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共学、女子校が「算理」2科入試をやる理由


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・様相一変 女子校「リケ女」増加
・淑徳与野が「医進コース」設置
桜蔭、豊島岡にみる「意志の力
算理入試、中堅校以下は厳しい?

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様相一変 女子校「リケ女」増加

算数1科入試を実施している中学が、東京と神奈川でみると男子校より実は女子校の方が多いというのは、意外と知られていません。

始めたのは男子校でしたが、一部の女子校も「情勢の変化」に機敏に動きました。

女子校で「リケ女増加」というのがトレンドです。

女子校と言えば、かつては文系志向の生徒が多かったのですが、最近は様相が一変。進学校ほど大学進学で理系を選ぶ割合が多くなっています。文系に進むにしても数学の要素が絡む商学部や経営学部を選択する女子も増加傾向です。

最近は算数1科入試だけでなく、理科を加えた「算理」2科入試を導入する中高一貫校が増えつつあります

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2科入試といえば、「国算」が定番ですが、こちらは逆に減少傾向。東京農大一、三田国際、千代田国際、品川翔英、ドルトン東京学園などが「算理」入試を導入。芝浦工大附属、昭和女子大附属昭和は「国算理」の3教科、目黒日大は「算理合科問題」という形式での入試があります。

共学校の「算理」入試は、もともと理系志向が多い男子以上に女子の入学を期待してのものであることが説明会などでの先生方の様子から手に取るようにわかります。

「理系に力を入れている」学校というアピールは、親御さんにも強い印象を与え、 中高一貫校の生命線である「偏差値」「人気」「大学合格実績」上昇へとつながる可能性は高いです 。

「理数」2科入試は、中学受験市場で「選ばれる学校」になる有力な「売り」になります

淑徳与野が「医進コース」設置

24年度入試では、共学だけでなく、女子校でも「算理」入試が行われます。

淑徳与野(さいたま市)が医療・理系への進学志望者を対象とする「医進コース」が新設されます。入試科目は4科とともに算数・理科の2科入試でも受験できます。  

「医進コース」新設には同校の理系進学者が飛躍的に増えているという背景があります。21年度の理系進学者は卒業生の約43%で、女子校としては多かったのですが、23年度はついに約56%と半数を超えました。

埼玉の女子校の中で、浦和明の星女子とともに「前受け」校として人気がある淑徳与野。「目玉」コースを設置することで、県内はもとより埼京線などでアクセスできる都内からの生徒を集め、「前受け」からの脱却を図る強い決意も感じられます。

「インターナショナルコース」や「特進クラス」など新コース設置は「まだ実績はありませんが、6年後そうなるように頑張ります」という未知数な部分もありながらのスタートが「通常」です。

親御さんはいわば「先物買い」をするのですが、淑徳与野は進学実績という下地があってのコース設置です。親御さんとしては受験校として選ぶ場合「安心」を確保できるというメリットがあります。

淑徳与野

桜蔭、豊島岡にみる「意志の力

女子が理系に進む理由の1つに「将来性」があります

女子は男子と違って、早くから自分の将来像について現実的に考えます。その中で、自立して生きていくためには…と考えると、両親や周囲の大人を見て感じるのは「医歯薬理工系の方が有利」という結論を出すことが多いようです。

コロナ禍で「医療系は大変そう」と敬遠するのは、むしろ男子の方。女子は「だからこそ」と、意志を強くして進路を選択します。

東大理科Ⅲ類(医学部)の22年度の合格者が最多だった桜蔭、医学部合格者が100人を超える豊島岡女子学園は首都圏最難関クラスの女子校。この結果は偶然ではなく、中学入試から「意志を持って」勉強してきた表れです。

算理入試、中堅校以下は厳しい?

今後算数1科入試より、「算数・理科」の2科入試が増える流れができる気がします。

英語入試、英語の外部試験(英検など)のスコアを利用した受験も可能な中高一貫校も増えますが、どちらかというとそれは中堅校から一般校(偏差値54~40以下の学校)にみられる現象。上位校、難関校は4科をメインに「算理」入試も可という方向に進むのが妥当な見方です。

中堅校、一般校では英語入試で入っても、数学、理科の基礎力がないケースが多く、大学進学時に「困った」となる生徒は多いです。「理系苦手」だと進路選択の幅はどうしても狭まるからです。

かといって、中堅校・一般校が「算理」入試を実施して「期待した人材」を確保するのは難しいです。中堅・一般校レベルでも「算理」入試をやっているところもありますが、一般的にこの2科目に自信があるなら、難関、上位校狙いの子がほとんどだからです。

中堅・一般高校が「理数」入試をやるなら、「6年間特待」などのおいしい特典を付けて、6年後に大学進学で「結果」を出すか、昨今ブームの「校名変更・共学化」で大きなアドバルーンを上げて、覚悟をもって学校改革を進めるか、など大胆な戦略を打ち出す必要があります。

「算理」入試は、より素質を持った生徒集めとしては有効な手段ですが、どの学校でも…というわけにはいかないようです


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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