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秋から冬こそじっくり国語読解を
塾の素材文テキストを読み返す
苦手キーワード「未知の世界」
「引き出し」が成績を上げる

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秋から冬こそじっくり国語読解を

オーソドックスな受験スタイルでみれば、4年生の秋は中学受験の勉強を始めて8カ月、5年生秋は1年8カ月の地点になります。

最初は緊張感でいっぱいだった4年生も夏期講習を終えて塾にもかなり慣れたことでしょう。中間地点を超えた5年生の秋は「中だるみ」という雰囲気が漂っているケースも結構あります。

そんな4,5年生は新学年に上がる残り4カ月くらいの時間をかけて「苦手克服」にじっくり取り組みたいところです。

4年生は苦手を少しずつ潰していくことで、中学受験の必勝パターン「先行逃げ切り」態勢の土台を構築します。

5年生は6年生の夏休み以降に「課題」を数多く残さず、9月以降に取り組む過去問演習や志望校対策へスムーズ移行して第1志望合格の足場を築きます。

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特に国語の読解は結果が出るまでに時間がかかります。苦手にしているのなら、小学校の行事も割と落ち着いた、時間的に余裕がある「この4か月」の間に手を打つのが得策です。

塾の素材文テキストを読み返す

4、5年生の場合、国語読解のレベルアップは、物語文から入るのがスムーズです。

子どもの日常とかけ離れたことを扱うことが多い説明文、論説文より、同じ世代からやや年齢が上の子の言動、親御さんの心情をテーマにしたものも多い物語文の方が手を付けやすいでしょう。

まだ精神的に幼さが目立ち、国語の読解問題に取り組んでも的外れな解釈や解答を出していた子でも、塾のテキストを通じてさまざまな素材文に触れ「自分の知らない世界」が世の中にはある、ということくらいは肌感覚で分かってきています。

そこで今まで扱ってきた塾の国語のテキストを引っ張り出してきて、もう一度読んでみます

問題は解かなくても構いません。授業で扱ったときはよく分からなかったけど、今なら「分かるようになったもの」、今読んでも話の中身が「理解できないもの」を大別してみます。

「分かるようになったもの」は進歩です。国語の読解をする上で「引き出し」が増えたことになります。まだ理解できていないのなら、無理に説明しなくても今はいいです。時間をおいて再チャレンジです。

自分はどう読んだのか、子どもは親御さんに説明してみます。「えっ?」という解釈をしてくるかもしれません。それでも「なるほど、そうかあ」と一度引き取ります。「違うでしょ、これは…」は禁句。子どもは聞く耳を持たなくなります。

親御さんも一読して「読んでみて感じたこと、子どもにわかってほしい心情」を話し合ってみることが大切です。双方が言葉を川ことで、子どもの「思考の方向性」がつかめる可能性が高いです。

「悔し涙は分かるけど、うれし涙って?」「楽しくって笑っているのは分かるけど、無理に笑顔をつくっている気持ちは分からない」など、子どもの「心の成長度」を親御さんが知ることは、今後の読解学習の指針になります

苦手キーワード「未知の世界」

「今読んでもちょっと」という素材文は、すぐにどうこうではありませんが、月に数回時間を設けて「攻略」します。

令和の時代に生きる子どもには想像がつきにくい世界を題材にしたものが中学入試の国語読解素材文には数多く出題されます。自分とは住む世界が違っても「理解できるか」「共感できるか」を中学校側は受験生の答案を通してみています。

子ども達が理解しにくいジャンルは、物語文で言えば、「昭和の戦前、戦中、戦後」「幻想の世界(ファンタジー)」「芥川龍之介、夏目漱石らの文豪の作品」「女の子の複雑な心模様(男子の場合、女子の場合は逆に男の子の妙な友情話)」の4つが代表的です。

いずれもキーワードは「未知の世界」です。

戦争中の話は親御さんでも「聞いた話」では知っていても、実体験では子どもに伝えられません。幻想の世界は想像力を働かせつつも、あまりも飛躍してしまうと「読解」にはなりません。

文豪作品は表現が硬く、今はあまり使わない語句、近代日本の話といっても現在では少し違う日常が描かれており、これも理解は難しい部分があります。異性の気持ち、親御さんは「経験」上分かることも多いのですが、子どもにはまだまだ意味不明な世界です。

異性の気持ちはいずれ分かるにしても、他の世界は実体験をする機会がありません。なので、多少調べたことを加えつつ「素材文を通じて分かること」から「知らない世界」を学び取って「読解の引き出し」づくりを親子でやっていきます。

一緒といっても、ナビゲーター役となる親御さんの方が「予習」の必要があるかもしれませんが、親子で音読しながら、解説を読みながら素材文の理解を深めていきます。

解答を導き出すのとは別に、読解問題で問われる思考や背景の「引き出し」を数多く持っているというのは、国語の成績アップに意外と効果があります

「引き出し」の数が増えると、テーマが折り重なったもの(「戦時中の恋心」「文豪が描く幻想の世界」など)も素早く消化でき、読解のスピードは格段にアップします。

「引き出し」が成績を上げる

記述解答のテクニックや選択肢問題の正解へのアプローチとは別に、国語の読解はそもそも「素材文が何を言っているのか分からない」のでできないということが、中学受験では「あるある」です。

塾で読解のテクニックをいくら学んでも素材文そのものの理解ができていないと、テクニックは十分に生かせません。

理解しにくい話を少しでも分かるようにするために「時代背景」や「こういう時の気持ち」という「引き出し」が読解の助けになります。

素材文に数多く触れることで「疑似体験」をし、少しでも「未知の世界」に触れておく経験値の差は国語の成績に後々表れてきます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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