◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・先生はどこにいる!!
・多発!乗り間違え、日程勘違い
・延納手続き忘れて「取り消し」
・アクシデント、まずは冷静に
2月の東京・神奈川受験で「難所」といわれるのが、午前受験から午後受験の切り替えです。
第1志望受験のことが多い1日午前の入試の出来次第で子どものモチベーションは爆上がりもすれば、血の気が引くほどのショックを受けて親御さんの前で立ち尽くすこともあり得ます。
親御さんの励ましで何とかなれば良いのですが、子どもによっては「もう立ち直れないのでは…」というくらい泣きじゃくったり、自信をなくし、午後入試は「絶対受けたくない」と怯える子さえいます。
親御さんの存在もこの時ばかりは「無力」です。
そこで「出番」となるのが塾の先生です。家庭教師、個別指導塾の先生でもOKです。
子どもが教わっている先生の中で1番か2番目に好きなあるいは信頼している先生に連絡をとり、電話なりZOOMなりで声を聞けるようにします。
大泣きしている子も、震えている子も、これで不思議と「戻る」ものです。
この先生からの励ましは「特効薬」です。子どもはもう一度前を向きます。
まさかの時のために、親御さんは事前に根回しをしておきます。
午前入試が終わる時間帯に先生がどこにいるかを把握、連絡があるかもしれないと話をしておきます。
連絡しなくても良い状況がベストですが、12歳の受験は想定通り事が運ぶことはほとんどありません。
親御さんができることは「できることはやっておく」の一点です。
親御さんがやってしまいがちな「困った!」の1つに、受験校を勘違いして、違う日程の学校へ行ってしまったり、会場を間違える、というのがあります。
信じられない、あり得ない、と思うかもしれませんが、毎年必ず「どこかで」「誰かが」やっています。
「逆方向の電車に乗ってしまった」、「各駅停車の駅で降りなければならないのに急行に乗ってしまい、5駅先まで…。急いで戻って試験時間2分前に学校に着いた」「乗換駅を間違えてパニックになって駅員さんに誘導してもらった」――。
まさに「顔面蒼白」とはこういうことです。
ある東京受験の例です。
前日夜になって出願した学校を受けるために、午前の入試が終わってから午後受験の中学校へ向かいましたが、次の日受ける学校と勘違い。急いで移動したものの、試験はすでにスタート。
受験生は算数1時間の一発勝負の試験を、45分程度でやらなければならなくなりました。
午後入試も増えて、受験スケジュールが「複雑」になることでの「勘違い」も多発しています。
事前に練りに練った受験プランが頭の中に残り、受験しないことを選択したはずの学校へ行ってしまった、という話さえあります。
笑えない、悔やんでも悔やみきれない話を1つ。
千葉入試で見事合格を勝ち取り、意気揚々と合格証と入学手続き書類をもらって帰宅。「これで第1志望がダメでも行く学校はある」とお母さんはホッとしました。
しかし、この学校へは入学できなくなりました。
お母さんは2月入試の結果が出るまで入学金の全額入金を待ってくれると勘違い、「延納手続き」をしなかったのです。
実はその前の埼玉入試で2月まで入金を待ってくれる学校があり、そこと混同したのか、そういうものだと思い込んでいたのか、期日までに入学金の半額を払い込まず、気が付けば締め切りを過ぎていました。
合格校に事情を説明してなんとか…と懇願しましたが、どうにもなりませんでした。
子どもに謝っても謝っても許してもらえません。
険悪なムードのまま迎えた2月1日。
それが原因ということは考えたくありませんが、第1志望は不合格。
結局東京入試は連敗の後、なんとか1つ合格し道は開かれましたが、逃した魚は大きかったのです。
親子にとって一生に一度きりの中学受験です。
入試日程に行き先、入学金支払い手続きの流れ…思い込みは捨てて、まめに確認することを怠らないようにするのが肝要です。
持ち物や出発時間、午後受験の場合は電車の時刻や交通機関トラブルの場合の迂回方法や学校への連絡など、考えられるありとあらゆることを、親御さんの「受験ノート」に、あるいはスマホにまとめておきます。
万が一、入試当日アクシデントが起こったら、まずは深呼吸をして冷静に。大抵のことは何とかなります。
学校側に相談をすれば多くの場合、何かしらの配慮をしてくれる可能性が高いので独自に判断せず、困ったら相談です。
親御さんがエスコートして入試会場まで受験生を連れて行く意味は「こういう時のために」と言っても過言ではありません。