうなるのかを親御さんが生徒役、子どもが先生役で説明してもらい、チェックします。

解法暗記ではワンパターンの問題にしか対応できず、問い方を変えられたり、別角度から攻められると、お手上げになり、入試本番で「使えない」状態に陥ります。答えが正解でも「説明」が曖昧なら、再度検証です。

算数が「できない」「分からない」の芽は、早急に摘んでおく必要があります。4,5年生は「手遅れ」になる前に、動くことが大切です。

6年生でも今からやらないよりやった方が絶対良い結果が出ます。やることがたくさんあるのにそんな悠長な…という声もあると思いますが、雑な勉強をしてきたこれまでを思えば、遥かに有効です。

「一番ヤバい勉強法」 とは?

やみくもに問題を解く量だけ増やしても、思考のレベルは上がりません。だけ解いて、間違えたところの解答をノートに写しておしまい、が「一番ヤバい勉強法」です。これを「勉強」と思っている子は、非常に多いです。

解答への道筋を丁寧にたどると、さまざまな発見があります。この発見は、取り組んでいる問題だけにしか通用しないわけではなく、さざまな問題で使えることに、いずれ気が付きます。

1つの問題を通して、じっくり考え、どうしてそうなるのかを追究していくと、問題を解くための「引き出し」が増え、自力でできる問題が多くなります。こうして算数は偏差値上昇の道の第一歩を踏み出すことになります。

最初の一歩は小さく感じますが、歩を進めるほどに加速していきます。算数は時間がかかります。最低3カ月、半年くらいのスパンで考えます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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