中学受験 偏差値&成績

中学受験 「全滅」リスクを高める3パターン


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「全滅」回避の3つのベース
「熱望校一本やり」のリスク
様相が一変する「後回し」受験
・入試は「得意な展開」に持ち込む

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「全滅」回避の3つのベース

中学受験で第1志望に合格する割合は25~30%程度といわれます。

7割の子が「一番行きたい学校」に入れないまま終わります。厳しい戦いです。

それでも受験校全てにフラれる「全滅」「玉砕」は避けることができます。

ポイントはただ1点「勝てる受験プランを親御さんが組む」ことです。

受験日程のプランの考え方はそれぞれの家庭で違います。

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しかし、最大の焦点である「合格するか、しないか」という視点だけで見れば、子どもの「持ち偏差値」「受験校の出題傾向」「受験校をどういう順番で配置するか」の3つをベースに受験プランを考えます

このプランを間違えると、「勝てる受験」が「惨敗」に、「短期勝ち逃げ」が「長期泥沼化」の冬になります。

中学受験は親御さんの「願望をかなえる」受験ではありません。

12歳の我が子の「未来の扉の1枚目を開ける」挑戦です。

冷静に受験生をアシストします。

「熱望校一本やり」のリスク

「玉砕」リスクを高める典型的な受験パターンは3つあります。

その1つが「熱望校一本やりの受験」です。

多くの学校が午前、午後入試や日にちを替えるなど「複数回入試」を導入しています。

1人の受験生が同じ学校の入試を2回、3回と重ねて受けると「点数加算」という特典を用意している学校も珍しくありません。

この「ボーナスポイント」、3点や5点くらいまでが相場です。

つまり「本校を熱望も少し点数が足りない」子への学校からの「感謝の気持ち」です。

肝は「少し」であって、合格点から遠い位置ならば残念ながら…です。

熱望校合格基準までの「距離感」を親御さんも受験生本人もつかめないまま、何度も受けては不合格を続け、気が付けば他校の入試も終わって行くところがない=全滅となります。

学校によって違いますが、1回目不合格で同じ学校に再度トライして合格する確率はだいたい2割程度というのが毎年の肌感覚です。

「3度目で合格した」「最後まで貫き通して合格」という体験記は毎年目立ちます。

それは「珍しい」から目立つのであって、頻発する現象ではありません。

同様に合格可能性が20~40%程度の持ち偏差値よりやや上の偏差値の学校ばかりを並べて受験するのも「相次ぐ討死」になりがちです。

「この偏差値までの学校でないと」というラインを引いている親御さんは結構います。

3年もの間、大金を投入して「そんなレベルの学校」には行かせられないという思考回路です。

この「無理ゲー」パターンでも毎年合格してしまう子もいます。

いますが、正直なところ「たまたま合格」です。受験プランとしては「ギャンブル」です。

リスキーな受験こそ、長年投資してきた大金を無駄にする可能性を高くします

様相が一変する「後回し」受験

「持ち偏差値に余裕のある学校後回し受験」もかなり危険です。

1月に「前受け」受験を1校受けた程度で、次は第1志望校、しかも持ち偏差値より高いレベルの学校というバターンは「良い結果」を出すのが難しいです。

1日午後から2日、あるいは3日もチャレンジはできるだけ避けて、実力相応、安全校で固めます。

つまり2月3日まで「入学してもよい中学」を必ず1つ合格するプランです。

中学受験は2月4日から6日あたりまでの3日間で様相が一変します。

「チャレンジし続けてダメだったら、安全校に切り替えればいい」という「安全校後回し」パターンを想定している親御さんもいますが、これこそリスキーな受験プランです。

各校とも1回目入試が終わり、合格→入学手続きが素早く続いてくると、「歩留まり」の良い学校=入学手続きをする合格者が順調に集まっている学校、は2回目、3回目の入試で合格者をギュッと絞り込みます。

1回目入試で募集定員の3倍くらいの合格者を出した学校が、2回目は募集定員ちょうどピッタリとか、場合によっては募集より少ない人数の学校が毎年出てきます。

こうなると「持ち偏差値」はほぼ意味をなさなくなります。

特に4日以降の受験生は「3日までに納得する結果を得られていない」ケースが多く、この場合「子どもの気持ちの持ち方」が合否に大きく影響します。

持ち偏差値に余裕があっても、不合格が相次いでいたりすると「できる気がしない」と追い込まれている子と、「入学できる学校は確保した。最後に熱望校にトライする」というノッている子とでは、入試に向かう姿勢が違います。

精神論だけで受験を語るのはナンセンスですが、こと2月4日以降の中学受験は持ち偏差値より気持ちが合否を分けます

入試は「得意な展開」に持ち込む

最後に「傾向不統一受験」も危険度が高いです。

入試問題には各校の「傾向」があります。

一番わかりやすい国語で言えば、「オール記述」の学校なのか、選択肢問題が大半で記述は抜き書き程度なのか、本文に忠実に読解していくのか、「あなたはどう思うのか」を問いにしているのかでタイプが全く違います。

男子校難関校の開成と麻布。2月1日この両校をそれぞれ受けた子は、3日に国立の筑波大駒場受験組は除き、開成受験組は早稲田を、麻布受験組は海城に向かう子が多いです。より出題形式が近いからです。

傾向が分散していると、あちらこちらに「目くばせ」しなければならず、絞り込みの勉強が厳しくなります。

実際にはタイプが入り乱れても気にしない子もいて合格しますが、総じて「実力がある子」です。

苦手分野や科目があったり、持ち偏差値が志望校に届いていない場合は「入試傾向」はそろえた方が合格しやすくなります


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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