親御さんの役割

微妙な「中学受験しない」親御さんとの関わり方


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中学受験組は「少数派」
他人の合不合格には興味津々
子どもに「探り」を入れる人
・ママ友とつるんでも得るものなし

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中学受験組は「少数派」

中学受験は全国的にみれば「少数派」です。

関東圏でも全小学生の2割程度、都内でも文京区や世田谷区のように中学受験が当たり前という地域と、10%にも満たないところをならすと3割程度の子どもしかチャレンジしません。

自分が今存在している世界が「普通」と思いがちですが、冷静に見れば中学受験など無縁の家庭の方がはるかに多いのです。

中学受験をする子どもを持つお母さんと、そうでないお母さんの話がかみ合わない、というのはよく聞く話です。

受験が終わって「女子学院に合格した」と言ったお母さんに、受験をしていないお母さんは「どこの女子学院」とか「何女子学院?」と尋ねられる、という話は「受験あるある」です。

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「JG」なんて言おうものなら、全く話が通じないでしょう。良い悪いではなく、中学受験なんて無縁、という人が圧倒的に多いのです。

他人の合不合格には興味津々

ただ、受験の「結果」については「ものすごく」関心があります。中学受験の中身はよく知らないけれど、他人の学校の合格不合格は知りたがるのです。

付随して「どこの塾に通っている」とか「家庭教師をつけている」などという話題には、「耳がダンボ」になります。

口にこそ出しませんが(中にはズバリ聞いてくる人もいますが)、「お金、いくらかかっているのかしら」とか「誰が勉強させているのかしら」など、興味半分、妬み半分で見ています。

同じ小学校のママ友には、自分から「受験ネタ」を提供しないのが中学受験をする親御さんの「鉄則」です。

加えて、子どもには小学校で受験や塾の話を自分からしない、というのを「決まり」にするくらいでちょうどいいです。

小学校には必ず塾や受験の話を日常的にする子がいますが、我が子はできるだけ「聞き役」に回ること。できれば受験話の会話の輪の中には入らないのがベストです。

子どもが話したことは、親に流れてその後一気に広まるので「余計なこと」は言ってはなりません。

子どもに「探り」を入れる人

中には子どもに「探り」を入れる親御さんもいます

通っている塾、成績、狙っている学校など、「根掘り葉掘り」聞くのです。その情報を元に、ネットで調べては、受験家庭の経済事情まで想像する、なんていう、そんなことをしてどうするのか、と思うようなことをする人もいます。

「対策」として、子どもと聞かれた場合の「想定問答」をしておくと良いかもしれません

ここまで言っていいけど、その先はダメ、とかです。つかまらないように、元気に「こんにちは!」とあいさつして走り去る、を徹底して話せるような機会をつくらなかったという「逃走手段」で乗り切った子もいます。

中学受験が珍しくない地域では、「受験ママ友」との面倒な付き合い方もありますが、中学受験をする子が数えるほど、という地域では、一部の人に自分たちと同じ空間から抜け出そうとする人たちへ一種の嫉妬心のようなものがあるようです。

かといって、顔が合えばあいさつもするし、会話も交わすでしょうから、受験話に触れられたら「まあ、とうなるか分からないし…」を繰り返し、曖昧にして具体的な話はしなのが得策です。

中学受験は対外的には「静謐(せいひつ、静かで穏やかな状態を保つこと)」で、内部では「情熱」をもってやるべきことをやるのが成功の要因になります。

ママ友とつるんでも得るものなし

受験する同じ小学校のママ友も付き合い方に気を付けたいところです。

同じ中学受験をするのだから、「何か情報を得られるかもしれない」「勉強法とか学ぶところも多いかもしれない」など、特に塾も同じだとつるみがちですが、ズバリ言うと中学受験は「ママ友とつるんでも得るものは何もない」です。

学校説明会もママ友同士で一緒に見学して学校の印象を語り合うより、一人で行って先生をつかまえてさまざまな質問をした方が有益です。

みんなで文化祭に行くより、家族で行って子供には自由に回らせ、親御さんは在校生何人かに「取材」をして、「ナマの声」をたくさん収集する方が、志望校を別の角度からとらえるのに役立ちます。

学校説明会でも文化祭でも、何人かのお母さんと一緒に行くと、話は弾むかもしれませんが、先生や在校生に聞きたいことが聞けず、学校説明会も文化祭も遊びに行っておしまいです。

4年生くらいの時は雰囲気を感じる程度で構わないので、一緒に行くのもOKですが、5、6年はモードが変わります。

「単独行動」で偏差値などに関係なく幅広く、いくつもの学校を回ることで、中高一貫校に共通する何かが見えてきます。同時に学校それぞれの「違い」も分かってきます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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