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早慶合格数は開成1位も…進学者数との差に注意


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早大で2年ぶり 慶大は11年連続
5人中4人が早稲田を蹴っている
学校が「合格実績」を前に出す理由
・情報の出し方で「姿勢」が伺える

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早大で2年ぶり 慶大は11年連続

東大や国公立大の前期日程の高校別合格者数に続いて、早稲田や慶應義塾の合格者数も判明しました。

週刊誌「サンデー毎日」などによると、早大の合格者数のトップは開成で272人(現役165人、浪人107人)。2年ぶりに首位の座に返り咲きました。

慶大の合格者数も開成が1位で184人(現役118人、浪人66人)。こちらは11年連続トップの座をキープしました。

学部別にみると、早大では政経、法、社会科学、基礎理工、先進理工の4学部で開成出身者の合格が一番多く、慶大では経済と理工で1位となりました。

東大の合格者数も43年連続1位の開成ですが、東大受験に付随して受ける早慶両大学も合格者数トップなのは当然なのかもしれません。

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5人中4人が早稲田を蹴っている

ただ、この数字は合格の「のべ人数」であって、実際にその大学へ入学した数ではありません。例えば1人の生徒が3学部合格すれば、それは「3人」とカウントされるのが「合格者数」「合格実績」です。

高校側が「大学合格実績」として発表するのは、多くがこの「のべ人数の合格数」です。

この方式の発表は生徒1人1人がどの大学に実際進学したかを明らかにする「実進学実績」よりも数を大きく見せることができるので、知友額受験用の説明会やパンフレットに掲載するのに学校側にとっては「都合がいい」ものになります。

当の開成は自校のホームページで「合格者数」と「実進学者数」の両方を発表しています。24年度はまだ確定しいないため、発表は先になりますが、23年度までは数年間確認できます。

23年度でいえば、早大は現浪で192人合格(学校発表)していますが、実際に進学したのは37人(現役21人、浪人16人)でした。割合にすれば19%で、5人に4人は早稲田を「蹴っている」=「進学しない」という状況です。

慶応も合格者数は163人ですが、実際に進学した数は38人(現役24人、浪人14人)。割合としては23%でした。

学校が「合格実績」を前に出す理由

192人と37人、163人と38人ではイメージが大きく違います。開成の場合は東大合格者数が注目されるため、早慶の実進学者数を出すことに抵抗はありませんが、このタイプの中高一貫校は増えつつあるとはいえまだ少数派です。

大半の中高一貫校は1人でも多くの「合格実績」を示すことが、志願者数確保、学力のある子を集めるうえでの重要な「戦略」になります。

中学受験を考えている親御さんの関心の中で偏差値とともに大学合格実績の数字は、学校選択の要因の大きな柱になるからです。

実進学者数を示してくれた方が中学受験をする親御さんにとって、その学校の「素顔」がよくわかります。「誤解」をしなくて済みます。

しかし、それは学校の「すっぴん」をさらすことになり、メークをしていない顔を親御さんに見せるには勇気が必要です。なので実進学者数より「太い数字」になる「合格者実績」で大学受験を語る方が大多数の中高一貫校にとっては「都合がいい」のです。

情報の出し方で「姿勢」が伺える

この後「サンデー毎日」などで、全国高校別合格者数などが発表されます。

その時に「早稲田80人」とか「明治120人」とかの数字を目の当たりにすると思います。80人早稲田に合格したわけでもなければ、120人明治に進学することもありません。複数の生徒が1学部から人によっては3、4学部合格しての合計数だということを忘れずに、ということです。

「合格者実績」はあくまでも参考程度です。気になる学校が「実進学者数」を公表しているかどうかをホームページなどで確認します。

実進学者数を出しているところは、入学後も「?」ということが少ない傾向にあります

公表していない場合は学校説明会などで個別に尋ねます。この時に「調べていない」とか「個人情報なので」などと理由を付けて、口頭でさえ教えてくれない学校は進路指導の点で不安が残ります。

すべてとは言いませんが、かたくなに非公表の姿勢を貫く学校は、入学後の親御さんへの情報伝達も都合の悪いことは隠す傾向にあります

大学合格、進学のデータを巡る話でも学校の「姿勢」の一端がうかがえます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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