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「青学逆転」 3つの理由
横浜英和は4人に3人が「権利取得」
「10年一貫教育」前提の中等部
・青学への「ルート」は至るところに

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「青学逆転」 3つの理由

私立大学のグループ「MARCH」の5大学のうち、同じミッション系の青山学院と立教が進路選択の際、近年逆転現象が起きており、それが中学受験にも影響している可能性があります。

大学進学、入試の現況を特集した、経済誌「週刊ダイヤモンド」の23年9月16日、23日号は青学人気について「何となく青学」というタイトルを付けて説明しています。

両方の大学に合格した場合、2018年は立教進学が61.4%、青学が38.6%だったのに対し、21年度を境に青学の方が逆転。23年度は立教48.6%に対し、青学51.4%でやや上回っています

同誌では青学人気の理由を「文系学部の郊外キャンパスから4年間青山キャンパスへの移転」「入試改革」「全国的なブランド力」の3つ挙げています

中でも「キャンパス移転」は青学進学を選択するうえで「決定打」になっていることがうかがえます。

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特に女子は4年間、「おしゃれな街」で大学生活を過ごせることには魅力を感じており、これが中学受験から「青学で」という志望動機にかなりの部分で関係していると考えられます。

横浜英和は4人に3人が「権利取得」

青山学院大学の系属校、横浜市の青山学院横浜英和は計3回行われた24年度入試で、各回とも軒並み志願者数を減らしました。

23年度入試が前年22年と比べて男女計285人の志願者増、実受験者数では同28%増という人気ぶりで、MARCH系の中高一貫校では一番志願者を増やしたその反動から志願者減となりました。

それでも女子の減少率は男子に比べて緩やかで、男子が約15%減なのに対し、女子は10%減でとどまりました。

青学系の中高一貫校は男子に比べ、女子の方が難易度が高く(中等部男子58、女子65、横浜英和男子53、女子56、いずれも四谷大塚Aライン偏差値)、女子の方が実質倍率も高いのが特徴です。

横浜英和がもともと女子校が前身という背景もありますが、偏差値が高くても女子の方に志願者が多いのは、青学のイメージ、ブランド力が中学受験の段階から親御さん、受験生本人に影響を与えて稲ことがうかがえます

横浜英和から青学への進学は24年度は約58%。卒業生238人中138人が青学に進学しています。

推薦資格合格者は175人と、青学に行くかどうかはともかく4人に3人が青学へのパスを得られていることになります。

25年度入試は「隔年現象」のパターンからすると志願者が増加する年になります。

ただ、志願者増は入試難易度アップにつながらないことがほとんど。ただ、ボーダーライン前後は「激戦」となるので「1点の重み」を意識しながらの勉強が明暗を分けることにつながります。

「10年一貫教育」前提の中等部

大学へ続く一貫校、青山学院中等部(東京都渋谷区)は横浜英和と同じく24年度入試で志願者が減りましたが、女子はわずか4%減(25人減)で、男子の9%と比べると「人気高止まり」傾向です。

25年度入試はこちらも隔年現象があるとみられ、志願者増の動きで推移していますが、激増とまではいかず例年通りの入試になりそうです。

大学と直接つながりのある中等部・高等部とあって、卒業生の85%以上が青学大へ進学します。

東大などにも合格する生徒はいるにはいますが、中学から入れば大学までの「10年一貫教育」が前提なので、学校側から何か受験対策をしてくれるわけではありません。

女子の場合、「逆風」の中を進んで「青学から出る」という選択肢はあまりなさそうで、青学にない医歯薬系を目指すケース以外は10年おしゃれなキャンパスで過ごすのが既定路線です。

中学入試では偏差値もさることながら、実質倍率が5倍以上となるのが近年の女子の入試です。男子が3倍前後、24年は2.9倍だったこと、1回しか入試機会がないことを考えると超が付く「激戦」です。

Aライン偏差値も高く、3日入試の慶應義塾中等部との併願組も多いです。

桜蔭、女子学院などを受ける御三家に受験に匹敵するハイレベルな競争になるのは必至です。

青学への「ルート」は至るところに

系属校になることが発表された直後に、志願者が殺到した青山学院大系属浦和ルーテル学院は一時期の「沸騰」状態からかなり落ち着きました

青学大への推薦が本格的にスタートするのは、系属校化が発表になった翌19年に同校の附属小学校入学した子が高校を卒業する2031年度から、ということが徐々に知れ渡ったのが「落ち着き」の最大要因です。

24年度入試は前年度比55%増(192人増)となりましたが、ここ2年は減少の一途をたどっていたのでその反動で、というのが実際のところでしょう。

青学大へは各学科1人ずつの推薦(計27人)枠がありますが、成績以上に「行きたい学科」があるかどうかが問題で枠は「満タン」になっていないのが現状。23年度の青学進学は15人(卒業生67人、22.4%)にとどまっています。

青山学院は一貫校、系属校以外のルートも実は多彩です。

かつて青山学院の「分校」として誕生した横須賀学院が35人、ミッション系の伝統校・捜真女学校(横浜市神奈川区)が21人、と青学へ大量の推薦枠を持っています

あまり知られていませんが、結構「穴場」です。偏差値だけから考えると、同じ神奈川県内の横浜英和よりかなり入りやすいレベルです。

中等部、横浜英和とも難度、競争率がちょっと…という場合で「どうしても青学」というのなら、一度学校見学、説明会参加は「あり」です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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