国語の勉強法

秋こそ…説明文読解&漢字語句の攻め方


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・「対比構造」の「型」を読み取る
説明文苦手なら多読より「精読」
・漢字は実際の入試問題に挑戦
・語句知識は必ず偏差値を上げる

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「対比構造」の「型」を読み取る

物語文とともに中学入試の国語読解のもう一つの柱「説明的文章」(説明文)も、塾のテキストの素材文を読み込むことが、4,5年生にとって成績アップの道を開きます。

4、5年生の秋段階での説明文はまだ易しいので、取り組んでみると実は物語文より分かりやすいかもしれません。さらに、内容はそれぞれでも説明文は一定の「型」というものがあることに気が付くかもしれません

この「型」を知ることによって、内容が少々難しくても何とか解答を導き出すことが「物語文」よりも可能になってきます

物語文で登場人物の心情を読み取ることが苦手で、成績、偏差値とも低迷する子が、説明文は割と得点できていることもよくあります。特に選択肢問題は順序立てて読み進めていけば、「正解」が自然と見えてくる傾向にあります。

説明文の「型」の代表例は「2つの考えの対比(対立)構造」です。

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素材文の筆者は「A」という考えを主張したい(言いたい)がために、「B」という逆や違う方向性の考えをあえて文章にします。それをさまざまな表現で、あるいは具体的な例を挙げて、丁寧に説明して、最後の方で「私はこう思う」とまとめます。

この「型」を徹底的に意識しながら素材文を読み込みます

内容的には身近な分かりやすい話もありますが、科学論、言語論、哲学、生態系や環境問題、社会論と子どもには全くなじみのない世界の文章が主流です。それでも「型」を意識することで、読んでいる途中で「わけが分からなくなる」ということは避けられる可能性が高くなります。

説明文苦手なら多読より「精読」

ただ、子ども達にとって説明文は「なじみがない内容の文章」であることがほとんどです。

本来は筆者が「わかりやすいように」と親切で示してくれた数々の具体例がかえって分かりにくいものに映ってしまったり、本筋である筆者の「言いたいこと」(主張)がきちんとつかみきれず、いざ記述解答を書く際に「的外れ」になってしまうことも多々あります。

素材文の流れが追えない、筆者が「言いたいこと」「言いたいことを強調するために、逆のことを書いているところ」「例を出して自分の言いたいことを分かりやすく説明しているところ」などが、どうしてもピンとこないのなら、たくさんの素材文を次から次へと「多読」するより、塾のテキストから5本程度選んで精読する方が有効です。

まずは「対比構造がはっきりしているもの」「起承転結が割と明確なもの」を選び、さらに子どもができるだけ「理解できる順」の文章から取り組みます。説明文の「型」と「硬い文章」になじむには、スピードよりそれぞれの子どもの「理解のペース」を確認しながら進む方が無理がないでしょう

選択肢問題、記述問題も「解く」のではなく、解説をたどりながら「なぜその解答が正解になるのか、なぜほかの選択肢が誤答で、この記述だとどこが足りなくて、とこを削った方がいいのか」などを研究します。

国語が厳しい子が独りで「説明文」に取り組むのは無理があります。親御さんが伴走するか、塾の先生にお願いするか、家庭教師や個別塾にお願いする場合は、お任せではなく、親御さんが具体的な勉強の方向性を示してお願いします。

漢字は実際の入試問題に挑戦

漢字について、4年生はまだマスターすべきものが多く、地道に「掘り進める」ことが先決。塾の小テスト満点が毎回の目標です。

5年生はすでに6年生で習う漢字も塾によっては手を付けているので、ある程度自信のある子は実際の入試問題に挑戦するのも面白いです。

いくら練習問題をやっても、実際の入試で出題されたという「付加価値」にはかないません。正解すれば自信もつきますし、数を重ねていくうちに中学校の偏差値にかかわらず、漢字は同じようなものが出題されるんだな、ということも分かります。

男子なら女子校、女子なら男子校、共学ならまず受験しないだろうという遠隔地の学校の入試に出題された「実戦問題」に取り組みます。

四谷大塚のホームページから見られる「過去問データベース」を使えば、問題数は潤沢。全国各地の中学入試10年分以上のストックがあります。質量ともに十分です。

語句知識は必ず国語力を上げる

和語、慣用句など、語句の知識は読解に取り組む際に武器になります。あまり力を入れてこなかった場合は、これも過去のテキストを読んで、よく意味が分からないものを拾っておきます。

語句だけを集めた短文集のような市販の参考書より、素材文で実際に出てきた語句を音読したり、ノートにまとめて自分だけの語句集にして、何度も見返えしたり読み返した方が実戦力が身に付きます。

この積み重ねは、6年夏以降の過去問に取り組んだときや本番入試で必ず威力を発揮します。

地道な作業ですが、「語句コレクション」とその復習は国語力を確実に引き上げ、成績もアップします。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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