中学受験 偏差値&成績

中学受験 残り10日、1カ月の「詰め」で決まる


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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「もうない」より「まだある」は強い
・寝る間を惜しむより休息と睡眠

・できないの克服よりできるの確認
・新作問題よりテキストの徹底復習

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「もうない」より「まだある」は強い

2024年の大みそか。埼玉入試が「初戦」の受験生はあと10日、2月が「開幕戦」の子も30日程度のところまで来ました。

「あれも終わっていない、これもやらなきゃいけない」と、「心配材料」が気にかかり、どうしても不安が増大しがちです。

焦りを感じながらも一方で「ゆとり」を持つことが、受験で「勝てる確率」を格段に高くします

「自分はやれる」「あわてるな。時間は十分ある」「俺が、私ができない問題はみんなもできない。気にするな」くらいのゆとりが入試では一番力を発揮できる精神状態です。

もちろん入試は精神論だけでどうにかなるものではありませんが、持っている学力が同等か少し劣るくらいだったら、合格するのは「ゆとり」を持って試験に臨める子です。

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入試まであと10日、1カ月を「もう10日しかない」「もう1カ月しかない」と思うか「まだ10日ある」「まだ1カ月」ととらえるか、言葉以上に学習、入試で結果を左右します

10日あればやや苦手、ちょっと不安なものを相当数「いける」に変えられます。

1カ月あれば、これに加えて「確実にできる」の確認も、ミスしやすいところのチェックもできます。

極端な話「まだ1日ある」だし、入試でも「また5分ある」です

集中した12歳の子の「チカラ」は親御さんの想像をはるかに上回ります。

親御さんが不安な気持ちを抱えていると、子どもは敏感に察します。

辛い精神状態ですが「まだある」という気持ちを忘れずに、最後まで我が子に伴走します。

寝る間を惜しむより休息と睡眠

入試直前は「もう少し、あと少し」とばかり、勉強量、勉強時間が長くなりがちです。

子どもの方も「どうしてその粘りを前から出せない?」とばかり、人が変わったように頑張ります。

ただ、1日や2日無理はきいても、ハイペース、オーバーペースは長続きしません。

結局は貴重な残り10日、1カ月の日々で、逆にペースを崩してしまい、消化不良のまま不安いっぱいで入試本番となってしまいます。

これまで「長時間集中」の勉強がうまくいかなかった子は、勉強日程を組む際に「満タン」のスケジュールを組むと必ずと言っていいほど破綻します。

日程で真っ先に組み込むべきは「休み時間」と「寝る時間」です。

その合間に「何の勉強をやるか」くらいの「ユルいスタンス」の方が効果的です。

「休み時間」は1回10分程度でこまめに。「15分1本勝負(15分で大問1つを解き切る)」など短時間集中でテーマを決めた勉強をゲーム感覚で繰り返します。

「ちょっと忙しい」くらいの「短距離走」の方が、集中力の乏しい子、苦手科目克服には向いています。

短い時間なので取り組みやすく、ノッてくる子も多いです。

睡眠時間は最低でも7時間。寝ないと頭が働かないという子は、その子の「適量」は必ず確保します。

「入試は午前中、朝早くから始まる」と朝勉強や早く起きることに頑張る親御さんもいますが、朝が弱いのなら無理やりやるのは逆効果です。

入試当日は緊張感で頭は働きます。

子どもの「ペースを乱す」ことはNGです。

できないの克服よりできるの確認

「それでは勉強量が不安」という親御さんもいると思いますが、「追い込み」学習は
➀できること、得意なことを「確実に得点にする」ための最終確認
②ミスすると「取り返しがつかない(得点にならない)」ところの最終確認
③「やや苦手、ちょっと不安なもの」をクリアにし得点につなげる

この3つに絞って進めるだけで合格は勝ち取れます。。

残りわずかになると「できないの克服」に比重を置きがちです。

「お手上げ」の問題、「さっぱり」の単元は残念ながらもう「タイムオーバー」です。

それよりも1点でも多く入試でとるためには「確実に得点できるもの」を抜かりなく確認し、個々でカスタマイズしたミスしがちなところを「つぶす」ことを最優先にします。

これにやや苦手、ちょっと不安なものを「できる(自力で解答用紙にアウトプットできる)」状態にしておくことが入試本番で現状より得点を積み重ねられる近道です。

入試当日も「できなかった問題をまとめたノート」を持ち込んで試験前に見る子もいるようですが、苦い思い出がよぎったり、不安になる可能性が高くなります。

それより「満点の小テスト」「合格可能性80%が出た模試結果と解答用紙」「合格点を上回った過去問の解答用紙」を持ち込んで見た方が気持ちは上がります。

入試直前は「できないこと」を心配するより「できること」を数え上げた方が雰囲気は格段に良くなります

それが「朗報」を呼び込みます。

新作問題よりテキストの徹底復習

御三家や難関校を中心に、直前は学校名の付いた「冠講座」も熱を帯びます。

講座によっては頻出問題の類題演習や合格に必須の基礎力確認より、新作問題で「的中」を狙って生徒に解かせる塾もあります。

過去問も「最新の1年は残して直前にやるという方針を示している塾もありますが、たまたま「残っていれば」やるだけで、わざわざ残す必要はありません。

それより6年の夏期講習以降に扱った塾のテキストの復習に徹します。

きちんと理解していない単元に関しては、4、5年生のテキストを引っ張り出してきて確認します。

先を急ぐあまり「あいまい」や「実は分かっていない」ことを放っておくと、入試本場で「致命傷」を負うリスクを高めます

「細部を詰める」ことは遠回り、面倒に感じますが、実は合格の可能性をグッと引き寄せます。

多くの受験生が「あいまい」を放置するからです。

1つの「あいまい」をクリアすることで、他の「あいまい」や「実は分かっていない」問題にも電流が通るように「あっ、分かった」となるケースがあります。

中学受験は最後の10日、1カ月の「詰め」で、3年間かけた「プロジェクト」の成否が決まります


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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