中学受験 偏差値&成績

偏差値50前後 成績の流れを変える質問の仕方


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・「分からない」放置の末路
質問してこその「利用価値」
・親が質問の橋渡し 前提として…

質問は「成績の流れを変える」

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「分からない」放置の末路

「分からないことがあったら、先生に質問してきなさい」――親御さんは子どもに向かって「簡単に」言います。

しかし、特に成績が振るわない子、偏差値で言うと50以下の子にとって、先生に「ここが分からない」と質問に行くのはハードルがとても高いです。

ピンポイントで「ここが分からない」と言えるレベルではなく、実は「根本から分かっていない」ことが多く、質問しようにもどう質問していいかも分からない状態だからです。なので、勇気を振り絞って質問に行っても「分からないんですけど…」というような、漠然とした聞き方しかできず、答える先生からも漠然としたものしか返ってきません。

結局、どう質問していいかも思い浮かばないまま「分からない」を「放置」し、「山積み」になった「分からない」のために、長時間机の前に座ろうが、特訓授業に出ようが、6年生になるとその負債は「返済不能」状態に陥ります。やれどもやれども成績は一向に上がりません。

ただ、子どもばかりも責められない事情もあります。

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大手進学塾の中には、質問できる時間を決めて、それ以外は原則受け付けないというところがあります。しかも1回の機会につき質問できるのは1つだけと制限している場合も珍しくありません。

膨大な数の生徒を抱えている教室では、きめ細かく質問に対応したいという気持ちはあったとしても物理的に難しいという事情があります。

大手塾でも教室の規模が小さい教室は、手厚く面倒を見てくれる先生も多いので「大手は質問しづらい」と一概には言えませんが、物理的に質問するハードルが高くなっているという点は否めません。

質問してこその「利用価値」

その受け皿として、大手の中には個別指導塾を併設している場合が目立ちます。

そもそも「中学受験をする」という気持ちの準備ができていない子、噛んで含んで教えれば理解できるが、通常授業のスピードでは「取りこぼし」のある子、勉強自体全く興味のない子……、個別にはさまざまなタイプの子が集まります。その中で一定数いるのがどう言って質問したらいいのかが分からない子です。

成績自体はひどくないのですが「こんなことを聞いたらバカにされる」とか、「質問するのは格好悪い」など、少し自意識過剰なタイプです。この手のタイプは偏差値50前後の子に多く、中学受験をするうえでとても「損」をします。「引いた姿勢」が成績が上がるきっかけを潰してしまっているといってもいいでしょう。

個別指導塾や家庭教師は、向こうから教わる以上に「質問してこそ」利用価値があります。そのあたりの「意義」を親御さんは子どもにくどいくらい伝えます。伝えると同時に「きっかけ作り」も役目の一つ。ここは子どものためにひと肌脱ぎます。

親が質問の橋渡し 前提として…

親御さんが子どもと先生の間に立って、質問の「仲介をする」「橋渡しをする」というスタンスも初めのうちは「あり」です。

子どもが先生に質問内容をうまく伝えられない場合、質問内容をより具体的にして、先生とコンタクトを取ります。必ず文書にして、子どもが「つまづいている」とみられるところを指摘して、「必要ならばこの問題を解くために必要な基礎から点検していただくとありがたいです」と書き添えます。

質問の前提として、①子どもが「ここまでは自分で考えた」という問題と格闘した「こん跡」の残るノートやプリントを示す②「こうすれば解けそうな気がする(間違っていても、とんちんかんでもOK)」という「見通し・仮説」を子どもが自ら先生に言えるようにするの2つの「準備」をします。

先生はそこから生徒がどこで引っかかっているのか、考え方の方向性をどう修正すれば良いのか、指導の「指針」を持つことができます。病気で言えば、病気の原因である「病巣(びょうそう)」の発見と治療ができるということです。

質問は「成績の流れを変える」

ただ「分かりません」と持って行っても、先生は通り一遍の説明でおしまいです。

しかも、解くための基本段階、知識が抜け、欠けていることが多いので、説明を聞いている最中も子どもは「何を言ってるんだか…」となります。結局、分かった「ふり」をしておしまい…。状態は変わらぬままです。

ひとたび質問したら「腑に落ちる」まで食らいつきます。子どもはうわべだけ理解して、終わりにしてしまいがちですが、そこで再度親御さんの出番。帰宅したら、子どもが先生役になって「プレゼン」してもらいます。親御さんが生徒・聞き手です。不十分なら再質問です。

手間がかかりますが、1つの質問を突き詰めていくと、様々な発見や抜け漏れなどが判明し、なぜ成績が伸びなかったのかが分かってきます。ならばと、その対策の方針も立てられます。 塾や個別の先生は元来「教えること」が好きです。一生懸命の子には、手を変え品を変え、労を惜しまず付き合ってくれます。 先生は使い倒してこそ、高い月謝が生きるというものです。

「質問をする」って、簡単なことではありません。聞く側もそれなりの用意をしていかないと、意味がありません。成績の芳しくない子が質問に行くことのは、なかなかハードルが高いのはこの「準備」です。

最初はかなり大変です。しかし、1度の質問から得られたものによって、水の流れを阻んでいた大きな石が取り除かれた後のように、勢いよく水が流れ出すことが多々あります。受験で言えば、できることが増える=成績アップです。質問は「成績の流れを変える」力を持っています


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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