◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・まさかの「算数小僧」「国語女子」
・理社の「テコ入れ」でリスク軽減
・「いきなり第1志望」は高リスク
・合格可能性80%をさらに高める
模試で合格可能性80%、Aライン、合格確実圏を立て続けに出していても、入試本番で「まさか」の不合格はあります。
その1つとして受験校の「入試問題との相性」が挙げられますが、算数または国語が「かなりできる子」にも「まさか」は起こる可能性があります。
「算数がずば抜けてできて総合偏差値をつり上げている」、あるいは「国語が大の得意で明らかに総合偏差値をけん引している」場合、「それ頼み」で入試に臨むと足をすくわれることが起こりうるのです。
目論見通り算数、国語の出来が完璧なら、他の科目で後れを取っても4科目の合計点勝負なので合格できます。
しかし、年によって算数が「易しすぎる」「難しすぎる」場合は周囲と差がつかず、「算数小僧」にとってはアドバンテージがあまりないという場面に遭遇する可能性が出てきます。
国語が得意な「国語女子」にしても、大人向けに書かれている素材文がいつでも「読解」できるとは限りません。
特に自分の「フィーリング」で読んでいる子は、自分の世界にない物語文だったり、理解を超えた説明文だったりで思ったほど得点できず、他の受験生に差がつけられないことも時々起こる現象です。
「主力」となる算数、国語が強いというのは中学受験で「優位」に立てます。
しかし、「一強」というのは、それが機能しなくなった場合「バックアップ」するものがないと勝ち目が極端に少なくなります。
算数小僧にしても国語女子にしても、注意しないと「そればっかり」勉強する傾向にあります。
「そればっかり」の勉強で合格可能性80%をはじき出してきた「経験」もあるのでなおさらです。
「そればっかり」の勉強を見直し、理科と社会だけでもこの詰めの時期に「テコ入れ」するだけで「まさか」のリスクはかなり軽減できます。
配点こそ算数と国語の半分、あるいは6割程度であることが多いのですが、合格者平均点は7割くらい。ここを「詰めて」8、9割ほどに持って行けば、プラス10点、理社2科目で計20点くらい加算できます。
算数と国語で差がつかなかった場合の「保険」ですが、通常の難易度だとしても理社で高得点ができる受験生は「まさか」がほとんどありません。
4科のバランスが良い受験生が中学受験では「最強」です。
いくら合格可能性80%を続けてたたき出していたとしても「いきなり本命」の入試は「まさか」の不合格につながるリスクを高くします。
模試での好結果を受けて「前受けなし」プランで受験を進めようとする親御さんも一定数出てきます。
わざわざ遠距離の会場へ出向く手間、高額な受験料、貴重な入試までの1日を進学するつもりのない学校の受験に使う意味…そう考えての「前受け不要」という結論です。
しかし、中学入試の「開幕戦」は12歳の子どもにとって「いつも通り」に入っていくのは難しい話です。
本番の入試を経験するうちに「平常運転」になってきますが、子どもによって個人差があって「1科目の途中」だったり「4科目めでようやく」ということもあります。
それが「志望校入試」で、試験終盤にやっと調子が出てきた、では残念な結果になってしまうかもしれません。
中学受験に効率やコスパの考えを持ち込むと、後々悔いを残すことが多々あります。
「前受け」は志望校合格のための一里塚という認識で、布石を打っておくのが賢明です。
「前受け」を経験することで、本当の「開幕戦」=志望校入試で「いつも通り」のまま試験を受けられる可能性は格段に高くなります。
具体的には東京、神奈川が「本番」の場合は、1月の埼玉、千葉を、埼玉と千葉が本命なら1月上旬の首都圏会場入試を行う地方の私立を受験するという組み立てです。
できれば2,3校受けることができればベストです。
「1度の経験」は親御さんが思っている以上に、子どもにとって大きいものです。
サッカーでも野球でも国際試合の大きい大会に出場する際には「壮行試合」をしてから本番に臨みます。大切な試合に向けての「調整」をします。
中学受験も壮行試合に匹敵する「前受け」は、志望校合格への大切な「コンディションづくり」と位置付けます。
そこでさまざまな「初体験」をすることで、模試ではじき出した合格可能性80%は90%にも100%にもなっていきます。