◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・中学受験の勝負を決める3要素
・「運も実力のうち」の本当の意味
・落ち着きのなさ、ブレは運を逃す
・「運」は日々の行いで仕留める
1970年代から80年代、秋に放送された日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」という番組がありました。現在の「全国高等学校クイズ選手権」の原型です。
このウルトラクイズ、「知力、体力、時の運」がキャッチフレーズでしたが、中学入試のもまさに「知力、体力、時の運」で勝負が決まります。中でも入試当日の「運」は結果を左右します。
しかし、クイズ番組と大きく違うのは「入念な準備をした受験生にしか運は味方しない」ということです。「入念な準備」=「質量を伴った入念な勉強」を意味します。
「運も実力のうち」といいます。
入試本番、「塾でやった問題が出た」「途中でミスに気が付いてやり直すことができた」――それ自体偶然かもしれません。しかし、やったことがある問題を冷静に解けるのも、やりながら「何かおかしい」と感じるのも実力があるからです。
「塾でやった問題が出た」までは、どの受験生でも一緒ですが「やったことはあるけど、はて、どうやって解くんだっけ…」とか、やったことがある!と飛びついて、ミスに気がつかず突き進んでしまうのは逆に「運を逃した」状態です。
日ごろの勉強で「入試で運を呼び寄せる勉強」=「入試で実力通りの力を発揮できる勉強」をしてこなかったので、運が呼び込めないのです。
逆転合格は「奇跡」が起きたのではなく、やるべきことをやってきた結果、実力がついて「運を呼び込めた」状態です。準備してこなかった子に「運」は舞い降りてきません。
逆に「運」を逃す子は、勉強に対して「落ち着きのない」=「勉強の軸がない」子です。
塾のテキストを少しかじったと思えば、市販の問題集を買ってみたり、個別指導塾に通っていても分からないところを部分的に聞くだけの「対処療法」でおしまい。基礎から積み上げて、実力を養っていくという「地道」な取り組みを嫌います。
なんでも手っ取り早く、さっさと済ませて、できれば「コツ」とか「裏技」とか教えてくれれば…、そういう姿勢が随所にうかがえる子は「ここぞ」というときに運が味方してくれません。
勉強に「落ち着きのない子」は、勉強の仕方が悪いというより、親御さんの「ブレ」に原因があることが大半です。ブレる親御さんは、勉強の成果に対して「短気」な傾向にあります。
塾であろうと、市販の参考書、問題集でも、個別指導塾に通っても、それに絞って(それを中心に)理解を深める勉強をしていけば、成績も偏差値も伸びる確率は高いです。
伸びないのは「即結果が出ない」ことに我慢できず、あれこれと目先を変えて勉強をさせる親御さんの姿勢が大きな要因です。
学力が定着せず、知識がバラバラのままで入試に臨むということは「どこかでやった気はするけど、どうやって解くんだっけ」という状態です。
取り組んだことはあるのに得点に結びつけられない=運を得点に結びつけられない…。どうしても志望校合格は難しくなります。
実際の入試で「運」はいたるところに転がっています。
「塾でやった問題がそのまま入試に出た」「途中でミスに気付いてやり直した」――。それもこれも、塾でやった問題をしっかり復習して自分のものにしたからこそ、反復して復習をしてきたからこそ嗅覚が働き「方向転換」して一番大事な「入試本番」で仕留められるのです。
日々微調整や修整を加えながらも、基本はブレずに積み重ねる。「運」はどっしりと構えている親御さんと、少しずつでもやるべきことを日々地道にやってきた子どもが呼び寄せます。