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「間違え理由追求」の算数
「一歩踏み込む」国語の記述添削
「先生に質問」で効果あり理科
「時間がない」中での社会勉強法

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「間違え理由追求」の算数

早稲田アカデミーが23年度入試を終えた塾生にアンケート調査を行い、「志望校を決めた時期」「1日の平均勉強時間」などを尋ねました。

その中で「苦手科目と克服方法」(複数回答可)があります。入試の4教科のうち、苦手と答えた割合が一番高かったのは「算数」で27%でした。

その克服法として、受験の先輩がワンポイントアドバイスをいくつかしています。

★計算問題を解くのを日課にした
これを毎日できる受験生はごくわずかです。わずかだからこそ、続けている子は総じて「成績優秀」です。算数のほとんど全てが「凝縮」されているのが計算練習です。「ケアレスミス」と称される算数での失点原因は、軽く考えるべきではなく、入試で「命取り」になります。「正確に素早く解く」「基本問題は絶対に落とさない」という練習と意識を常に確認する勉強は、最優先でやるべきです。

★間違えた理由を追求して、ミスを極力なくせるようにした
「解放暗記」で通用するのは、40前後から35以下の偏差値態の学校までです。基本問題を確実に正解したうえで、「基礎と基礎の組み合わせ」で出題される「合否を分ける問題」を1つでも正解(あるいは部分点を獲得)するのが入試算数での「セオリー」。○✕を付けて「おしまい」ではなく、なぜ間違ったのかの理由を納得するまで「追求」し、類題演習をすることで「自力解答力」をつけます。

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その他「テキスト、プリントを繰り返しやる」「6年生の教材『上位校の算数』を何度も解き直し、苦手単元を定着させた」などが挙げられていました。

やたらと新しい教材、新しい問題集に手を出すより、「塾の教材を繰り返す」のが一番効果的です。特に秋以降の終盤はこれに徹します。

「一歩踏み込む」国語の記述添削

国語で苦手意識を持っている割合は24%という回答でした。特に最近の入試で増加傾向著しい「記述問題」に悩んでいる受験生は多いです。

★とにかく解き直して添削してもらう
記述問題は取り組む問題数=「量」に比例して上達、得点できるようになります。「先生の模範解答待ち」という消極的な姿勢ではなく「自分の解答を書く」を繰り返し、先生に添削してもらいます。それを参考に、自分で書き直して、書き直して、満点になるまで何度も挑みます。間違っても恥ずかしくありません。記述問題はテクニック以上に「めげずに一歩踏み込む姿勢」が達人への近道です。

★漢字や語句の部分で点数を落とさないようにする
計算練習と同様毎日やるべき勉強です。成績上位者は漢字の問題などでまず失点しません。漢字と語句の勉強は、ストレートに得点に直結するという利点もありますが、「語彙力」を付けることにもつながり、これが入試国語のメインデッシュ「読解」に威力を発揮します。国語の語彙力は英語で言うと「重要単語」のようなもの。漢字、語句は低学年のうちからコツコツ積み上げるのが肝です。

その他「要約することで、文章の内容を正確に把握できるようになった」「知らない言葉があるとノートに書き出して、辞書で意味を調べ、その言葉を使って作文した」という声がありました。

これは4,5年生がぜひとも取り組んでもらいたい勉強法です。国語の読解は得点力がアップするまで時間がかかり、しかも速度はゆっくりです。親御さんの伴走、先生の添削アシストなど「粘り強く続ける」のが国語が伸びる勉強法です。

「先生に質問」で効果あり理科

理科がちょっと…という割合は22%でした。

理科は大別して「物理」「化学」「生物」「地学」の4分野に大別され、すべてが苦手というケースは少なく「物理」と「化学」が厳しい、「地学」がちんぷんかんぷん、など人それぞれの「苦手」がある傾向が強いです。ただ、共通する勉強法もあります。

★まずは基本問題を解き、だんだん難しい問題に挑戦するようにした
理科限らず、受験勉強の「基本姿勢」です。入試は難しい問題ができるから合格するのではなく「基本問題を確実に正解する」から合格に至るのです。理科が苦手な場合は「基本問題」のみを徹底して復習し、もう少しでできそうな問題を加えて勉強する方法でも構いません。難しい問題は偏差値の高い子でもそんなに正解しません。模試などで正答率30パーセント以下は手を出さなくても…です。

★わからない問題を先生に質問した
「理科が苦手」という場合、「原理原則」というスタートラインからしてよくわかっていない子が大半です。テキストを読んでも理解できない、基本問題もできないなら迷わず塾の先生に質問です。必ず「自分はこう思う」「ここまで解いたけど、この先が…」と自分なりにアウトプットしたものを持参すること。何も考えずに、ただ教えてもらっても簡単に忘れて身につきません。

「たくさんの問題に取り組み、テスト直しではなぜ間違ったのかを必ず書くようにした」「教材を音読したものをスピーカーで家中に流し、音で覚えるようにした」という勉強法も紹介されています。

間違えた理由をメモ書きし、ノートやテキストに書き方法は効果的です。間違えた「こん跡」も消しゴムで消さずに残すように。なぜ間違えたのかを思い出す「最高の教材」になります。

音読は理科に限らず、全教科に有効です。できる限り音読をしましょう。

「時間がない」中での社会勉強法

最後に社会です。苦手と回答した割合は理科と同じ22%でした。

社会の苦手克服法はバラエティに富んでいます。それぞれ「やり方」を確立している場合も多いのですが、国語や算数に時間を取られて社会に時間が割けないというのが悩みどころかもしれません。

★就寝前に毎日30分、基本事項や用語を覚えた
勉強の始まりに漢字や計算を、締めに社会というのは「あり」です。脳の働きとして、寝る前に「覚えるもの」をやると眠っている間に記憶が定着し忘れにくいという効果があるといいます。受験生なら30分演習問題に取り組むのも良いです。国算に比べ配点が低い傾向の社会ですが、入試では確実に得点が計算できます。逆に「生煮え」で入試になると痛い目にあいます。「後回し」は危険です。

★データ分析などを上達させ、得点できるようにした
地理を中心にグラフやデータを読み取り解答する、という設問が社会では増加傾向です。この種の問題は覚えるというより、必ず読み取りの「ポイント」があります。塾のテキストや過去問、模試や受験しない学校の過去問を使って数多くの「実戦問題」に触れることでポイントの読み取りの「引き出し」が増えます。入試本番での「初見の問題」への対処は演習量の経験がものを言います。

「ニュースを毎日欠かさず見て社会に興味を持つようにした」「歴史漫画を繰り返し読んで覚える」という勉強法も卒業生はやっていたようです。

公民の中でも時事問題はよく出題されます。ただ、それほど突っ込んだ内容ではないのであまり神経質にならないように。それより国会や選挙制度のしくみ、憲法など基本を中心に勉強するのが得策です。

歴史漫画もほどほどに。漫画より資料集や図鑑などの方が入試での「解答力」をつけるには得策です。漫画はテキストで読んでもよくわからないところの理解を深めるために使うと威力を発揮します。社会は「イメージ」が大切です。

ちなみに苦手科目「なし」という回答は5%。うらやましい限りですが、「苦手」という自覚がない、ともいえます。

そう思わないだけでも気持ちの上で入試は優位に立てます。あまり「苦手」を意識せず、1つ1つ「丁寧に取り組んでいく」という姿勢でも不得意なものは「標準レベル」にはなります。苦手ばかりに気を取られず、得意科目も磨きをかけることが大切です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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