中学受験 偏差値&成績

偏差値だけでは計れない入試の3つの「まさか」


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・答案から推測「まさか」の兆し
逆転を呼ぶ「記述で攻める子」 
算数の「まさか」起きる子の特徴 
「切り替えの早さ」で勝負がつく 
模試の「しくじり」大いに結構 

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答案から推測「まさか」の兆し

受験において「気にするな」と言われても気になるのが模試や塾内テストでの偏差値です。

ポイントの上下、合格判定で一喜一憂。子ども以上に親御さんの方が「気にする」傾向にあるのかもしれません。 

「偏差値は関係ない」という言葉も耳にします。

これは「半分本当で、半分ウソ」です。

本番数カ月前の学校別模試のように実際の入試でも恐らく受験するだろうという生徒たちが数百人集まっている場合などの結果は、多少のズレがあったとしても学力が現状で推移したとすれば、本番も同じような結果になります。割と出題傾向に沿った問題で出た結果なので、通常の模試より結果は当たります。

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半分ウソ、なのは本番の入試では何が起こるかわからないからです。

特に12歳の子どもがする中学入試は「まさか」の連続です。何が起こるか予測するのは難しいのですが、模試などの答案からその「兆し」は推測できます 

逆転を呼ぶ「記述で攻める子」

入試で「まさかの合格」「逆転劇」を呼び込みやすいのが「記述で果敢に攻める子」です。

国語の記述問題、算数の式、解答への過程を示す問題などを毎回高い確率で正解、高い部分点を取れる子はかなり少ないです。

「調子がいい」時と「全然ダメ」というテスとでは点数にして10点、時には20点以上は違ってきます。模試によっては偏差値が5~8ポイントくらいの上下があります。 

難関校の学校別模試では記述問題がメインの学校が多いことから、問題との相性が全く合わない時は勝負にすらならないケースもあります。

普段成績の良い子でもやはりまだ12歳。どんな素材文でも、どんな設問でも毎回きっちり解答できるのは至難です。 

しかし、記述で「攻める」子は間違いなく、部分点をいくらかでももぎ取ってきます

表現が拙かったり、余分なところがある、逆に足りないところがあるなど凸凹があっても、攻めるから得点につながるのです。

幸い塾や模試より、入試本番の方がストライクゾーンは「広め」です。

やみくもに言葉をつなげただけ、数式を並べただけでは点につながりませんが、勇気をもって「記述で攻める」生徒は、地道に得点を積み重ねていって入試での逆転、「まさかの合格」を勝ち取る子が多いです。 

算数の「まさか」起きる子の特徴

「算数の問題を解くのが早い子」も「まさか」になりやすいです。こちらのまさかは「不合格」の方が圧倒的に多いです。 

問題を解くのが早い子は調子がいいと次から次へと正解して高得点、高い偏差値をはじき出しますが、同時に「粗い」子も多いのでミスでの失点が目立ちます(それも実力のうちなのですが)。

模試や塾内テストでちょくちょく「やらかす」のですが、「算数はスピード勝負」という中学受験の「神話」を信じている生徒、親御さんは意外と多く、入試まで改善がみられないことがよくあります。 

入試問題は誰でもできる「サービス問題」も出る一方、正確さを問うべく間違えやすい「仕掛け」がされている問題が合否を分けます。

算数に早さは「ある程度」必要ですが、それ以上に「正確さ」を意識することで、普段の算数の成績も安定し、入試での「まさか」は防ぐことができます。 

「切り替えの早さ」で勝負がつく

最後は性格。「切り替え」の早い子とそうでない子は、偏差値だけでは測ることができない結果を迎えることが多々あります。 

模試ても入試でも冒頭から解くのにひと手間かかったり、うまく答えが出なかったりして「つまずく」ことがあります。

出だしからこうなると、頭の中が真っ白になったり、気持ちが動揺して前に進まなくなることが珍しくありません。

オーソドックスな問題なら成績、偏差値が良い子の中には、「イレギュラー」の対処に戸惑い実力が発揮できないという場合が時々あります。

ペースを乱し、成績が振るわず、入試だと「まさかの不合格」につながるのです。 

逆に少しかじって「手ごわそうだな」「最後までやるには時間がかかる」と判断が素早くつく子は、できる問題からつぶし、多少やり残しがあっても無駄なく点数を獲り、模試でも入試でも「結果」を出します。 

中学受験だけでなく、入試は限られた時間の中でどう得点を積み重ねていくかの「ゲーム」です。

前進を阻む、さまざまな障害物の扱いをどうするかで、結果は違ってきます。

障害物を前にぼう然とするのではなく、敢然と挑戦するのか、いったん避けるのか、どちらにするにしてもその判断早さで勝負は決まります。 

模試の「しくじり」大いに結構

模試や塾内テストでしくじるのは大いに結構です。

失敗は模試の段階だから許されるのです。要は入試本場にまで試験の出来不出来のムラを少なくし、難しい、面倒な問題にぶつかっても気にせずに片づけられるものからやっていくという「作戦変更」の柔軟さを訓練する場として利用できるかどうかです。 

逆に模試や塾内テストがうまく行っているからといって、入試がその通りの結果になるとは限りません。

点数、偏差値よりも「失点の検証」がきちんとできるかどうかです。これをしっかりやっていない受験生がほとんどです。

入試での「まさか」を極力なくすには、模試や塾内テストの結果以上に、答案の内容とテストの進め方、気の持ち方を客観的に見つめ、教訓として学び、実践していくことが必要です。 


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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