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中学受験流れを決める「相性のいい」塾と先生


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・塾選び 大切で難しい「相性」 
・授業の輪の中に入っている実感
多くの生徒と相性のいい先生
・相性のいい先生が去っても…

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塾選び 大切で難しい「相性」

中学受験をする子どもの大半が進学塾へ通っています。

家庭教師のみ、個別塾のみ、通塾なしで挑戦する子ももちろんいますが、少数派です。塾のみ(親塾フォローも含めて)の割合は6割強といったところ。残りは家庭教師、個別塾、他塾併用のパターンです。

さまざまな基準で親御さんは塾選びをしますが、塾選びで最も大切で判断が難しいのは、子どもと塾(先生)との「相性」です。

塾の知名度、規模、合格実績は二の次三の次。特に「はじめの一歩」である新4年生の時の「相性」は受験そのものの流れ、方向性を決定付ける可能性が高いです。

親御さんは入塾、転塾などの際に体験授業を受けた子どもの反応、見学できるのなら先生と子どものやり取り、そこに我が子が入ったらどうなるのか、などを基準に塾選びをするのも1つのやり方です。

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授業の輪の中に入っている実感

 塾や先生との「相性」とは何を指すのでしょうか。

目に見えないものなので具体的に説明しづらいのですが、ひと言でいうと「子ども自身が授業の輪の中に入っているという実感がある」塾は、子どもと「相性がいい」といえます。

では「授業の輪の中に入っている実感」とはどういうことでしょうか。

「先生が話している内容にある程度ついていける。しかも面白い(興味がわく)」
「話を聞きながら、どうして?なぜ?が頭に浮かび、その先が知りたくなる」
「授業中の先生、クラスメイトとのやり取りが楽しい。教室にいることでワクワクする」

この3つのうち2つがあると、その塾、先生との相性が良く、通塾する意味があると言えます。

逆に子ども自身が「言葉にできないけど、しっくりこない」「なんか違う」と感じたら、相性はあまり良くないかもしれません。子どもの直感、意外と「当たり」です。

最初は「よく分からないこともあるけど、なんだか面白い」で構いません。発言をあまりせず、おとなしくても大丈夫です。そのあたりの「土ならし」は先生の力量と授業回数を重ねることでだんだんなじんできます。

ただ、子どもの方も先生の話を受け入れるための「資質」が備わっていないと塾での学習は厳しいかもしれません。先生のさまざまな「仕掛け(授業を面白くし、理解してもらうための工夫)」を受け入れる「土壌」が備わっていることが前提になります。

「土壌」=「吸収する力」のある子は「素直」「親御さんとしっかり会話ができる」のが特長です。

この特長がある子は「人の話に耳を傾ける」ことができます。授業中の先生の言葉はもちろん、クラスメイトの発言からも「なるほど」と学びます。大げさに言えば「自分以外は皆師」といったところです。

入試は「試験問題との対話」です。相手の問いかけを理解したうえで、最適解を目指して解答用紙に書き込みます。中学側は知識がある子、算数の出来る子がほしいのではなく(そういう傾向の中学もありますが)、人の話を理解したうえで筋の通った「あなたの考え」を表現できる子を求めています。「思考力系」の問題が年々増えているのも、そういう背景があります。

低学年のうちは「先取り学習」よりも、さまざまな経験をし、親子や兄弟、第三者とたくさん話し、素直に驚き感動し、そのうえで自分は「こう思う」言えるような時間を過ごすことが貴重な時間となります。

多くの生徒と相性のいい先生

「相性」を形成する、もう一方が先生です。小学校の学習レベルをはるかに超えた難しい内容に挑戦する中学受験です。先生の「手腕」次第で子どもの「やる気」は左右されることもよくあります。

塾の先生は、その分野にかけてはかなりの知識と見識を持っています(中にはこのレベルで…と唖然とする場合もありますが、大手はその可能性は低いです)。ただ、それを子どもに伝える技術は別です。

多くの生徒と相性のいい、子どものハートをガッチリつかむ先生は授業に「メリハリ」があります

子ども同士で意見をぶつけ合っている場合はテレビ番組のMCのように潤滑油の役を、ここがポイントという場合は「分かりやすく手短に」「なぜそうなのかの理由付きで説明」します。

対極にあるのが一方的に解説、説明して「分かった?じゃあ次」と進める先生です。一通りのことは教えてくれます。内容も妥当で直すところは特にありません。それでも子供たちの頭の中が「?」だらけになるのは、小学生に教える際に必要な「メリハリ」に欠けていることが多いです。

生徒に「面白い」「分かりやすい」と言われる先生の多くは、1回の授業の中で生徒の頭の中に2つや3つ、「強いインパクト」を残します。独特な言い回し、声のトーン、ジェスチャー、板書…「味付け」はそれぞれですが、「ここが要点」というところで印象に残る工夫をしています。印象に残れば子どもの頭の中で要点は「定着」しやすくします。

注意したいのが「塾へ通っていることが楽しい=相性がいい」ではないということです。

小学校と違う話相手の仲間がいるから、休み時間にワイワイできるから楽しいということを「塾、楽しいよ」と話すお子さんは多いです。これは勉強する場としてではなく、遊びに行っているいるのと変わりません。塾の下位クラスで低迷している子は、この状態の子がかなりの数に上るのが現実です。

帰宅した子どもが「塾、楽しいよ」と言っている場合、何が楽しいのかを優しく尋ねます。先生の脱線話、友達がヘンな答えを口にして笑われた、などの話ばかりで勉強内容について触れないのなら「要注意」。塾の先生に様子を聞いてみた方が良いかもしれません。

逆に子どもが塾から帰宅後、「お母さん、聞いて、聞いて、今日塾で○○なこと勉強したんだよ」という回数が多ければ多いほど「相性がいい」塾に通っている1つの証拠になります。

親御さんも忙しいかと思いますが、子どもが目を輝かせてする「塾話」にはとことん付き合います。これが次も塾で「ワクワクして勉強したい」という子どものモチベーションにつながるからです。

ワクワク感を持ち帰った子は家庭学習も頑張ります。この積み重ねの先にあるのが「志望校合格」です。

相性のいい先生が去っても…

相性のいい先生と出会っても、入試までの3年間、ずっと面倒を見てもらえる可能性は低いのが中学受験です。特に大手進学塾では校舎間の異動が頻繁で、次の週に塾へ行ったら「先生が代わっていた」ということは「あるある」です。

こればっかりは予測できないので、どうしょうもないのですが、「対処法」があるとすれば「相性のいい先生がいるうちにしっかり実力をつけておく」ことです。

相性のいい先生に4、5年生であたった場合、「楽しい、面白い」で終わらせず、しっかり「勉強習慣」「勉強体力」をつけて実力を養い、どんな先生にあたっても左右されずに常に実力を発揮できる状態にしておきます。

逆にどんな先生に教わっても「何かを持ち帰ってやる」くらいの気持ちで授業に臨めれば、間違いなく成績は高いところをキープできます。入試でもしぶとく合格を勝ち取ります。

塾での本格的な受験勉強スタート時は、相性のいい先生は必要ですが、受験勉強がある程度走りだしたら、今度は「自分との勝負」になります。相性のいい先生に出会えたことに感謝しつつ、それをステップとして次のステージへと進みます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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