中学受験 偏差値&成績

中学受験 第1志望はサピ「アル1」!?


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塾のクラスアップが「売り」
目標は志望校合格?クラス昇格?
「昇格したなら落ちるな」が鉄則
・「マウント」する親子の精神状態

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塾のクラスアップが「売り」

個別指導塾や家庭教師には「塾のクラスが上がるための指導を」「マンスリー、組み分けテストで点が取れるように」などという依頼が後を絶たないといいます。

中には「●●中学合格」というのではなく、「サピックスのα(アルファ)クラスにどうしても入りたい」と懇願してくる親御さんもいます。

まるで第1志望がサピックスの最上位クラス「α1」(アルファワン、通称アルワン)であるかのように、真剣なまなざしで訴えてきます。

その「ニーズ」に応えるかのように、塾内でのクラス昇格を「売り」の一つしている「商売」も盛んです。

家庭教師を紹介する各事業者や個別指導塾では、志望校合格と同等かそれ以上に「塾のクラスアップ」を指導内容の前面に押し出しているところも数多く見られます。

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「元サピックスの講師が指導」「αのカリキュラムに精通した先生揃い」など、心強い文字がサイトに踊っていると、「どうしても」という親御さんは心を動かされます。

塾での立ち位置を重要視する、親御さんの心理を捉えたメニューは、どこでも盛況です。

目標は志望校合格?クラス昇格?

確かにサピックスの「アルワン」の合格実績は魅力的です。

男子なら筑波大附属駒場や開成、女子は慶應義塾中等部に桜蔭なとの最難関校に8割の確率で合格します。

その1つ下の「α2」(アルツー)や「α3」(アルスリー)でも最難関校に加え、渋谷教育学園幕張や同渋谷、麻布、聖光学院、女子学院、豊島岡女子学園など、人気の難関校へ次々とうかります。

この合格実績が目に入れば「サピックスのαクラスに入れば、ウチの子も…」と、親御さんが夢を描く気持ちもよく分かります。α入りが「難関校へのパスポート」に見えるのです。

中学受験は意識しないと、とても「近視眼的」になります。

6年生の冬に志望校合格という、ただ1点の目標に向かってひたすら走ればいいのですが、途中でかかわってくる「目の前」の偏差値、模試での合格判定、そして「所属クラス」がどうしても気になります

塾のクラスアップを過度に意識すると、いつの間にか「目の前」のことばかりに躍起になります。

次のテストに出るところに絞って勉強したり、算数の解答を丸暗記したり、理科社会は一問一答ばかりやって得点を少しでも稼ごうとしたり…。入試突破を目指す勉強が「塾内テスト対策」になってしまうのです。

テストに合わせて勉強すること自体、悪いことではありませんが、クラス昇格を意識した勉強は大抵「その場限り」。今後につながる勉強にならず、終わってからの振り返りも直しもせず、順位と偏差値、クラス分け基準の点数にしか目が行きません。

毎年各塾で「まさかの不合格」が出ますが、実はクラスは上位なのに…という子が一定数います。塾内でのクラスキープにこだわり、志望校対策や実戦演習、弱点補強が後手に回り、肝心の入試本番にまとまりのないまま突入、厳しい結果となります。

塾のクラス昇格は、志望校合格を目指す過程で「おまけ」のようなもの。クラスアップは「狙って」するものではありません。

「昇格したなら落ちるな」が鉄則

ただ、クラスアップは子どもの「モチベーション」を高める効果があるのも事実です。

受験勉強をしている以上、どんな誉め言葉や応援より、子どもの勉強姿勢が劇的に変わるのは「目に見える点数と偏差値のアップ」、それに「クラス昇格」です。

問題は昇格の仕方です。上がる以上は「二度と落ちない」レベルに達してから昇格するのが鉄則です。

クラスが昇格しても、そのクラスレベルに見合った実力がついていないと、またすぐに「陥落」です。これは昇格できない以上に子どもが凹みます。

奮起してまた再浮上すれば…というのは「大人の思考回路」。子どもには通用しません。

塾側から昇格を打診されても、親御さんは舞い上がらず、冷静に子どもの「実力」を分析します。ギリギリで上がるのは危険、昇格しても「真ん中」やや上くらいでできるかどうかを塾の先生とともに検討します。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」で、上のクラスの下位よりも、下のクラスのトップの方が意味があります

プロ野球の1軍と2軍を行ったり来たりの選手のように中途半端な「エレベーター受験生」では、じっくり腰を据えて勉強ができません。勉強の流れを断ち切ることになり、受験では「ロスタイム」になります。

「マウント」する親子の精神状態

幼稚な話ですが、偏差値、所属クラスによって「マウンティング」(自分の方が優位に立っているという主張)する親子は、どこの塾にも、どの地域にも存在します

偏差値によって、中学校の優劣を口にしたり、「偏差値50以下は行く価値がない」と言い放ち、差別の言動を繰り返す子どももいます。

その子が、というより親御さんがそういう価値観を子どもに植え付ける言動を普段からしているのでしょう。

そんな心ない言動に劣等感を抱き、子どもの成績について悩む親御さんも多いです。本当に困ったものですが、それは「あの人たちも余裕がないんだ」ぐらいに思って聞き流します

「マウントをとる」状態のときは、だいたい精神的にも、成績も不安定なことが多いです。

子どもが小学校で塾の話をして、自分より成績が下とみられる子に虚勢を張るのも、ママ友がいかに我が子ができて、上位クラスにいるのかを喧伝するのも、そうでもしないと「壊れてしまいそう」だからです。

正直、成績に、志望校の合格判定に、中学受験自体にかなりの不安を抱えているからです。

心のよりどころは「我が家はサピックスのαクラス」に所属しているプライド、という家庭も少なくありません。しかしその「視野の狭さ」は受験で道を誤る可能性を多分にはらんでいます

「開成合格じゃないと意味がない」「豊島岡より下の偏差値の学校はありえない」「最悪でも早慶付属」など、柔軟な志望校、受験校選びができず、リズムを崩すと2月3日までに、前受以外は事実上の「全滅」ということもよくあります。

最終的に塾のどのクラスに所属していたかは、受験結果にあまり関係ありません。塾の所属クラスを気にするより、日々の受験勉強がきちんと積み重なっているかを気にする方が大切。6年生冬の「総決算」は「どこにいたか」ではなく「何をやってきたか」が問われます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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