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中学受験 1月は小学校を「休む?休まない?」


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「正解」は各家庭の方針で違う
休んで「家庭学習」は有効か?
最高の志望校対策は「入試実戦」
・小学校欠席は「危険回避」が目的

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「正解」は各家庭の方針で違う

中学受験に挑戦する家庭にとって、どうするのか判断に迷うのが入試が終わるまで「小学校への出欠をどうするか」という問題です。

結論から言うと、小学校へ通うか、欠席するかの答えの「正解」はありません。各家庭の価値観に委ねられます。

「休む」も「休まない」も家庭の方針をそのまま通すのが「正解」です。

もしかしたら「周囲はどう考えているか」ということは、気になるかもしれません。

習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」が22年12月に行った、全国500人の「中学受験について」のアンケートによると、「中学受験のために学校を欠席すること」に「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせると41%、「反対」「どちらかといえば反対」は38%と大差はありませんでした。

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アンケートは「中学受験をしなかった」という割合が約3分の2いるため、僅差になった可能性もあります。

受験情報サイト「インターエデュ」が行った、中学受験対象者の「中学受験で学校を休む・休まない、後悔をしない判断とは?」というアンケートでは「休む」か「休まない」かの二択では「休む」が71.2%と圧倒的でした。

当然ですが「立場」によって、考え方は全く違います

「小学生なんだから小学校へ行くのが当たり前。受験するからって、何様だと思ってるの?」口には出さずとも、受験をしない親御さんの「ホンネ」は、そういうものかもしれません。

正論です。反論のしようがありません。

ここまで膨大な費用と長い時間をかけてきた、受験生を持つ家庭にとっては「勝負の1カ月」です。

受験をしない家庭との意見の相違はどこまで行っても平行線です。

「外野」の声は気にせずに、家庭の方針を貫くことが第一です。

休んで「家庭学習」は有効か?

ただ「小学校を休む意味」は考える必要があるかもしれません。

「インターエデュ」 のアンケートでは、休む「期間」についても尋ねています。

それによると「1週間」が31.0%、「2、3日」が27.6%で主流。「約1カ月(入試が終わるまで)」も17.7%で3番目でした。

約1カ月と答えた人は、通塾はしながら、最後は家庭学習追い込むという方針をとるケースが多いようです。

親御さんが付きっ切りの場合もあれば、塾の自習室に午前中から入り浸るケースも見られ、冬休みから約40日限定で家庭教師を起用することもあります。

終わらない過去問、完璧でない算数、理社の知識の穴をふさぎたい…。約1カ月休むとした親御さんの「最後の追い込みをしたい」という切実な思いはよくわかります。

「最後の追い込み」は使える時間も大切ですが、それまで「どれだけ仕上がっているか」で実りが決まってきます

「足りない」「追いつかない」とばかりインプット中心の勉強をしても、きちんと「消化」して、いつでもどこでも「正解」としてアウトプットできなければ意味がありません。

入試で「使えない」からです。

十分消化して「使える」ようになるには十分な演習量と経験が必要です。

約1カ月でそれがどこまでできるか…。「ある程度仕上がっている子」は「最後の詰め」で事足りますが、「あれもこれも」の受験生だと、親御さんが思っている以上に消化できないものです。

「消化不良」のまま入試本番に臨むのは最悪の展開になります。

最高の志望校対策は「入試実戦」

家庭学習で追い込みをするより、手を付けていない過去問演習に取り組むより、有効な受験対策があります。

1月に行われる埼玉や千葉の学校を実際に受験する方がはるかに有効な志望校対策になります。

1月の長期休みを考えているのなら「前受け」やや多めのスケジュールを組むのも「あり」です。

家庭学習で過去問を解いていても入試独特の緊張感には程遠いものです。

限られた時間内、いつもと違う空間で頭をフル回転させ、自分の持っている力で目の前の問題に立ち向かうことで「何ができて、何が足りないのか」を子どもながらにも必ず感じます。

「衝撃」を受けた経験は、12歳の子どもにとってかなり強いインパクトになります。

よく「前受けの後に子どもの目の色が変わった」という話を耳にしますが、そうなると入試問題を通じての復習もかなり有効な実りになります

「第1志望の傾向とは違うので対策にならない」という反論もあるかもしれません。

傾向を知っていたところで、過去問と同じ問題はまず出ません。

大切なのは与えられた問題に、どう対応すれば正解を導けるかという思考回路の何度も点検し、ベストの状態で志望校入試を迎えることです。

スポーツも受験も「実戦に勝る練習なし」です。

小学校欠席は「危険回避」が目的

「小学校へ行っても受験組が多く、いつもその話題ばかりで気持ちが滅入る」「受験しない子たちにからかわれたり、嫌がらせをされる」など、メンタル面が心配というなら、小学校は休んだ方が良いでしょう。

また、コロナやインフルエンザの感染予防、学校での不慮の事故(利き腕骨折など)という観点から、2月の入試数日前から1週間くらい休むのも妥当です。

小学校を休むのはあくまでもメンタル面、健康面に配慮した「リスクヘッジ」(危険回避)が目的なら、中学受験を成功させるうえで必要な「作戦」といえます。

メンタル、健康維持で休んだ場合、何もしないというわけにはいかないので、欠席している間の家庭学習は復習を中心に最後のチェックができる「副産物」くらいに考えます。

もちろん実際に受験するのもOK。合格を勝ち取れば、2月の入試に弾みがつき、メンタルコンディションも良くなり、持ち偏差値以上に合格の可能性は高くなります。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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