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効果はあるのか…6年生の夏期講習は悩ましい


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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・講習で効果がある子と期待薄の子
・鍵はモチベーションUPのきっかけ
叱咤激励より1つの「できた!」
・講習不参加に代わる高いハードル

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講習で効果がある子と期待薄の子

4,5年生と違って、6年生の夏期講習参加は「必須」というのが普通です。

塾側は「受験の天王山」という触れ込みで、参加を前提に事を進めます。多くの家庭が参加申込書を提出しますが、その「当たり前」が酷な受験生も結構います。

この時期になると夏期講習参加で「効果が出る子」と、「期待薄の子」がハッキリするからです。

難関校に挑む生徒は、4年生から積み上げてきたものにもう一度「演習問題」でローラーをかけて、秋からの本格的な志望校特訓講座(徹底した過去問と予想問題演習)へと進みます。

一方で学校名付きの「冠講座」にも、上位校対策として開講される特訓授業にも、正直なところ「距離がある」生徒に夏期講習の演習中心のテキストは「厳しい」内容です

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鍵はモチベーションUPのきっかけ

講習テキストの演習問題のチョイスは、基礎の確認とともに受験生がつまずきやすい問題を載せ、もう一度取り組むことで「弱点補強」につなげる意図があります。

難関・上位校が狙える子は「弱点」がある程度限られるので、「できることの確認」とともに「課題のあぶり出しから克服」へという流れで、志望校合格へと少しずつ近づきます。

過去問に取り組んだ当初は苦戦しても、演習の経験と引き出しが増えることで、12月ごろをめどに過去問とも互角に格闘できるようになり、入試までに仕上げて行きます。

一方、模試や通塾している塾の月例テストで4科(2科)トータルの偏差値50以下が続くようだと、夏期講習を有効利用することは難しくなります。]

偏差値の高い子に比べ、総じて「課題」が多く、内容を消化しきれないどころか、授業中、「今何をやっているか分からない」状態もしばしば起きているのが、この偏差値帯です。

もちろん塾側もレベルに合わせてクラス編成をしているので、「手が出る」問題を通じ、少しでも成績アップにつなげようとします。しかし「新しくできるようになる」ものがなかなか見つからず、効果は限定的なことが多いです。

その理由は「モチベーション」です。

難関校・上位校を必死で狙っている子と下位クラスの子の決定的な差は、成績以上にここにあります。

下位に長らく低迷している子で、気持ちが前向きの子はごく少数です。逆に「モチベーション」が上がるきっかけをつかめば、成績アップは6年夏からでも可能です。

叱咤激励より1つの「できた!」

「頑張れ!」「やればできる!」「諦めないで!」「そんなんじゃ、どこも合格しないよ!」……さまざまな言葉で親御さんは我が子を叱咤激励します。しかし、多くの場合、親の言葉は「馬の耳に念仏」です。

それよりも「モチベーション」が高まるのは、1つの「できた!」です。

成績が低迷している子にとって、絶対的に不足しているものは「できた経験」=「自信」です。

これを1つ1つ積み重ねていくことで流れは変わっていきます。

「入試まであと半年なのに、そんな悠長な…」。追い込まれている親御さんはなかなか聞く耳を持ってくれません。

一気に不安を解決しようと、身の丈に合っていない問題集を買い与えたり、状況が把握できていない家庭教師や個別塾に預けたり…。問題はさらにこじれ、同じ偏差値帯を足踏みするか、さらに悪化させます。

そうではなく、基礎的な「確実にできる問題」を1つずつ増やし、次に手を伸ばせば届きそうな問題=少しのヒントでなんとかなる問題、を中心に攻め落としていくことで「できた経験」=「自信」を深めていきます

1日1つでも結構な数になります。継続していくと、状況は変わり出します。

問題は誰が経験値の低い、自信のない子に伴走、引っ張り上げるかです。親御さんがベストですが、難しい場合は塾の先生にお願いします。橋渡しは親御さんがします。

先生も講習中はかなり忙しいのですが、そこは親御さんも一歩踏み込みます。

密に連絡を取り、決して先生に「丸投げ」にしないように。塾は親御さんが踏み込むかどうかで「お値段以上」になります

講習不参加に代わる高いハードル

6年生が夏期講習に参加しない、という選択も「なし」ではありませんが、条件が3つあります。

①「連日勉強に“きっちり”付き合ってあげられる人がいること」②「子どもは言い訳せず、逃げずに勉強すること」③「親子でバトルをしない」の3点です。どれも高いハードルです。

これまでの「負債」を抱えて、塾のカリキュラムに沿わず、自らの課題を克服して「逆転合格」「納得いく中学受験」を考えているならば、これくらいの「覚悟」が必要になります。

①は時間管理から何に絞って勉強するかを決めるのが肝です。勉強スケジュールはガチガチに組まないこと。「ゆるい」くらいで丁度良いです。勉強習慣、勉強体力がない子に勉強の「特盛り」「大盛り」は何ら効果を得られません。

②は厳しくするというより、おだてながらでも継続して勉強すること。できなかったこと自体を叱ると、子どもは言い訳をしたり、うそをつきます

できないことは悪いことじゃない、さあできるようにしようかと、親御さんが常にプラス思考の言葉を積み重ねます。「できる」を増やして自信がついていけば、子どもは前向きに目の前の「課題」に取り組みます。

③が一番難しいかもしれません。親御さんは「この夏」の意味をしっかり子どもに説きます。子どもが反発、反論しても、声を荒げず、表情を変えず、冷静に受け答えします。子どもはいつもと違う雰囲気に「何か」を感じます。一貫して親の真剣さを見せれば、子どもの姿勢も変化が見られるはずです。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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