過去問はこう使う

中学受験 合格へ近づく過去問演習の「実物」


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実物過去問のメリットは「情報」
「初めて」に子どもは動揺する
実物が入手できない時は…
・過去問集が威力を発揮する時

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実物過去問のメリットは「情報」

6年生の夏休みには志望校、受験校の「過去問演習」に取り組み始める子も出てきます。

その演習ですが、問題は「実物」を用意し、学校ごとに数年間の問題を集めた市販の過去問集(通称「赤本」)の解答解説を利用して進めていくと効果があります。 

過去問の「実物」というのは言うまでもなく、実際の入試で使用された問題冊子と解答用紙のことです。

入試説明会や学校見学会などで販売(4教科そろって1回分1000円程度が標準的)していたり、学校によっては「お土産」で1回分を入試要項や学校案内とともに配布してくれるところもあります。

文化祭の入試相談コーナーでもらえることもあれば、随時学校の事務所で販売していることもあります 。 

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数に限りがあるので、チャンスがあれば迷わず入手することをお勧めします。少し古いものや志望校以外でも練習に使いたい場合は、ネットオークションなどでも出品されていることも多いです。 

「実物」を用意、使用するメリットの第一は、冊子の大きさや仕様 など「体裁」を把握することができることです。

A4判なのか、B4サイズなのか、または1枚の紙に裏表で完結している特殊なサイズなのか、縦書きなのか横書きなのかはもちろん、冊子がホッチキス止めになっているのか、折ってあるだけでとじてはいないのかがはっきり分かります。

算数なら計算スペースはたっぷりあるのか(左ページに問題、右は白紙など)、社会の地図問題の大きさ、図表や写真はカラーなのかなどの「情報」も見ることができます。 

「実物」には出題中学の先生が作成した、丁寧な解答解説が付いている場合もあります。採点基準や出題の意図、正答率まで付いた優れものも中にはあって、受験勉強に役立つことこの上ありません。

 過去問集でも「ある程度」はつかめます。しかし、拡大コピーしないと正確な大きさが把握できず、実物より得られる情報は限定的になります。

入手できるのなら「実物」を用意し、取り組むのがベストです。

「初めて」に子どもは動揺する

過去問集はページ数の都合上、算数の問題の後に余白なしで社会、理科と問題が続きます。

コンパクトに「収納」して掲載していますから、計算スペースの広さや地図問題の大きさ、冊子の仕様も把握するのは難しいです。

実物冊子だと何ページにわたって問題が記載されているのかも一目瞭然です。

細かいことですが、実物の冊子を使って演習しておくと、入試本番でスムーズに解答に集中できる「流れ」を自然と出来上がります。

それまで取り組んできた「慣れ」がいつも通りの力を発揮することにつながります。

表紙から醸し出される雰囲気、注意書きなども入試当日に「初めて見る」ことで緊張してしまう子もいます。

冊子がホッチキス止めになっておらず、解いているうちにバラバラになってしまって「イライラ」することも少なくありません。

 過去問集をコピーして取り組んでいただけでは、入試本番で予想だにしなかった「つまずき」によって、ペースがつかめずに試験終了という「笑えない事態」にもなり得ます

大人から見れば「些細なこと」かもしれません。

しかし、子どもにとっては「初めて見る」「初めて知った」は、入試本番での「動揺」につながります

本番での「想定外」は、入試前に出来ることがあれば確実に「つぶしていく」のが、合格への道に通じます。

実物が入手できない時は…

「実物」が入手できない学校も残念ながらあります。

四谷大塚のホームページ内にある「過去問データーベース」は300校以上の 過去問が10年分以上分PDFでストックされています。会員登録すれば無料で閲覧、印刷もできます。

解答があったりなかったり、著作権の都合上、国語が未登録だったり、第2回以降の問題がなかったり、と正直「抜け」はかなりありますが、とても参考になります。

過去問集には収録されていない古い問題もあり、志望校の問題に数多く当たりたいときには大いに役立ちます。 

過去問集だけでなく、どんな感じで出題されるのかを確認しておくことは中学受験の必須事項です。

過去問集が威力を発揮する時

実物の入試問題は、学校側が作成した解答解説がなく、問題冊子と解答用紙のみ、という中学校も少なくありません。

この時に過去問集の解答解説が威力を発揮します。

公表されることが少ない各小問の配点も予想ながら記載されており、採点の際に助かります。

多くの問題について解説が付いており、自己採点ができる 過去問集、やはり志望校合格には「必須」です。 

ただ、解答も「絶対信頼がおける」ものでは必ずしもありません。取り組んでいて解答に疑問を感じたら、塾の先生に質問をして
引っかかっている点や解答そのものを確かめます。

「赤本」は「売れ行きが良いから」と増刷せずに、前年の売れ行きや志願者の動向をふまえて部数を決めて書店に並ぶそうです。

つまり、一度売り切れになったら、なかなか手に入らず、毎年秋ごろになると「 過去問集が買えない」という状態になる受験生も少なからずいます

「実物」同様、チャンスがあったら入手しておくほうが後悔はしません。

「実物」と「 過去問集」の併用による周囲より「一段上の過去問対策」は、合格へと大きく近づきます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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