塾・家庭教師

中学受験 「転塾」を成功させる2、3のこと


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・塾選びは「運」の要素が大きい
・塾を変われば成績は上がるのか?
・転塾の鍵を握る「子どもの性格」
・早期入塾より「漫遊」のすすめ

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塾選びは「運」の要素が大きい

ここ数年、中学受験の勉強を「前倒し」する傾向が色濃くなっています。

4年生からの入塾が今でも「定番」であることには変わりないのですが、3年生からだったり、東京の臨海部など受験熱が高い地域は1年生から、というのも珍しくありません。

多くの親御さんが「合格実績」「知名度」を中心に塾を選んでいる傾向にあります。

しかし、この2つが兼ね備わっている塾でも我が子にとって「最適」かどうかは「入塾してみないと分からない」のが正直なところです。

同じテキスト、同じカリキュラムで授業を進めても「子どもと先生の相性」「テキスト、授業のレベル」によって、子どもの受験に対する姿勢、成績などは不思議なくらい大きく違います

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最難関中学を目指す進学塾に入っても授業のスピード、レベルについていけない子も少なくありません。逆に個人経営の塾で最難関校に合格する子も一定数存在します。

子どもにとって「合う塾」は「運」の要素がかなりのウエイトを占めるのが実際のところです。

合格実績や評判はいわば「他人様の結果や感想」です。同じ塾に入っても、我が子が同じように合格するかどうかは別問題です。

親御さんが複数の塾を比較して、校舎長の話も聞いて、体験授業に参加するなどすれば、合格実績や評判、バンフレットだけで決めるよりは「アタリ」の確率は高くなります。それでも「ハズレ」を引くことは多々あります。

親御さんが悪いわけでは決してなく、塾選びはどの家庭にとっても「ギャンブル」なのです。

塾を変われば成績は上がるのか?

最初に入塾したところで受験を完走できるのが理想です。

ですが、別の塾への「転塾」は割と多く約4割は「転塾経験者」です。

環境を変えること、相性の良くない先生と離れることは中学受験に限らず、どの受験でも心機一転、再スタートとして良い選択です。実際転塾によって伸びる例は結構あります。

ただ「転塾成功」には「明確な理由がある」という決定的な特徴があります

「競争の激しい塾でクラスのアップダウンを気にしながら勉強するより、自分が常に上位クラスに在籍でき、落ち着いて勉強ができる環境を選んだ」
「国語の記述をもっと鍛えたくて、記述中心の授業をやる塾に替わりたい」
「算数が苦手なので、スピードではなく、もう少しじっくり丁寧に取り組む塾に行きたい。質問がいつでもできる環境が最優先」

単に「成績が上がらない」「先生がなんか嫌」などの漠然とした理由ではなく、「こうしたいので転塾する」という具体的理由のあるこ転塾成功の肝になります。転塾した、ただそれだけで成績は上がりません。

漠然とした転塾は、また「成績が良くならないから」と再度転塾を考える流れになり、いつまでも落ち着かない「転塾マニア」になる可能性が高くなります。

転塾するとカリキュラムの順番が違っていたり、前の塾ではやっていないところが終わっていたりするなどということはよくあります

成績が振るわないうえに、転塾した先でも「不利」になると前の塾以上に勉強嫌いになり、転塾した意味がなくなります。

このあたりの「調整」は親御さんが転塾先の先生と話をします。

「時間を割いて個別に補習してくれるのか」「課題を出してもらい、家庭学習をしたものを先生がきっちりみてもらえるのか」などを確認して入塾手続きをします。

子ども自身がもう一度新たな気持ちで取り組む姿勢が一番大切ですが、親御さんも転塾先を決めるだけでなく「その後の詰め」が重要です。

中学受験は「塾任せ」では納得できる結果は得られません。

転塾の鍵を握る「子どもの性格」

ただ転塾は親御さんの判断だけで断行すると「思わぬ失敗」をすることもあります。

特に学年の途中からの転塾は、その塾の、クラスの雰囲気が出来上がったところに単身乗り込むわけですから「度胸」がいります。

10歳や11歳の子にとって「アウエー」の雰囲気は大人が思っている以上に気になるもので、なかなか勉強に専念するのは難しいです。

子どもが新しい環境に馴染みづらい性格だったり、人見知りが激しいなどの場合は「タイミングを見計らう」ことをした方が得策かもしれません。

できれば新学期からの方がスムーズに転塾できる可能性が高いです。

新学期はクラス替えなどもあり、程度の差こそあれ、どんな子でも「新たなスタート」という感覚になります。新しく入塾する子もその雰囲気で割とスムーズに入っていけます。

急を要する場合は別ですが、親御さんは子どもの性格、時期を吟味して転塾のカードを切るのが成功の確率を高くします

早期入塾より「漫遊」のすすめ

転塾は「非常手段」であって、できれば1つのところで「完投」が理想的です。

中学受験は「腰を据えて落ち着いた環境」で取り組むに越したことはありません。

その観点から知名度の高い塾、難関校の合格実績を出している塾だからと低学年の時期から「座席確保」という目的で早期入塾するより、規模の大小問わず、個別塾、教科専門塾などいろいろなタイプの塾を一定の時間をかけて「漫遊」するのも「あり」です。

夏や冬の季節講習、随時受け付けている体験入学などを利用し、さまざまな塾の「味見」をしてみると、「アタリ」の確率は高まります。

この時「子どもの直感」は結構「アタリ」だったりします。子

ども特有の嗅覚は、大人のさまざまな打算よりも「正直」です。

「早く入塾しないと4年生では席がない」「中学受験は先取りが勝負」などさまざまな言葉が飛び交う中学受験。

4年生になればクラスも増設されますし、先取りよりも徹底した復習が中学受験は勝負を決めます。

塾選びは地に足を付けて探した方が後悔しません

転塾も「成績が上がらないから」「面倒見がよくないから」と短絡的な理由で動くのではなく、「きちんとした理由があるから」動くという判断を下さないと、結局は一番厳しい状況に追い込まれるのは子ども自身です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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