中学受験 偏差値&成績

アンケートに見る中学受験を「しない」理由


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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・実は中学受験は少数派
・高校受験選択の理由は漠然と…
・自由記述から伝わる中受しない訳
・親御さんの価値観が「分かれ道」

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実は中学受験は少数派

昨年まで9年連続で受験者数を伸ばしている首都圏の中学受験ですが、23年度の1都3県の受験者数は、直近2023年入試の受験者数は、私立中学と国立中学を合わせて約5万2600人(首都圏模試センター調べ)で、受験率17.9%と過去最高でした。

統計によっては20%を突破しているというデータもありますが、いずれにしても首都圏の全小学生のうち中学受験へ進む家庭は2割程度で、全体から見れば実は「少数派」に属することになります。

東京都文京区のように受験率が約50%程度、港区や目黒区の40%前後のような地域に住んでいると「皆さん中学受験」という雰囲気かもしれませんが、23区内でも10%くらいのところもあり、周りが騒ぐほど中学受験はメジャーではありません。

となると8割くらいが高校受験での進学となりますが、高校受験組が中学受験をしない理由はどういうところにあるのでしょうか。

高校受験選択の理由は漠然と…

22年9月にデジタル保険代理店「コのほけん!」を運営する Sasuke Financial Lab 株式会社(本社・東京都千代田区)が「中学受験と高校受験に関するアンケート調査」(対象:20歳以上59歳以下の男女で子どもがいる)を実施。その中で「中学受験ではなく、高校受験をする理由」について質問、190人が回答しています。

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中学受験をしない具体的な理由としては「自分が高校受験だったから」(16.8%)「大人になってから勉強したければすればいいと思うから」(8.9%)、以下「中学受験は塾代や合格した後の学費が高いから」「できるなら中学受験をさせてみたい気持ちもあるが家庭の事情で難しいから」「子どもの教育にお金をかけることがいいことだと思えないから」という意見が続きました。

ただ、具体的な理由を述べたものはこの5つ程度。大半は「高校受験でいいと思うから」(43.2%)「わからない・その他」(38.4%)と、感じとしては「漠然と」高校受験を選択していることが、アンケートから伝わってきます。

「高校受験でいいと思うから」の中にはそれなりの理由もあると思いますが、「明確な」ものをどう表現していいのか分からないのかもしれません。

推測の域を出ませんが、漠然とした理由の中にはアンケートの中にもあった「経済的理由」が多くを占めるとみられます。

あとは中学受験は「親子の受験」といわれることへのプレッシャーだったり、共働きなどで「伴走する自信がない」「勉強をみてあげることができない」などの理由も隠れていると考えられます。

自由記述から伝わる中受しない訳

アンケートは中学受験、高校受験についての自由記述もあり、そこには中学受験に否定的な人の考え方が垣間見えます。

「そんなに小さい頃から勉強、勉強とやらせたくない。子どものときは勉強はほどほどにして、友達や家族とたくさん遊ばせたい」「親の知識がないので、まずは親が中学受験に対していろいろ調べなければならないので大変な気がする」
「向いている子と向いていない子がいるので自由にすれば良いと思うけれど、保護者の方が周りに影響されて自分の子どもに無理をさせている姿を見たことがあり考えさせられた」

一方で自由記述には高校受験にする理由も具体的に書かれています。

「みんなが一斉に受験するので、モチベーションが保ちやすい」
「みんなが通過する試練」
「自分が高校受験だったからそれが普通だと思う」

双方の自由記述からは「中学受験は大変」「高校受験が普通」という大雑把なイメージを親御さんが抱いているケースが多いことがうかがえます。それがブームと言われる中学受験が20%程度でとどまっている背景にあるとみられ、流行っているように見えても誰もが中学受験とはならないのです。

親御さんの価値観が「分かれ道」

アンケートでは「子どもがやりたいというのなら中学受験へ」という意見が多くありました。それは第一ですが、最終判断は「親御さんの受験に対する価値観」が中学受験か高校受験かの「分かれ道」になります。

経済的な問題は前提としてありますが、中学受験に価値を見出している親御さんは「借金をしてでも」という決意で臨む人が一定数います。「自分の楽しみを削ってでも」という覚悟を持っている親御さんも少なくありません。

高校受験でも、という親御さんは自身が高校受験をした結果、これといって「不利益」を被ったことがないという人がほとんどでしょう。その後に続く、大学受験でも就職でも差し当たって「困った」や「後悔」がなければ、わざわざ中学受験に視線は向きません。

どっちが「最適解」であるかは一概に言えません。ただ「周りがそうだから」という自主的な発想とは遠い判断を親御さんがする傾向にあると、子どもも「こうしたいから」という自分の意志なく「流される」人生になる傾向が強いです。

「周りがそうだから」で生きてこられた時代が過去のものとなりつつある今、受験1つにしても親子で「明確な意志」をもって前に進む必要があります


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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