中学受験 偏差値&成績

中学受験 実感を持つのに必要な「小さな困った」


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勉強のエンジンがかからない理由
人任せからの脱却を図る
「これから」についての対話
・大切なのは「自分と向き合う」こと

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勉強のエンジンがかからない理由

自分がいま置かれている環境が「居心地がいい」と感じている子どもたちが、中学受験の勉強に身が入らないのは当然です。

目標のなさ、生きるエネルギーの弱さとともに「何もしなくてもこの生活がいつまでも続く」と心の底で思い、安心しているので勉強のエンジンをわざわざかける必要性を感じないからです。

いつか支えてくれる親御さんも周りの人もいなくなって、自分一人で歩いていかなければならなくなることが現状の風景から全く想像もつかないのです。

子どもには無理もないことです。

今のこの状態が「いつか変化する」ということが全く想像できなければ「このままでいい」となるのは至極当たり前のことです。

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人任せからの脱却を図る

何不自由のない環境が中学受験に良くない、と言っているのではありません。子どもが心配なく生活できるのは何より大切なことです。

ただその中でも、少しでも「自分のこれから」を考えるうえで子どもには「小さな困った」や「小さな困難克服」体験が必要といえます。

中学受験で言えば「通塾の準備はどんなことがあっても自分でする」「宿題は自力でやれるところまでやり、分からないところはできるところまでやって先生に必ず質問する」「どんなに忙しくても漢字と計算練習は毎日必ずやる」とかで構いません。

通塾する、勉強するにあたって「どんなことがあっても自分で必ずやること」の積み重ねによって「人任せからの脱却」を図ります

自分で通塾の用意をすれば忘れ物もします。宿題を自力でやるのも楽ではありません。漢字10個、計算10題、簡単なようで毎日やり続けるのは意外と大変です。

それでも自分で取り組むことで思考は「前向き」になります

自ら考えることを積み重ねることから「こうしてみたい」「こうなりたい」「これをやりたい」という目標の第一歩が芽生えてきます。

もし、成績が伸びず、子どもの前向きな姿勢が見当たらなければ、日常生活を客観的に見直してみる必要があるかもしれません。

「これから」についての対話

自分で行動する、考えることを進めるのと同時に子どもと向き合って、自分のこれからをどう考えているかを聞いてみるのも大切です。

中学受験をしてより自分を高めたいというより「現状維持」が一番、というような気持ちをぼんやり抱いている子が多いと思います。

「ぼんやり」を否定したり、非難すると、子どもは扉を閉めてしまいます。

一度のみ込んだうえで、1つ1つ「その気持ちでこれから進んだらどうなるだろう?」と一緒に考えてみます

これから年齢を重ねていくと、自分の周りも世の中も少しずつ変化していき、何年も経つと今とは違う風景になる、ということを分かってもらうように親御さんがゆっくり諭します。

1日で一気に、ではなく、親子で対話を重ねながら丁寧に少しずつです。5分、10分の会話で十分です。大切なのは毎日のように「これから」についてさりげない対話を続けることです。

大切なのは「自分と向き合う」こと

どう諭すか、どういう会話をしていくか、そこは親御さんそれぞれ。人生経験、普段思っていることによって「言葉」が人によって違ってくるでしょう。

大切なのは親御さんの働きかけによって、子ども本人に「自分自身と向き合わせる」ことです。

普段考えようとしない(避けている)自分の「今とこれから」を一度見つめてみるのは、中学受験をするうえで勉強のペースを落としてでも必要なことです。

先を見通すことをせずに「とにかく合格してさえしまえば」と考えているなら、中高一貫校進学は危険です。

テレビドラマや映画なら「合格物語」でハッピーエンドですが、実際には「合格、入学後がスタート」だからです。

入学後、何をしたいのか、どう進みたいのかが「なんとなく」でも見えてくれば、勉強する意味も見えてきます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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