中学受験 偏差値&成績

夏休みの計画が「企画倒れ」になるワケ


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夏休みの計画は「絵に描いた餅」  
・連日の夏期講習で手が回らず
・実行できるのは当初の計画の3割 
・先に知るべき6年夏の位置付け 
・勉強の計画よりコンディション 

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夏休みの計画は「絵に描いた餅」

夏休みの約40日間、子どもの弱点補強にと、さまざまな計画を練っている親御さんもいることでしょう。

この期間を使って何とか遅れを取り戻し、秋以降の成績、偏差値アップが狙いです。

子どものことを思えばこそ、ひと肌脱ぐのですが、その「思えばこそ」の計画は、使える時間と子どもの力量を度外視した「企画倒れ」に終わることがほとんどです。

「企画倒れ」になりやすいのは主に6年生です。

受験まであと半年、という焦りから計画を立てる際、どうしても「あれもこれも」となりがちで、計画はどんどん「拡大」していきます。出来上がった計画案は「完璧」ですが、実際は「絵に描いた餅」です。

連日の夏期講習で手が回らず

なぜ「企画倒れ」「絵に描いた餅」になるのでしょうか。

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どんなに子どもが頑張って親御さんの立てた計画を実行しようとしても、塾の夏期講習に参加する以上、時間的にも物理的にも「無理」だからです。 

4年生で夏休みの約4割、5年生で5割、6年生になると、ほとんど休みなく通塾することになります。国語と算数は毎日、理科社会はそれぞれ1日おきというのがオーソドックスなスタイルです。 

通常授業と違って、宿題や復習する時間がほとんどないのが夏期講習の難点です。

宿題だけで手いっぱい、その日の授業の復習、再確認まで手が回らないというのが現実です。

最初は夜遅くまで、睡眠時間を削って頑張りますが、それも限界があります。

親御さんが立てた渾身の「弱点克服メニュー」は手つかずのまま、という状態が続きます。 

実行できるのは当初の計画の3割

「これくらいはできるはず」と親御さんが思い描く学習計画、実は「これぐらいはやってもらわないと困る」という強い願望というのが本当のところではないでしょうか。 

大人から見ればそうかもしれませんが、12歳の子どもの「問題処理能力」はそれほど高くありません。

御三家や難関校に比較的余裕をもって合格した子でさえ、親御さんが立案した計画の半分が消化できれば上出来だったといいます。 

子どもが実際に実行できるのは、最初に立てた計画の3割程度です。

ずいぶん少ないように思いますが、これくらいが目いっぱいです。親御さんが塾の宿題、復習以外で「特別メニュー」を組むのなら、一度立てた計画から削減に削減を重ね、厳選したものだけをしっかりやることが夏休みを無駄に過ごさないためのポイントになります。 

「予備日程」「空き時間」も必ず予定に組み込みます。

首都圏の朝の鉄道ダイヤのように、過密にしてしまうと、何らかの理由でつかえたときにダイヤの乱れが生じ、大幅に遅延につながるリスクが生じます。

少しでも詰め込みたい気持ちは分かりますが、取り組んだものを無駄なく吸収するために「絞り込み」が肝です。

先に知るべき6年夏の位置付け

4,5年生の親御さんに知っておいてもらいたいのは、「6年生の夏休みはあれもこれもできない」ということです。

言い換えれば、6年夏までに苦手はある程度潰しておいて、「どうしてもあとひと押し詰めておきたいもの」を1つか2つ攻略する、という態勢にしておくのが得策です。 

夏期講習は入試に向けての基礎確認演習が繰り返されます。生徒によっては過去問に着手し始める時期にも差し掛かります。

理社の時事問題も夏休みに一度「整理」して、秋以降に負担にならないようにしておきたいところです。

 このようにスケジュールが立て込むと、あれが苦手だから、これが心配だからと弱点補強をやっている時間はほとんどありません。

かといって流れに乗らず、独自路線で苦手克服に重きを置くのは結構勇気が必要です。

こうならないためにも、中学受験の必勝法があるとすれば「先行逃げ切り」が一番確率が高いです。

先取り学習をするというのではなく、「分からない」の芽を小さいうちに、早いうちにできるだけ摘み取り、苦手という「荷物」を放置しないことです。 

小学校最後の夏休みは「どうしても」という課題を少数に絞り、秋以降の志望校に狙いを定めた学習の準備、助走とするのが理想です。

決して「一発逆転の夏」としないように。中学受験、そんなに甘くはありません。 

勉強の計画よりコンディション

計画が思うように進まないからといって、睡眠時間や休息を削って帳尻合わせをするのは「最悪」です。

決めた就寝時間にきたら「打ち切り」、起床も決めた時間から基本的には動かさないようにします。

睡眠を保ってコンディションを整えるのが、通塾、家庭学習の「質」をキープします。

眠い状態では塾での時間を無駄にすることになり、家に帰ってきてもダラダラ…となります。

睡眠不足、疲れが残った状態では子どものパフォーマンスは限りなくゼロに近づきます。多少の無理がきく大人とはそこが大きく違います。

勉強と勉強の間のインターバル(休憩)も必ず取ります。

時間がないから、と休みを飛ばして勉強をノンストップで続けると、後で「息切れ」します。結果的に勉強の質量とも落とすことにつながります。

計画の遅れを取り戻すには、時間内で工夫が鍵です。「問題を考えるのは3分まで」「分からない問題は潔く解答解説を見て理解に努める」など有効な作戦を立てます。

「簡単に諦める」「答えを見てノルマを―終わらせる」という発想とは違います。あくまでも限られた時間を有効に使うやり方で、そこには必ず「インプット→最終的に自力でアウトプットできる」という流れを意識しながら取り組みます

夏の努力が形になるのは、多くは11月ごろです。もしかしたら入試当日まで実らないかもしれません。

それでも地道に積み重ねれば、何らかの結果は出ます。この夏の計画の根底にあるものは「継続」受験は結果を焦った順から「没落」していきます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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