中学受験 偏差値&成績

中学受験 直前期だからこそ確保する「睡眠時間」


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睡眠不足が招く入試失敗の悪循環
・朝である必要は全くない
おかわり厳禁 もう少しで止める
・まだいた?「四当五落」信奉者

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睡眠不足が招く入試失敗の悪循環

中学受験の終盤戦はどうしても無理をしがちです。

大人なら多少の睡眠不足は頑張って乗り越えることはできますが、12歳の子どもにとって睡眠不足は学習サイクルの悪循環を招きます

子どもによって必要な睡眠時間はそれぞれ。

一概には言えませんが、最低でも7時間は確保したいところです。

朝7時に起床するとすれば、日付が変わるころには絶対に就寝します。

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追い込みの時期は睡眠時間を削って頑張るものではありません

睡眠不足で勉強しても頭の中はぼんやり。勉強を10したとしてもすべて「あいまい」「ぼんやり」といった感じです。

睡眠不足の毎日が続くと、いくら勉強時間を増やしても全く効果がない悪循環に陥ります。

それなら短時間で1の勉強をして、しっかりそれを入試実戦で「使える」(自力でアウトプットできる)ようにした方が合格に近づきます。

学習計画を立てる際に真っ先に確保しなければならない時間が「就寝時間」と「休憩」(食事や風呂なども含む)です。

入試直前期は家庭学習の課題が終わっていなくても、時間になったら「強制終了」する勇気を親御さんが持つこと大切です。

朝である必要は全くない

早起きして朝学習を日課にしている家庭も相当数あります。

計算や漢字などをやるケースが圧倒的に多いようです。

これも無理なく日課として消化できているのなら続けてほしいのですが、直前期は「絶対」ではありません。

おやすみなさいの時間が遅くなり、十分な睡眠時間が確保できないのなら、時間を変えて取り組めばいいだけのことです。

中学受験必須のルーティン、漢字と計算は毎日のようにやってほしいのですが、朝学習にこだわる必要はありません

隙間時間でも眠る前でも構いません

よく「入試は午前中に行われるので、早起きの習慣をつけて頭が働くようにする」のが良いという話を聞きます。

一理あります。しかし、これまで懸命に勉強してきた子なら、1時間もあればフルスロットル(全開)します。

それよりも睡眠不足で一日中ぼやっとしているほうが、力を発揮できずに終わります。

疲れている時などは無理に朝起こさず、十分睡眠をとることが優先です。

おかわり厳禁 もう少しで止める

ただ、計算は眠る直前にやらない方がいいかもしれません。

多少なりとも思考力を使うものは、脳を活性化するうえでも寝起きや午前中が効果的です。

この時間帯に難しければ、塾に行く前の隙間時間を使います。

寝る前に頑張ってしまうと、うまく寝付けず、余計目がさえてしまいます。

寝る前はどちらかというと覚えれば入試で得点に直結するもの、代表的なのが漢字や理科社会の一問一答式での確認です。

やりすぎて止まらなくなっては元も子もないので、範囲や時間を決め「もう少しやりたいな」ぐらいで止めておくのがコツです。

なお、寝る前の勉強の「おかわり」は厳禁です。

特に親御さんから「もう少しやったら」の提案はNGです。

「適量、やや少なめ」こそ睡眠中に記憶が脳内で整理され、定着させる効果があるからです。

まだいた?「四当五落」信奉者

かつて大学受験の世界では「四当五落」(しとうごらく)という言葉がありました。

「受験戦争」という言葉とともに、1970年代あたりによく使われていました。

睡眠時間4時間なら合格して、5時間なら落ちるという意味です。

もうそんなことは信じる人はいない、と思っていましたが、この手の精神論を振りかざす塾関係者や親御さんはまだ「生息」しているようです。

くれぐれも振り回されないようにしてください。

睡眠時間を削ったところで、学力は変わりません。むしろ「悪化」します。

それより「隙間時間」を大切にして、「できる」ことの確認と「もう少し」を「できる」に変える積み重ねる方がはるかに効果があります

睡眠時間が十分なら、隙間時間に眠くもなりません。

塾でも家庭学習でも「中身」が頭に入ります。

疲れてはいますが、復習も短時間でまとめられる活力がまだ残っています。

睡眠時間最低7時間確保。これが合格への道です。


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池ノ内 潤

 「その子基準」で、勉強法、成績アップ、スケジュール立案、受験校・併願校選びなど、受験のあらゆる相談に乗る「受験デザイナー」。  昭和四十年代の夏、神奈川県生まれ。教師を志し、偏差値40程度の県立高校から独自の勉強法を駆使し、同校で初めて早稲田大学に合格。  進学塾講師、家庭教師で中学~大学受験に関わる。就職後もスポーツや執筆活動を通じ、教育や受験に携わる。    子ども2人の中学受験をサポート。1人は大手進学塾最下位クラスから転塾を経て、首都圏1都3県の偏差値トップ私立全てに合格し、第1志望に進学。  もう1人は偏差値30台から「親塾」でベースを固め、6年から入塾。3校に合格して大学付属中学へ進学した。

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