算数の勉強法

中学受験「算数できない」と嘆く前にやるべきこと


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毎日継続が難しい「基礎力養成」
親の責任で見守る「はじめの一歩」
正解の確率が格段に高くなるとき
・消しゴム使わず「痕跡」を残す

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毎日継続が難しい「基礎力養成」

大手進学塾へ入ると、家庭での課題学習として毎日取り組む計算と簡単な一行問題の冊子が配布されます。

サピックスなら「基礎力トレーニング」、日能研なら「計算と漢字」と呼ばれるものです。

中学受験はそれだけやっていれば何とかなるほど甘くありませんが、この「基礎トレ」をさぼらず、地道にやり続けることで、文字通り「基礎力」は着実に定着します

指定された日付に従い毎日コツコツやるのは意外と大変です。

短くてもいいから、毎日日記を書けるかといえば、できる人はそういないのと同じで、日々継続するのは算数が好きな子でも難儀なことです。

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それが積もりに積もると、時々ですらやらなくなります。

しかし、この毎日10分前後の積み重ねが、算数の「差」となって、受験校を選ぶ際に、そして受験当日に合否を分けます

算数は応用や難問ができたかどうかではなく、基本問題を確実に得点に結びつけることが合格点に達する「最短距離」になります。

親の責任で見守る「はじめの一歩」

恐らく多くの子どもが親御さんに「基礎力やったの?」「計算、やりなさい」と促されて取り組むことが日常茶飯事だと思います。

子どもは「地道な努力」が一番苦手ですから。

「面倒くせぇなぁ」となって、「やっつけ仕事」でさっと終わらせ、○×だけ付けて一丁上がり!という具合に進めていると、後々「大けが」につながります。

一部の「天才」を除いて、算数の偏差値の高い子は間違いなく、この毎日の課題をきっちりやっています

「算数ができない」「算数の成績が上がらない」と嘆く前に、日々の学習の中でこの「はじめの一歩」をきちんと踏み出しているかどうか。親御さんは責任をもって見守ることから算数の勉強は始まります

正解の確率が格段に高くなるとき

計算問題を解くには「スピード」が必要、と中学受験ではよく言われます。

しかし、4、5年生の段階で一番重視してほしいのは「正確さ」です。「早くて正確」が理想ですが、どちらが優先かと言えばまず「正確さ」です。

受験算数は確かにスピードとの勝負です。50分や60分の中で通常の小6レベルをはるかに超えた問題を解いて、7割前後の正解をするには、悠長に取り組んでいる暇はありません。

ただ、いくら早く問題を解いても、それが正確でなければ意味がありません。

スピード重視は与えられた問題に最後まで取り組めるかもしれませんが、「落とす」問題も相当数に上ります。「雑」になるからです。

「正確さ」を意識して問題にあたると、その過程でさまざまな「気づき」があります。

「計算の工夫ができる」ことが見抜けるようになるのがその典型です。計算で「楽をする」ことが分かってきます。

正確さを意識して取り組むことで計算段階での写し間違い、あるいは解答用紙への写し間違いなども劇的に減ります。正解する確率はさらに上がっていきます。

正確さが「当たり前」になってくると、自然とスピードはアップします。「質」を伴った「量」をこなすことで、正確に計算すること自体の能力が上がるからです

理想の「早くて正確な」計算ができるようになると、俗にいう「ケアレスミス」がほとんど見られなくなります

算数の成績はこうやって安定します。

消しゴム使わず「痕跡」を残す

基礎問題に取り組むうえで実践したいのが、間違えた「痕跡」を残すことです。

消しゴムで消してしまわず、自分で解いた「痕跡」を残すことは、どこで間違ったのか、どこで違う方向へ行ってしまったのかをしっかり確認するために重要です。

国語の記述などでも同じことが言えます。「誤答」「勘違い」「不足」などは大いに結構。これを放置せず、しっかり見つめ直すのが「勉強」です。

間違ったことを「なかったことにする」消しゴムは、家庭学習で極力使わない。これが成績アップ、志望校合格への「近道」です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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