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「白百合」が共学に!!伝統ある女子校の相次ぐ改革


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・盛岡白百合学園「変革」決断の理由
・女子校→共学化→校名変更の流れ
・共学化最大の理由は「生き残り」
・「ファーストペンギン」登場で…

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盛岡白百合学園「変革」決断の理由

1892年(明治25年)に創立、1月の地方中高一貫校による「首都圏入試」を行うことでも知られる岩手県盛岡市の「盛岡白百合学園」が今月13日付で、26年4月から「男女共学」へ移行することを決定した、と発表しました。

北は北海道・函館から南は熊本・八代まで計7つある「白百合学園」としてもちろん初の共学化です。

女子校の「代表格」のような存在の「変革」に、関係者も驚きを隠せないことでしょう。

学校側の発表によると共学化の前提として「戦後の教育改革による男女共学化の推進、男女共同参画社会意識の高まりなど、学園創立時とは異なる社会状況となった」と説明しています。

そのうえで白百合学園が「岩手県唯一のカトリック学校として、男子にも門戸を開放し、引き続き多くの方へ、カトリック人間教育の機会を提供するため」「盛岡における社会状況の変化(共学志向の増加、少子化による対象生徒数の減少)へ対応するため」「教育の質の維持向上に向けて規模を確保するため」と男女共学化に移行する決断を下した理由を挙げています。

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今のところ、男子をどれぐらい受け入れるのか、入試の変更はあるのかなど、詳細は分かりませんが、現在の小学5年生が受験する時には新制度での入試になります。

女子校→共学化→校名変更の流れ

東京の白百合学園や白百合女子大学にも「共学化の波」が押し寄せるのか、もしかしたら水面下で検討されているのか、今のところ想像の域を出ません。

しかし、名門女子校も時代の流れには逆らえない事情があることが学校側が説明した理由から見て取れます。

実際、ここ数年毎年のように「女子校→共学化→校名変更」の学校が続きます。

21年には村田女子学園が広尾学園小石川に、22年には星美学園がサレジアン国際に、23年には東京女子学園が芝国際にというのが記憶に新しいところです。

盛岡白百合学園と同様、26年度に女子校から共学化することを表明している私立女子中学校も複数あります。

東京女子学院(練馬区)は、創立90周年となる2025年春に「英明フロンティア」と校名を変更し、まず高校共学化、26年に中学を共学化します。

神奈川の鎌倉女子大中は「鎌倉国際文理」となり共学化します。25年度開学から26年にずれた羽田国際中学(大田区)も、蒲田女子高→羽田国際高の校名変更、共学化から派生したものです。

中には男子校から共学化というパターンもあります。すでに高校が19年共学している明法(東京都東村山市)は、25年度から共学化します。

「ジェンダー平等,多様性への配慮が求められる社会で,中学段階から男女がともに学ぶ教育環境を実現していく」という方針のもとでの共学化です。

24年度入試を最後に中学募集を停止した横浜中学は、高校では20年から女子を受け入れ、共学となっています。

横浜高校といえば、高校野球の世界で春夏合わせて全国優勝5回の強豪で、バンカラな男子のみの応援も甲子園の名物でしたが、今や華やかなチアガールも「主役」の一角を占めています。

神奈川の古くからの高校野球ファンの中にはその光景に「違和感」を覚えつつも、同時に「時代の変化」も感じざるを得ないようです。

共学化最大の理由は「生き残り」

女子校から、あるいは男子校からの共学化の最大の理由は「生き残り」です。

盛岡白百合学園もその理由として挙げている「少子化による対象生徒数の減少」「規模を確保」 について、私学はこちらが考えている以上に危機感を抱いています。

中学受験は志願者が増えた学校は翌年減り、そしてまた増えて、また減るを繰り返す「隔年現象」が典型的な動向でした。

もちろんその現象も健在ですが、最近は「人気の高止まり」で志願者数やや増が続いたり、微減ながらもこちらも続いたりという傾向も一部で見られます。

つまり、人気校はいつまでも人気で、そうでなくなると「凋落の一途」の可能性が出てくるということです。

女子校の良さ、男子校の良さはそれぞれたくさんあります。

異性の目を気にせず青春を謳歌できるという点では「別学の方が断然いい」という声も根強いのです。

とはいえ、世の中の潮流が「男女共学志向」にあるとするならば、これまでの学校文化の継承への相当な自信がない限り、
生徒確保のために、流れに逆行しては生き残れないという恐怖心が共学化とそれに合った校名変更に表れているのです。

「ファーストペンギン」登場で…

白百合学園の共学化は他の伝統ある、知名度の高い女子校に少なからず影響を与えることは必至です。

勇気をもって最初に海に飛び込む「ファーストペンギン」が登場した今、第2、第3の盛岡白百合が登場してもおかしくはありません

しばらくは安定水準で推移するとみられる中学受験者数ですが、少子化の影響で将来明らかに「定員割れ」の学校が目立つようになり、生き残れなくなる時代が来ます。

そうなってから動いても時すでに…です。今後も「あの学校が共学に」というニュースが次々と伝えられる可能性は高いと言えます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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