中学受験 偏差値&成績

中学受験 偏差値を「上げる」2つの意味


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偏差値の「低空飛行」は切ない
・高い偏差値と80%でいい流れに
・高偏差値は選択の可能性を広げる

偏差値は「上がった後」が分岐点

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偏差値の「低空飛行」は切ない

中学受験は「偏差値や塾のクラス昇降にこだわるべきではない」とよく言われます

塾のクラス分けを気にしすぎるあまり、個別塾や家庭教師をの力を借りて「組み分けテスト対策」をしたりするのは本末転倒です。

入試前にいくら偏差値が高くても、入試当日に受験校の入試問題に対応できなければ、全く意味がありません。

ただ、受験勉強を始めて1年、2年が経ち、6年生の夏休み前になっても偏差値が「低空飛行」だったり、志望校に対して偏差値的に見て「距離」があまりにもかけ離れている場合は、親子共々とても「切ない」です。

そういう思いを抱えながら勉強する子どもは、叱咤激励してもなかなか気持ちも偏差値も上がりません。

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親御さんも精神的にはつらく、中学受験からの「撤退」「志望校変更」をも考えてしまいます。

高い偏差値と80%でいい流れに

一方で「偏差値が高い」という「数字が出ている」状態だと、親子でモチベーションが上がるのは、受験なら間違いないことです。

模試での合格判定が80%と出れば「合格確定」とは言わないまでもゴールへの「見通し」が立ちます

目標とすべき「旗」(合格)が見えるのと、20%で「旗」が霧の中で見えないのとでは、勉強に向かう姿勢(前向きか、嫌々か)の差はどうしても出てしまいます。

「偏差値が高い」「合格可能性80%」は親御さんにも精神的「ゆとり」をもたらします

サポートするにしても他生の余裕が生まれ、過去問の用意(問題の入手、実寸サイズへのコピーなど)や1月の前受け校リサーチなどにも考えが及び、「次の一手」「そのまた先の一手」まで見通せ、受験に対して「いい流れ」ができます。

高偏差値は選択の可能性を広げる

偏差値を「上げる」ことの意味は2つあります。

1つは「選択の可能を広げる」ということです。

何も御三家や難関校に合格するために偏差値を上げるのではありません。

それぞれの特長がある数多くの私立中学の中から「一番行きたい」と思った中学を選んだ際に「学力の面で選択を諦める必要がない、障害が少ない」というのは「最強」です。

逆にどんなにその学校に行きたいと思っても、見合った学力(偏差値)がないというのは「悲しい現実」です。

「偏差値だけでは測れない。中学入試は最後まで伸びる」というのも事実です。

しかし、誰もが「奇跡の逆転合格」を演じられるわけではなく、その確率は限りなく低く(だから逆転合格した子がひと際クローズアップされる)、入試はほぼ持ち偏差値通りの結果になります。

進学したい学校に自信を持ってエントリーするためにも高い偏差値は強い武器になります

偏差値は「上がった後」が分岐点

もう1つ、偏差値を上げることの効用は、勉強の「潤滑油」「エネルギー源」になるということです。

偏差値が高い、あるいは上がった、となると、子どもは「自信」を得て「もっともっと」となる可能性が出てきます。

いわゆる勉強が「回り出す」という状態です。

知識をさらに得ることにどん欲になり、難しい問題も「何とかしよう、何とかできる」という根気が出始め、勉強の流れが良くなります。

偏差値は一度「上がった後」がとても大切です。

実は前述したように「もっともっと」とさらに頑張って、偏差値をキープ、あるすはさらに伸ばしていく子は3割程度です。

多くが成績の良くなったことに「やれやれ」とホッとしてしまい、せっかくいい流れができるきっかけをつかみながら、自ら断ち切ってしまい、勉強の手を緩める傾向にあります。

偏差値が「上がった後」は、今後の道を決める重要な「分岐点」になります。

「成績上がって良かったね」と同時に、親御さんは手綱を締めて「次も上げるよ」とノせます。

「チャンスはつかんだら離さない」。中学受験で納得のいく結果を出す1つの鉄則です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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