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中学受験 「想定外」が起こる1月入試


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「場の空気にのまれる」と想定外に
同じ「想定外」でも感じ方は違う
リラックスしすぎも「危険」
・動揺を最小限にとどめるには…

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「場の空気にのまれる」と想定外に

偏差値や合格判定に関係なく、「想定外」がおこるのが中学受験です。

受験生が初めて「想定外」に遭遇するのが「最初の入試」。具体的にはの1月の埼玉、千葉入試「前受け」です。

特に埼玉の栄東、千葉の市川の受験者数が多く、会場も広い場所を使う「大規模入試」を経験した子は雰囲気が「想像を超えていた」と振り返ることが多いです。

入試を経験した子の話を集めると「試験会場に向かう人数がすごく多くて、数に圧倒された」「試験会場に入ったら、みんな自分よりできそうでビビッてしまった」「試験が始まったら頭の中が真っ白になってしまった」という声が聞こえてきます。

「場の空気にのまれる」という状態を相当数の子どもが経験するのが中学入試です。

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入試開始前に多少不安になる程度なら大丈夫。誰もがそういう状態ですから。

しかし「極端に」なると、気持ちの立て直しは難しく、リズムに乗れないまま入試が終わることも少なくありません。

同じ「想定外」でも感じ方は違う

「始めてください」という試験開始を告げる教職員の声とともに、問題冊子が一斉にめくられる「バサバサバサッ」という音に気後れし、頭が真っ白になった

落ち着くまでに数分かかってしまい、結局ペースをつかめないまま1科目の国語が終了。

得意科目で出遅れたことがショックで、動揺は収まらず、続く算数も解きにくい問題にハマってしまい、理科と社会についてはよく覚えていない…。

1月20日、幕張メッセでの市川中学第1回入試で不合格になった女の子の苦い経験です。

この子の持ち偏差値は四谷大塚で「70」。市川の合格可能性80%で、桜蔭第1志望の「前受け」でした。

大ホールで1000人もの受験生が一斉に問題冊子をめくる音に圧倒されてしまったのです。

一方で別の男子は「バサバサバサッ」に「いよいよ始まった!盛り上がってきたぞ!」と「想定外」にテンションが上がったといいます。

想定外の感じ方も受験生それぞれです。

「前受けとして偏差値がちょうど良いから」「みんなが受けるから」「難関校に合格したいから」という安易な理由は落とし穴に落ちることもあります。

子どものタイプや試験の時にどういうコンディションになりやすいかなどを、親御さんが前もって見極めておくのは入試の「入口」では必要です。

受験者数がそれほど多くない学校を選択したり、実力的にみてかなり余裕がある学校(持ち偏差値マイナス10以上)から入試のドアをたたくというのも作戦の1つです。

リラックスしすぎも「危険」

逆に「お試しだから…」という雰囲気で「リラックスしすぎ」なのも危険です。

忘れてはならないのが、埼玉入試でも千葉入試でも「第1志望校の受験生」がいるということです

東京、神奈川の受験生にとっては「前受け」かもしれませんが、第1、第2志望の子にとっては「天王山」です。

この学校に合格するために頑張ってきたのですから、その気持ちの強さは並大抵ではありません。

「試し受験」などといってあまりにも楽観的に入試に臨むと痛い目に遭います。

「入口」で足をすくわれると、修正は思っている以上に大変です。

不合格の「ドミノ倒し」になる可能性もあります。

必要以上にプレッシャーをかけるのはよくありませんが、親御さんは「試し」という言葉を使わず、真剣に合格を取りに来る受験生がたくさんいるということを入試前に必ず伝えます

「入口」で全力を出し切れれば、続く入試でも子どもは全力でぶつかります。

きっちり「合格を取りに行く」という姿勢を子どもに自覚してもらうために、「前受け」であっても受験校の過去問は最低でも2回分はやる方が気持ちを入れて入試に臨むことにつながります。

動揺を最小限にとどめるには…

関東以外の学校が実施する、首都圏会場入試を皮切りに、埼玉、千葉入試と布石を打ち、2月1日へという「フルコース」プランを組む親御さんもいます。

「最終盤の実力アップには実戦が最高の場」と2月1日までに3~5校受験、まさに「満を持して」の第1志望合格プランです。

入試の雰囲気に「場慣れ」し、入試での気づきが何よりの「合格力養成」につながるからです。

勝負強く一発で志望校を仕留めた子もいます。

逆に思惑通りにいかず、結局想定していなかった学校を受験せざるを得なくなったケースもあります。

受験プランは本当に各家庭それぞれです。

ただ、どんなプランを組んでも「想定外」は必ずどこかで「起こる」ものとしてシミュレーションしておくことが、まさかの時の動揺を最小限にとどめます

親御さんまで落ち着かないと、子どもはなかなか平常心で入試に臨めません。

「想定外」が起きても親御さんはどっしり構えたままでいてください。

内心はそれどころじゃないかもしれませんが、子どもの前では演じます。

その姿が子どもに安心感を与え、「まだいける」という気持ちにさせます


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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