中学受験 偏差値&成績

25年度中学受験 埼玉入試直前の出願動向


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・「開智」系 出願者倍増の背景
絞る!?開智所沢の合格者数
実は開智より「多い」栄東
・淑徳与野「医進コース」絶好調!

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「開智」系 出願者倍増の背景

中学受験の埼玉入試解禁日です。

いきなり第1志望にしても、前受けにしても現時点でのベストが出せるようお祈りしています。

合否はもとより、気になるのが受験校の出願動向です。

入試当日ギリギリまで受け付けている学校もあり、正確なものではありませんが「ほぼ正確」くらいの数字は揃っています。

新聞、ネットニュースにも掲載されていましたが、「開智」系の出願者数が大幅増になっています。

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8日現在、開智が1月にある5回の入試機会全体でのべ1万4392人の出願者を集め、前年比88%増(6222人増)

開智所沢は同1万5281人で、2倍以上増(7762人増、9日現在)です。

朝日新聞の記事によると、開智所沢では志願者増加の背景として➀初年度入試だった昨年は受験生に学校を認知してもらうのが遅かった②都内からのアクセスも良く埼玉以外の受験生が増えた③埼玉県西部に同じ偏差値態の共学私立中学がなく、新たな受験者を掘り起こした可能性、を指摘しています。

その3つの要因も確かにありますが、最大の要因はただ1つです。

受験料2万円で開智、開智所沢共通の入試問建を使い「両校合格判定」され、1回受験でも5回受験でも追加の受験料なしという「しくみ」が出願者激増の最大の要因です。

絞る!?開智所沢の合格者数

読売新聞の記事では開智所沢の出願者数を栄東を抜き「日本一」としています。

確かに数字の上では日本一ですが、1人が5回の入試ともエントリーすれば5人とカウントされます。

どうせ1回でも5回でもかかる金額が変わらないなら、エントリーしておくか、となるのが受験生側の心理です。

開智という中学受験での「ブランド」と出願しやすい「システム」がのべ約3万人の出願を実現させました

締切日までまだ余裕のある入試回もあります。さらに出願者は増えるものとみられます。

ただ、合格者数は昨年より「絞られる」入試になるでしょう

開智所沢は昨年、募集定員の240人を大きく上回る390人が入学しました。

募集定員より1,2割多い程度はそれほど問題ではありませんが、それ以上になると対外的にも内部では教員不足などさまざまな「問題」が起きます。

開智所沢は25年度の募集定員を300人と前年より2割増やしました。

それでも昨年の入学者数より少ない数です。

前受けの要素が色濃い入試ですが、あまり合格を「サービス」すると、2年連続で定員をかなりオーバーすることにつながります。

1回目の入試は前年の男子1.3倍、女子1.4倍よりやや厳しめ、倍率1.5倍超くらいかもしれませんが、2回目以降はギュッと締める可能性は十分考えられます

もしかしたら、1回目から絞ってくるかもしれません。

中学入試の鉄則「第1回入試必勝」です。

実は開智より「多い」栄東

開智系ばかりクローズアップされがちの埼玉入試ですが、人気校の動向はどうでしょうか。

栄美は別々の問題で2日間に分けて行っていたA日程入試を、25年は10日に「東大クラス」、11日に「難関大クラス」と別のコースに分けてA日程入試としました。

7日に締め切り「東大クラス」は男子3581人、女子1598人の計5179人が出願、「難関大クラス」は男子2447人、女子1445人の計3892人でした。

開智系の勢いが注目されますが、10日の解禁日午前入試で見ると、開智の出願者がが男女計4016人、開智所沢が40101人なので、実は栄東の方が「開幕戦」でより多く志願者を集めていることが分かります。

ただ、東大クラスの出願者が多い半面、12日の「東大特待」は前年比で約18%減(244人減)の男女計1091人でした。

最大で3年間の学費と入学金が免除になる「特待」の偏差値は男子「66」女子「69」(いずれも四谷大塚合不合判定Aライン)に対し、基本的に特待がない「東大クラス」は同偏差値で男子「61」女子「64」です。

前受けなら、無理をせずにという各受験生の「戦略」があっての両日程の数字という感じがします。

大宮開成は10日の第1回入試の出願者が確定し、男女合計で前年比約13%減(299人減)の2060人。昨年の実質倍率は1.9倍で、今年も例年通りの入試になるとみられます。

近年人気の浦和実業学園は締め切り直前の「駆け込み出願」もあり、10日午前「特待入試」が前年比7%増(36人増)の520人、同午後が4%増(18人増)の493人と若干プラスに入試に。実質倍率は昨年同様、1.5倍前後で落ち着きそうです。

ブラジル人のマルケス校長の下、学校、入試改革を大胆に書進める西武文理学園は10日午前の第1回入試で、前年度22%減(177人減)の614人にとどまりました。

進学実績が上昇傾向の埼玉栄ですが、昨年末の高校での不祥事が影響したのか、10日午前の第1回、同午後の第2回とも志願者減。特に男子は1回目で前年比14%減(135人減)の862人、2回目18%減(186人減)の855人とやや精彩を欠きました。

青山学院大学の系属校、浦和ルーテルは前年比3%減(10人減)の370人が出願。昨年の倍率男子2.8倍、女子1.8倍とほぼ変わらない入試になりそうです。

栄東中学・高校

淑徳与野「医進コース」絶好調!

最後に女子校です。

昨年「医進コース」を立ち上げた淑徳与野は同コースが絶好調。前年比30%増(160人増)の685人が出願しました。

10日午後に入試を前倒しし、栄東などとの「ダブルヘッダー」が可能になり、受験しやすくなったことも一因ですが、「理系推し」の動向の姿勢が人気の根底にあります。

医進コースの人気ぶりに引っ張られるように13日の 第1回入試も前年比19%増(335人増)の2128人と、初の2000人台となりました。

医進コースは合格者の歩留まりも良好で、実質倍率は昨年の2.4倍から3倍前後にアップしそうな気配。1回目の入試も例年1倍台後半でしたが、2倍前後になってもおかしくありません。

都内の難関校との併願が多い浦和明の星女子は前年比3%減(61人減)の1919人が出願。微減程度で大勢に影響はなく、昨年同様1.8倍程度に入試になるとみられます。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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