算数の勉強法

5年生で「流れが決まる」受験算数 4年冬に点検


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4年冬の点検でリスク回避を
悲劇を招く解法暗記と読解力不足
差がつく「脳ミソに汗」の習慣
・受験成功の鍵「どうして」の徹底

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4年冬の点検でリスク回避を

中学受験を志す多くの子どもが勉強を始めて1年弱となる小4の冬。12月下旬から年末正月を挟んで冬期講習もあり、それが終わると2月からは新5年生。入試本番まで丸2年となります。

実はこの2カ月を使って、4年生の間にやってきたことを総点検して「積み残し」をなくしておくと、5年生からの学習で「つまずく」可能性はかなり低くなります

中学受験は5年生までの勉強で「流れがほぼ決まる」といっても過言ではありません

6年生での逆転劇も5年生の時に頑張った成果が、時間差で現れるということです。

6年生の夏休みから急に頑張っても、秋以降にエンジンがかかっても、追い上げられる範囲は限定されます。

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いわゆる「時間切れ」で入試突入という生徒がかなりの数に上ります。

中学受験はスタートの時点からコツコツ積み重ねる「先行逃げ切り」が王道です。

「逆転合格」は劇的ですが、ひっくり返せるかどうかは未知数。「健闘するも、残念ながら…」というケースが普通です。

悲劇を招く解法暗記と読解力不足

総点検は「苦手単元を洗い出す」ということも必要ですが算数の場合、「子どもの勉強の中心が解法暗記に走ってないか」と「問題文が何を問うているのかを理解しているか」の「取り組み方」2点に注目します。

例えば一行問題。意味も分からず「ここにこの数字を入れて、こっちの数字を掛け算する」というように、問題文の「読解」をせずに、解法の記憶をたどって答えを出していませんか。

例題や典型題は正解しても、別角度から問われたり、問題文の文言を変えられたりしてしまえば、おしまいです。

基礎と基礎の組み合わせでできる応用問題や問題文が長文化している問題ができないのは「問題文が何を問うているのかが読み取れない」からです。

問題文が「読解」できないと、問われ方が違うだけで解答へのプロセスは違わないのに「いつもと違う」「こんなの習ってない」と思考が停止してしまいます。

結局、手つかずになるか、適当に足したり引いたり掛けたり割ったりして、適当な答えを出すのがオチです。

「算数の成績が5年生の夏以降下がり続けて上がる気配がない」という相談を6年生になる前後でよく受けます。

答えは2つ。➀「解法暗記」という横着な勉強法から抜け出せていない②「問題文が何を問うているのか読み取れていない読解力のなさ」、ということです。

差がつく「脳ミソに汗」の習慣

しかし、これも無理からぬことで、4年生、5年の前半くらいまでは「解法暗記」である程度乗り切れてしまうのです。

点数、偏差値とも「悪くない」レベルはキープできます。

そうなると大半の子どもたちは「どうして」とか「答えまでの道筋」を深く考えるという「まわりくどい」ことへ関心が行きません。

しかし、「どうしてそうなるのか」を考えることこそ、算数の成績を5年生後半、6年生と維持、あるいはさらにレベルアップする「下地」になります

打てば響く、天才肌の「算数小僧」は別として、算数の成績の良い子は問題文が何を問うているのか考え、答えが出るためには何が必要なのか「脳ミソに汗をかく」ことを繰り返して、算数の勉強を進めます

塾の授業中でも、家庭学習でも「脳ミソに汗をかいているか、いないか」で算数だけでなく他の科目も成績は「段違い」になります。

子どもだけでは「脳ミソに汗をかく」勉強を意識するまで気が回りません。多くは親御さんの「声がけ」「伴走」があって意識するようになります

まだ反抗期が来る前の4年生の冬、親子で「思考する算数」に取り組むことは、5,6年生を迎えた時に、かなりのアドバンテージになります。

受験成功の鍵「どうして」の徹底

「暗記」してしまった方が良いものもあります。

12×12が144だとか、0.125が8分の1だとか、計算をするうえで有益なものは九九と同じように瞬時に出てくる方が入試では圧倒的に有利です。

そういう「コレクション」は、受験の武器になります。

理科や社会も覚えなければ始まらないものも数多くあります。一問一答形式の練習はそれをチェックできる学習ツールです。

得点を積み重ねるのには有効な勉強です。

しかし、理社で勝負が決まるのも「どうしてそうなるのか、そうなったのか」という理由や背景を考えて答える問題です。

国語の読解も「どうしてその選択肢が答えなのか」という根拠をもとに正解が導き出されます。

5年生の勉強が本格化する夏休み前までに「どうして」を徹底的に問う勉強スタイルを確立します

それを6年生の夏前まで1年かけて定着、習慣化させ、テストなどでアウトプットできるようにします。

これだけで中学受験は半ば「勝ち」です。

後は「詰め」を誤らないように、6年夏以降は丁寧に演習問題に取り組みます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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