中学受験 偏差値&成績

中学受験 「コスパ改善」3つのポイント


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・中学受験は「割に合わない」挑戦
先生への質問は受講料に含まれる
「教材の一点絞り」が一番確実
・ハードル高い「親のアシスト」

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中学受験は「割に合わない」挑戦

現代社会は「コスト・パフォーマンス」(費用対効果)と「タイム・パフォーマンス」(時間帯効果)を重要視する風潮です。

投入した費用に対して、得られる価値やメリットの度合いのことを指す「コスパ」ですが、中学受験はコスパがかなり悪い、つまり「割に合わない」挑戦といえます。

小学3年生の2月から大手進学塾に入り、受験勉強をスタートする標準的な生徒で、第1志望合格は25%程度、4人に1人です。

3年間で平均300万円前後かかる大金と1000日を超える膨大な時間を考えれば、それに見合った結果とは言い難いです。

それでも納得のいく中学受験をした家庭は、かけたお金を有効活用するための「努力と工夫」が随所に見られます

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中学受験でコスパを良くするには3つのポイントがあります。「塾の先生への質問」「教材の一点絞り」「親御さんのまめなアシスト」です。

先生への質問は受講料に含まれる

中学受験のコスパ改善の第一は「塾の先生への質問」です。

通塾したら先生に質問、は当たり前のように感じますが、多くの生徒が受講料に含まれる「特典」=「質問」を有効利用できていないのが現実です。

授業が終わると、中下位クラスの子は分からないことがあっても、気になることがあっても笑顔で教室からいそいそと出て行きます。

「勉強おしまい」モードに切り替わるからです。

授業が始まる前に早く来て質問することもありません。

開始1分前に駆け込んできて、終われば1分もしないうちに「さようなら」です。

人にもよりますが、成績上位の子、成績を徐々に上げてきた子は違います。塾の先生を質問で「使い倒す」ことをしています。

授業が終われば疑問点を尋ね、家庭学習でつまずけば授業前に、あるいは授業がない日で担当の先生がいる日に質問に来ます。

質問が「当たり前」になっている生徒とそうでない生徒、入塾時は成績の差がなくても3年間で「絶対に縮まらない差」が生まれます

質問は受講料に含まれています

それを自ら放棄しているとすれば、コスパはすこぶる悪いといえます。

子ども自身が積極的に質問に行けないなら、きっかけ作りとして親御さんが連絡を取って「橋渡し」をします。

成績が振るわない子にとって質問は「敷居が高い」です。

「分からないことがあるのは恥ずかしい、格好悪い」と思っています。そこを親御さんのアシストで、風穴を開けてあげます。

逆に質問が自由にできない塾は、成績が上位10%以下の子の場合は損をしているといえます。

先生との「やり取り」を繰り返すことで子どもの学力が伸びます。教養もつきます。

入試に出ること以外は知らなくても…と親御さんは思うかもしれませんが、この「寄り道」が記述や思考問題を解く際に役立つことがあります。

先生へ自由に質問できる環境は授業、テキスト以上に大事です。

「教材の一点絞り」が一番確実

コスパ改善の2番目は「教材の一点絞り」です。

大手進学塾の教材は程度の差、アプローチの仕方の違いはあっても、塾のテキストだけで最難関校に合格できる内容、レベルになっています。基本問題をきちっとマスターするだけでも中堅校に受かります。市販の参考書や問題集を使わなくても大丈夫です。

しかし、大半の生徒、親御さんが塾のテキスト、何度も行われるテストの類を有効利用できていません。

解答解説が十分でない、内容が難しい、説明が不十分…理由はさまざまですが、これはコスパ改善の第一歩である「質問」とセットで改善できると、成績は劇的に上がります。

塾のテキストの問題をやって手も足も出ないと、親御さんは家庭教師や個別塾、市販の参考書に頼る傾向にあります。

しかし、追加の「補正予算」を組んで成績不振からの脱出を図るのは、出費がかさむだけで十分な効果が得られない可能性の方が高いです。

家庭教師、個別とも中学受験に十分対応できる先生は実は希少で、「当たり」を引くことはなかなか難しいです。

それよりも塾の先生にお願いしてテキストの内容を丁寧に解説してもらうだけでなく、子どものレベルに合わせて取り組む課題の取捨選択をお願いしたり、家庭学習の進め方を指南してもらう方が有益です。

質問と同様、教材をテキストのみに絞って、塾を「使い倒す」のがコスパを良くします

ハードル高い「親のアシスト」

最後は「親御さんのまめなアシスト」です。

実はこれが一番ハードルが高いかもしれません。

勉強を教えるというよりは「テキスト、教材の管理」「子どもの学習状況把握」「学校説明会や塾の保護者会への積極的な出席」など、親としてアシストできることを確実にやっていくことが実は無駄なコストをかけないことにつながります

中でも「学習状況の把握」は、塾の先生に相談する際にも具体的で中身の濃い内容になり、子どもに有効なアドバイスができます。

これを把握していないと、どこをどうしたら…というのも分からないまま、追加のオプション口座に申し込んでしまったり、個別、家庭教師と、受験終盤に「追加」の嵐になります。

時期と子どもの状況によっては「大金をどぶに捨てる」ことになり、なにも良くならないまま入試当日を迎えます。

中学受験は「高い買い物」です。

塾に預けておけば、では思い描いた結果にならないことが大半です。

かけたお金に見合う結果を望むなら、塾の先生とテキストを有効活用し、親御さん自身も行動する必要があります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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