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大学は大変…日大系一貫校の人気、難易度、進路


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大学不祥事の中高一貫校への影響
まずは「日大確保」作戦
・日大系からの外部受験結果
・日大推薦率は7割以上もあれば…

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大学不祥事の中高一貫校への影響

日本大学の不祥事の連鎖が止まりません。アメリカンフットボール部員による大麻所持に続き、ラグビー部内のいじめで部員が警視庁に被害届を出しました。

22年夏に作家の林真理子さんを新理事長に迎え、出直しを図った日大ですが、今回の事件での対応を見ると、組織内での「風通し」はあまり改善していない雰囲気で「再生」への道は険しそうです。

事件があるたびに「日大のイメージダウンは必至」などとマスコミは報じますが、中学受験の世界をのぞいてみると、事件の影響はないとは言えませんが、それほどでも…という状況です。

親御さんたちが気にしているのは、事件ではなく、我が子が受験する学校の難易度(偏差値)のアップダウンや志願者数などです。その観点から見ると、23年度日大系中学の入試は難易度上昇、それに伴い志願者はやや減少傾向でした。

例えば、日大豊山の22年度の偏差値は「46」(1日午前、四谷大塚・合不合判定Aライン=80%合格偏差値)で、5年前の「35」から実に11ポイントも上昇。受験者層が一変した入試となりました。難易度が上がった分、豊山志願者は減り、前年度比11%減(305人減)でした。

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一方、23年度入試で日大の「ナンバースクール」(一、二、三中)などで軒並み志願者数が減りましたが、24年度入試は9月の模試動向などを見ると増加傾向で推移しています。中堅校でみられる「隔年現象」です。

秋の時点で結論付けられませんが、24年度の日大系中高一貫校入試は難易度変わらず、現状では志願者は増加に転じる流れになっています。

まずは「日大確保」作戦

中学受験での日大系は、偏差値的には中堅校から一般校のカテゴリーで「難関」ではありません。中学受験の勉強を5年生夏以降や6年生になって始めた「途中参戦」組にとっては、「狙い目」の難易度です。

難関校でなければ、中学受験をする意味がない。日大系の中学なら、高校受験でも間に合うのでは?と考える親御さんも多いかもしれません。

しかし、日大系の高校は偏差値はいずれも65以上のことが多く、高校受験だと中学受験よりハードルはかなり高くなります

公立高校と併願するにしても、選べるのは公立上位校受験の子に限られます。加えて公立高校から日本大学を一般受験した場合、偏差値60前後の高校からだと、現役合格できないことも珍しくありません。

内申点も気にしながらの中学生活よりも、経済的な事情が許すのなら、中学受験で「真ん中」くらいの成績で合格できるうちに、という判断は賢明かもしれません。

中学の段階から、まずは「日大確保」というのは、作戦として「あり」です。

16学部87学科、医学部もある日本最大級の大学との高大連携は積極的です。将来の進路をより具体的に頭に描けるというチャンスが日大系の中高一貫校にはあります。他の私立でもこれほど贅沢な「環境」はそうはありません

日大系からの外部受験結果

中学受験時はそうでもなくても、中高一貫での6年間で子どもは見違えるほど成長します。学力が向上し、日大進学ではなく、他大学受験に舵を切る、という目も出てきます。

早慶(早稲田中学・高校を除く)やMARCHの附属・系属校と違って、日大系の中高一貫校は「併設大学進学」というスタンスを前提にしていません。本人の意志で日大か他大学かを決めます

日大系列の高校では、約1万人を対象とした「基礎学力到達度テスト」(旧日本大学付属高等学校統一テスト)を行いますが、このテストで日大への推薦権を保持したまま、国公立大学受験を認めています。語弊はありますが日大進学が「保険」の役目をして、国公立大を受験するという形になります。

日大豊山女子のように高校1年から日大進学を主に考える「N進学クラス」と、国公立、難関私大などを受験をする「A進学クラス」のようにコースを分けているところもあります。「進路選択の自由度が高い」ことが、日大系中学受験をする親御さんの決め手の1つになっています。

日大以外を考えた場合、付属校から合格する大学は、学校によって「特徴」がみられます。

外部受験が多い日大三は、23年度東大の現役合格者を輩出。一橋、筑波にも合格しています。神奈川の日大高校(日吉)は難関私大にも強く、23年度は早大に12人、慶大4人、明治は39人の合格を数えました。日大藤沢も京大に1人(既卒)、早大14人の合格者を出ました。

一方で日大への内部進学率が高い学校では、外部受験組は日大より偏差値で見れば下回る学校が多くなる傾向です。内部進学率7割超の日大豊山は22年度の場合、城西大、拓殖大などの合格者が多く、同じく65%近い日大一は麗澤大、明星大などの合格者が目立ちました。

日大推薦率は7割以上もあれば…

日大への推薦入学のメインルートになる「基礎学力到達度テスト」による推薦は、高2で1回、高3で2回実施され、高2での成績は選考の際に2割程度しか点数化されないため、事実上高3での「勝負」となります。

この点数をもとに「セレクション」が行われ、合格した学部学科に出願。小論文・面接などの試験で推薦が決まります。

学部にこだわらなければ、ほぼ進学はできますが、希望学部に進むための到達度テスト対策を行う塾や家庭教師の会社もあるほどで、中学受験が終わっても緩やかですが競争は続きます。

日大系の中高は「正付属」(日大●●タイプ)、「特別付属」(日大の後に漢数字のタイプ)、「準付属」(地名+日大)の3つに大きく分けられますが、タイプによっての進学傾向の差はあまりみられないのも特徴です。

全国30以上ある日大系列の高校のうち、7割以上が日大へ進む高校もあれば、10%台のにとどまっている高校もあります

首都圏で中学受験のある中で見ると、22年度(23年3月卒業)は日大豊山で約75%、日大一が約66%、豊山女子で約60%と内部進学率の割合は高いですが、日大二、日大三は約43%です。

日大か他大学かの選択は「校内の雰囲気」にも左右されがちです。特に部活の先輩の「進路」は「重要参考資料」です。先輩の頑張りを見て「自分も」となるか、同じ成績くらいの先輩が問う言う選択をしたのかが影響します。

進路も「縁」によって決まってくるのかもしれません。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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